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赤の1本目までアドリア海シリーズが続きます。選んだのはサン・サヴィーノの最上級キュヴェ クインタ・レジオ。2008年に書いたカンティーナ訪問記でこの2001年に触れていて、「2006年に2本購入。1本はすぐ飲み、1本保管中。」とあるので、12年前に購入したものみたいですね。

サン・サヴィーノはマルケのモンテプルチャーノの聖地リパトランソーネ Ripatransoneを本拠地とするカンティーナで、地元品種に絞った商品展開を行っています。中でも彼らが復活させた品種ペコリーノ Pecorinoを使った白は評価が高く、オフィーダ・ペコリーノ Offida PecorinoがDOCGに認定されたのも彼らの功績と言えるでしょう。赤品種はサンジョヴェーゼとモンテプルチャーノで、後者100%で最良年のみ生産するのがこのクインタ・レジオです。
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Quinta Regio 2001
品種:モンテプルチャーノ 100%。
格付け:IGT Marche Rosso。なお、現在はDOCG Offida Rosso。
醸造:不明ですが、新樽バリックをばっちり使っていることは間違いなし。
アルコール度数:14.0%
ブドウ:不明。
生産本数:不明。

色は非常に濃く、グラスの裏側を見通せないほど。非常に濃厚な味わいを想像させます。香りは、チョコレート、インク、ブラックベリー、ヴァニラなど、要素はヘビー級ですが、決して重々しい感じはありません。味わいは驚くほど若々しいです。重厚な果実味に生き生きした酸を持ち、これが2001年ヴィンテージとは驚きです。
抽出は強め。もう少し弱い方が好みですが、この頃のワインには多いスタイルなので、当時をリアルタイムで知る身としてはそれほど気になりません。
とにかく、このパワフルさは印象的でした。15年以上経過してもなお、溢れる果実のパワーを楽しめたことを、素直に喜びたいと思います。


by taurasista | 2018-05-27 23:15 | ワイン(イタリア)

続いてはヴァレンティーニです。イタリアを代表する超有名な生産者ですが、以前から訪問は一切受けず、情報も全く公開しないミステリアスな作り手で、その方針は先代のエドアルド氏が2006年に亡くなった後も変わっていません。
情報としては、彼らは数百年続く古くからの大地主で、一切の人為的要素を排したワイン造りを長年行っていること程度しかなく、それ以外はワインから感じ取るしかありません。

彼らのワインは定期的に飲んでいます。当たると唯一無二の感動的なワインですが、飲み頃と抜栓のタイミングが難しく、またボトル差もあって、実力不明のままボトルだけ空になってしまうことの方が多い、というのが個人的な経験則。つまり、ワイン会に出すのはリスキーな銘柄ですが、今回は1ヶ月以上前にお店に送り、保管、抜栓タイミングを超一流のプロにお任せして、可能な限り良い状態で出せるよう、準備をして臨みました。
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Trebbiano d'Abruzzo 1996
品種:不明ですが、彼らはトレッビアーノ・アブルッツェーゼ Trebbiano Abruzzeseの古いクローンを持つと言われているので、これが主体であることは間違いないでしょう。
格付け:DOC Trebbiano d'Abruzzo
醸造:一切不明。
アルコール度数:12.5%
ブドウ:不明。
生産本数:不明。

出だしは全く無口ですが、数時間後に突如開いて、白い花、ライム、アーモンドなどが要素のデリケートさと華やかさを併せ持つ香りが満開に。味わいは決して太くはないけれど、ミネラルとフレッシュな酸が口内を強くグリップして、長大な余韻を持つ、というのが当たった時のこのワインのイメージです。出だしはこの公式通り。かなり前に抜栓したにもかかわらず、とても静かな立ち上がりだったので、そのまま放置プレーに移行。

2時間で開いてくれるのが理想でしたが、現実は期待通りには行かず、2時間後も少し変化は見られたものの、香りはまだまだささやき声レベル。更に待ちましたが、その1時間後も香りはほとんど変わらず。一方、味わいは酸が突出してきたので、結局そこで飲み切ってしまいました。

やっぱり一筋縄では行かないワインですが、それだけ試し甲斐もあるというもの。次回に期待したいと思います。



by taurasista | 2018-05-21 21:20 | ワイン(イタリア)

「あれ、少し名前が違うぞ」と思われた方もいるかもしません。イタリアワインの世界で「ペペ」と言えば、アブルッツォ州を代表する生産者にしてイタリア自然派の草分けエミディオ・ペペ Emidio Pepeですが、今回ご紹介するのはステファニア・ペペ。エミディオの娘さんです。
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最初にこのワインを経験したのは、確か10年ぐらい前。ヴィーノ・デッラ・パーチェで内藤さんに飲ませていただきました。ミネラル感に溢れ、綺麗な果実味を持つ明るいキャラクターに惹かれて、2本購入。1本は購入後すぐに飲みましたが、もう1本はこの日まで10年熟成。ワインのポテンシャル的にいい熟成をする予感がしていたので、状態を確かめるのが大変楽しみでした。

Trebbiano d'Abruzzo Cuore di Vino 2006
品種:トレッビアーノ、パッセリーナ Passerina、ココチョッラ Cococciola。ブレンド比率は不明。
格付け:DOC Trebbiano d'Abruzzo
醸造:スレンレスタンクで発酵、熟成。SO2使用は最小限。
アルコール度数:12.5%
ブドウ:西向き、土壌は石灰粘土質。
生産本数:不明。

パイナップル、黄色い花、バナナなど、穏やかで温かい香り。記憶を辿ると、10年前と大きな変化はなく、かなり若々しい印象です。ミネラル感の強い味わいも変わらずで、きれいな果実味も健在。酸が穏やかになって、全体的には丸みを帯びましたが、まだまだ熟成していくことは間違いなく、高いポテンシャルを持ったワインであることを改めて認識しました。

ウェブサイトで紹介されているのは2008年ヴィンテージまで。主要なワインメディアにも全く掲載されていないので、現在カンティーナがどういう状況なのかが気がかりですが(ちなみに、ステファニアはエミディオに勘当されてしない、両者の交流は全くないとのこと)、アブルッツォの知られざる銘酒として、記憶に刻み込んでおきたい高品質のワインでした。

by taurasista | 2018-05-20 18:30 | ワイン(イタリア)