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フォントーディにおけるワイン生産は19世紀後半に遡るが、現在のマネッティ家の所有になったのは1968年。ワイナリーの名声を築いたのは、現在のオーナー ジョヴァンニとエノロゴのフランコ・ベルナベイ。彼らが1985年ヴィンテージに送り出したのが、単一畑のキャンティ・クラシコ ヴィーニャ・デル・ソルボである。以来、キャンティ・クラシコを代表する銘酒として安定した評価を誇っている。
なお、2010年ヴィンテージからはキアンティの産地表記で最上級のカテゴリーとして新設されたグラン・セレツィオーネとなっている。


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Chianti Classico Riserva Vigna del Sorbo 1988
[格付け] DOCG Chianti Classico
[品種] サンジョヴェーゼ 90%、カベルネ・ソーヴィニオン 10%
[醸造] 発酵はおそらくステンレスタンク。フレンチオークのバリック(50%新樽)で18ヶ月熟成。
[アルコール度数] 13.0%
[ブドウ・畑] 単一畑のヴィーニャ・デル・ソルボ。南西向きでサンジョヴェーゼの当時の樹齢は約20年。カベルネはカルミニャーノ(トスカーナにおける伝統的なカベルネ栽培地)から取り寄せたクローンをカナイオーロに接木したもの。なお、このクローンは元々シャトー・ラフィットから持ち込まれたものという話。
[生産本数] 18,637本。

これまでのヴィーニャ・デル・ソルボの印象だが、カベルネがブレンドされているためか、赤よりは黒系の果実を感じ、キャンティとしては最大クラスの骨格を持っている、というもの。ところが、今回はちょっと違った。カベルネの要素はほとんど感じず、ピュアな赤い果実にフレッシュな酸。ミディアムボディで非常にスタイリッシュなワイン。30年の時間の経過を感じない若々しさを持っている。サンジョヴェーゼ、キャンティのベストの姿がここにある、と言っても言い過ぎではないかもしれない、素晴らしいワインだった。



by taurasista | 2019-09-20 16:28 | ワイン(イタリア)

サンターディはサルデーニャ島南端のサンターディ村で1960年に設立された協同組合。当初生産していたのはほぼバルクワインのみだったが、1976年に会長に就任したアントネッロ・ピローニ氏が高品質ワインの生産に乗り出す。コンサルタントとして招かれたのが、かのサッシカイアの生みの親ジャコモ・タキス。タキスがカンティーナのフラッグシップとして送り出したのがこのテッレ・ブルーネで、ファースト・ヴィンテージは1984年。以来イタリアのワインメディアでは安定して最高評価を受けている。


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Terre Brune 1992
[格付け] Vino da Tavola (現在はDOC Carignano del Sulcis Superior)
[品種] カリニャーノ 95%、ボヴァレッドゥ 5%
[醸造] 熟成は9ヶ月フレンチバリック新樽、6ヶ月瓶熟。
[アルコール度数] 13.0%
[ブドウ・畑] ブッシュヴァインの古木。土壌は砂質。そのため、フィロキセラの被害を免れ、ブドウは自根。
[生産本数] 不明。

これまで何度か経験のあるワインだが、ここまで熟成したものは初めて。香りはプラム、スパイス。味わいには少し梅のような甘酸っぱさがあり、やはりスパイシーなアフター。
おそらく、もう少し果実味が前面に出てきていた頃の方がこのワインらしさがあったのかもしれない。とは言いながら、綺麗に熟成した良い状態の古酒だったことは間違いなく、非常に面白い経験だった。

by taurasista | 2019-09-18 15:35 | ワイン(イタリア)

ホフスタッターは協同組合が発展しているアルト・アディジェで最初、そして最大の個人経営ワイナリー。最も有名なのはピノの単一畑バルテナウ Barthenauだが、その他のワインの品質も定評があるところ。


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Lagrein Steinraffler 1997
[格付け] DOC Alto Adige
[品種]:ラグレイン 100%
[醸造]:熟成は新樽バリックの模様。他は不明。
[アルコール度数]:13.0%
[ブドウ・畑]:単一畑のステインラッフェル。小石が多い土壌で小石が蓄えた熱がラグレインの生育を助ける。標高は約250m。
[生産本数]不明。

ラグレインは強いタンニンと青みのあるフレーバーを持ち、若いうちは飲みにくいさを感じることも多い品種。
それを20年熟成させるとどうなるか、非常に興味を持ってテースティングに臨んだ。
まず見た目。若いラグレインはほとんど黒と言っても良いぐらい、濃い色合いのものが多いが、だいぶ落ち着いた色調になっている。
香りはスパイス、バニラに赤系のフルーツ。若いヴィンテージで感じるインクやプラムと言った濃厚な香りは出てこない。
ミディアムフルボディで、タンニン、酸は程よく丸くなり、質感は滑らかでどんどん飲み進めることができる。余韻はそこそこ長い。

20年以上熟成したラグレインは今回が初めてだったので、若いラグレインのイメージに引きづられてしまったが、これはこれで綺麗に熟成した美味しいワイン。


by taurasista | 2019-09-16 16:47 | ワイン(イタリア)

自分のストックに加わった経緯がはっきりしないこのワイン、作り手についても全く知識がなかったが、実はオレゴンの名門だった。
設立は1982年というからオレゴンのワイナリーとしてはかなり古い。ポール・ハート Paul Hartとヤン・ジェーコブセンJan Jacobsen夫妻が放棄された養豚場を買い取ったのが始まりだ。夫妻は2007年の引退時にワイナリーを同じく個人所有のワイナリーA to Zに売却したが、レックス・ヒルのブランド名は存続している。


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Pinot Noir Jacob Hart Vineyard 1998
[格付け] AVA Willamette Valley
[品種]:ピノ・ノワール 100%
[醸造]:詳細不明。
[アルコール度数]:記載なし。
[ブドウ・畑]:1987年に七面鳥農場を買収しブドウ畑に転換。日当たりの良い南東向き斜面に位置し、土壌には火山灰を含む。
[生産本数]不明。

ほぼ予備知識なしで抜栓。ずっと倉庫に入れっぱなしだったのでエチケットのデザインも記憶が曖昧だったが、デザインは・・・かなりダサい。
スーパーマーケット用の安ワインに見える。

見た目で期待値が下がったが、実際に飲んでみると、悪くない。全然悪くない。
まずフルーツが非常に元気。張りがある果実味が前面に出たパンチのあるワインだ。香りは若々しさを残していて、プラム、ミントにチョコレートのニュアンス。
味わいもパワフル。しっかりとした果実味にスパイシーさと甘さ、そしてフレッシュさを残す酸と丸いタンニンが加わる。バランス良好。
複雑さ、繊細さにこだわらなければ、楽しく美味しく飲める陽性のワイン。


by taurasista | 2019-09-15 15:35 | ワイン(その他)

マウント・エデン・ヴィンヤーズはシリコンバレーの南側サンタクルーズ・マウンテンズが本拠地。リッジ、リースと並んでこのエリアを代表するワイナリーだ。創業は1972年なのでリッジとほぼ同時期だが、その歴史はもう少し古く、第2次世界大戦中にマーティン・レイが現在のワイナリーの場所にマーティン・レイ・ヴィンヤーズを設立し、シャルドネとピノを植樹した時に遡る。マーティン・レイ・ヴィンヤーズは生産量を絞って高品質高価格のワインに特化した当時としては革新的な生産者だったが、野心的過ぎた投資が祟って1970年に破綻。この歴史的なサイトを引き継いだのがマウント・エデンである。


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Chardonnay Estate 2007
[格付け] AVA Santa Cruz Mountains
[品種]:シャルドネ 100%
[醸造]:フレンチオークとアメリカンオークを併用で発酵(100%乳酸発酵)。50%新樽、50%1年使用樽で10ヶ月熟成。9ヵ月間はシュール・リー。軽くフィルターをかけてボトリング。2年間瓶熟後にリリース。
[アルコール度数]:13.8%
[ブドウ・畑]:40年代後半、60年代前半にマーティン・レイが植樹した畑のブドウを使用 (樹齢は不明)。この畑のクローンは「マウント・エデン・クローン」として知られている。標高は約600m。
[生産本数]16,000本

非常に文字が多いが、品の良さを感じさせるラベルが好印象。
金色がかった濃い目の色調。少し曇っているので、ノンフィルターに見える。
香りはパンチがあり、柑橘類、パイナップルに少しナッティ。強いミネラル感あり。フルボディで塩辛いミネラルを感じる味わい。酸はフレッシュで、筋肉質で引き締まっている。アフターに少し甘さがあり、ここは好き嫌いが分かれるところだと思うが、ちょっと甘くて隙を感じさせるぐらいの方が個人的には好感度が高い。熟成で更に良くなるという感じはないが、今非常に良い状態で素直に美味しい。

by taurasista | 2019-09-14 15:35 | ワイン(カリフォルニア)

Gaia Winesはボルドー大学卒の醸造家ヤニス・パラスケヴォプロス Yiannis Paraskevopoulosと農学者のレオン カラツァロス Leon Karatsalosによって1994年に設立された。アシルティコとアヨルギティコという地元品種のポテンシャルを生かすことをテーマとし、最新の技術でそれを実現して、今や世界的に評価を受けるワイナリーとなっている。施設はペロポネソス半島のネメアとサントリーニ島の2箇所で、もちろんこのアシルティコはサントリーニで造られたもの。

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Assyrtiko Wild Ferment 2018
[格付け] PDO (Protected Designation of Origin) Santorini
[品種]:アシルティコ 100%
[醸造]:低音で12時間スキンコンタクト後、ステンレスタンク(50%)と225Lのフレンチオーク(20%)、アメリカンオーク(10%)、アカシア(20%)の樽で天然酵母のみを用いて発酵。温度管理は行わなず、乳酸発酵もしない。発酵完了後、出来の良い部分のみを選んでブレンド。
[アルコール度数]:13.5%
[ブドウ・畑]:ブドウは樹齢70-80年で自根。仕立て方はクルーラ Koulouraと呼ばれるサントリーニ独特の方法。海からの強い風と砂からブドウを守る為、樹を低く、枝をらせん状に巻き、かご型に仕立てられる。畑は火山灰土壌。フィロキセラは生息できない。

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[生産本数]:不明。

いかにも海を感じるワインだ。香りは柑橘類、黄桃にヴァニラのニュアンス。非常にドライで噛めるようなミネラルと非常に強い酸、そして塩辛さが特徴的な味わい。現時点では硬さがあるので、2-3年待つ方が個人的には良いと思う。

合わせた料理はこちら。アワビを使った生春巻。

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by taurasista | 2019-09-09 22:10 | ワイン(その他)

ファン・ロッゲレンベルグのファーストヴィンテージは2016年。まだ3ヴィンテージしかリリースしていないにも関わらず、既に多くのワインジャーナリストにカバーされている注目の生産者である。オーナー兼ワインメーカーはルーカス・ファン・ロッゲレンベルグ。南アのライクスや米国ニューヨーク州のフィンガーレイクス地方で修行後に自らのワイナリーを立ち上げた。南アの新鋭生産者のお約束で、ワインメイキングは天然酵母のみを使用し新樽も不使用という不干渉主義。


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Breton Cabernet Franc 2016
[格付け] WO Stellenbosch
[品種]:カベルネ・フラン 100%
[醸造]:詳細不明だがおそらく全房発酵。
[アルコール度数]:12.5%
[ブドウ・畑]:詳細不明。酸を重視して収穫は非常に早いとのこと。
[生産本数]:バックラベルの「3樽」はバリック換算だと900本。ここまで少ないとは思えないけど。

瑞々しい果実味を感じる香り。フルーツはイチゴ。そしてちょっぴりインキーでスパイシー。
味わいは強い酸とスパイシーさが特徴。非常にドライ。現時点ではまだ完全にバランスが整っていない感がある。あと2−3年待ちたいかな。
アグレッシブで容赦ないスタイルには好き嫌いが分かれると思う。個人的にはもう少し「優しさ」が欲しい。面白いワインだが、好きかと言われるとちょっと微妙なところだ。

by taurasista | 2019-09-08 15:10 | ワイン(南アフリカ)

AA バーデンホーストは従兄弟同士のハイン&アディ・バーデンホーストが2008年にスワートランドで創業したワイナリー。自根の樹齢50年を越える畑を基本無灌漑、オーガニックで栽培。醸造も極力非介入主義を取るという、南ア新世代の典型的な生産者である。


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Family White 2016
[格付け] WO Coastal Region
[品種]:シュナン・ブラン25%、グルナッシュ・グリ16%、グルナッシュ・ブラン15%、ルーサンヌ15%、マルサンヌ11%、セミヨン10%、ヴィオニエ5%、コロンバール3%
[醸造]:大樽発酵(天然酵母のみ使用)、シュールリーで熟成。 ブレンド後コンクリートタンクに移して約半年さらに熟成させてからボトリング。
[アルコール度数]:13.5%
[ブドウ・畑]:スワートランドのカルモスフォンテイン Kalmoesfonteinとパールドバーグ Paardbergのブレンド。土壌は花崗岩。
[生産本数]:不明。

出だしはシャープさが突出していたが、温度が上がってくるとともに実力を発揮し始めた。香りは複雑。最初は柑橘類が支配的だったが、徐々にオレンジ、ハチミツ、白い花などが要素のとてもアロマティックなものに。味わいは細身で鋭い酸が特徴的だが、同時に旨味もしっかりとあって、決して飲みにくい感じはない。高いポテンシャルを感じるので、もう少し寝かせたいところ。今飲むなら、十分前に抜栓して、温度高めで味わうのが良さそうだ。

by taurasista | 2019-09-07 15:07 | ワイン(南アフリカ)

近年話題に上ることが多くなったギリシャのワイン。500を超える伝統品種があるというが、赤を代表するのがクシノマヴロ。
ドメーヌ・ティミオプロスはその原産地にして最良の産地であるギリシャ北部マケドニア地方のナウサに本拠を置く生産者である。
ティミオプロス家は数世代に渡ってこの地でブドウ栽培を行ってきた。従来は協同組合にブドウを売却していたが、現在の当主アポストロフが2003年から自社でのボトリングを開始、現在はギリシャで最も有名な生産者の一人となった。このジューヌ・ヴィーニュ・ド・クシノマヴロがジャンシス・ロビンソンのサイト「パープルページ」の今週のワインに選ばれるなど、特にイギリスで人気が高い生産者である。


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Naoussa Jeunes Vignes de Xinomavro 2016
[格付け] AOP Naoussa
[品種]:クシノマヴロ 100%
[醸造]:ステンレスタンク発酵(天然酵母のみ使用)、熟成。 無濾過無清澄でボトリング。
[アルコール度数]:13.0%
[ブドウ・畑]:ドメーヌの若木(樹齢20年以下)を使用。栽培はビオディナミ。
[生産本数]:不明。

クシノマヴロは「黒い酸」を意味する。その名の通り、重く酸が強い品種だが、このワインは軽やかさを出すことに成功している。フレッシュな赤い果実が香り、味わいは軽快でジューシー。少し低めの温度が似合う赤だ。食事とのマッチングも幅広いだろう。ギリシャワインの今を知る上で良いサンプルになった。

by taurasista | 2019-09-04 22:37 | ワイン(その他)

ジャメはギガル、ガングロフ、ロスタン等と共にコートロティのヒエラルキーで最上位に位置する生産者。価格も高騰し、今やギガルのLaシリーズと変わらなくなってしまった。スタイルは極めてクラシックで基本除梗せず、新樽比率も低い。現在はキュヴェが増えているが、この当時はコート・ブリューヌの区画をブレンドした通常のものと、特別な1区画のみを使用するブリューヌの2つのワインのみを生産。特にこのブリューヌは生産本数が少ないため、滅多に出会う機会がない超レア物である。

シブく深い味わいのある古典芸能的、匠の趣のワインなので、煌びやかなギガルとの対比がとても楽しみだった。

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Côte-Rôtie Brune 1995
[格付け] AOC Côte-Rôtie
[品種]:シラー 100%
[醸造]:ブドウは一部のみ除梗。ステンレスタンクを用い、3週間マセラシオン、発酵。熟成はバリックとドゥミ・ムイ(600L)。新樽比率は約30%。
[アルコール度数]:12.5%
[ブドウ・畑]:コート・ブリューヌの南西向き1区画(0.55ha)。0.4 haは植樹1930年代〜40年代、残りは1983年と93年。なお、お隣はギガルがLa Turqueに用いる畑。
[生産本数]:約2,000本。

やはりシャトー・ダンピュイとは好対照で、非常に男性的なワイン。いかにもシラーと言わんばかりの、黒いフルーツに強いスパイス、レザー、そして鉄分を感じる香り。ボディは意外に小ぶりだが(アルコールは12.5%しかない)、存在感は堂々たるもの。密度が非常に濃く、長大なアフター。非常にスパイシーな味わいは全房比率の高さ由来か。クラシックなシラーの真髄を示した逸品。


by taurasista | 2019-09-02 21:41 | ワイン(その他)