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ケイネズ・ワイナリーは2007年ナパ・ソノマの北側アンダーソン・ヴァレーに設立された新しい生産者です。運営しているのは元金融業界のオーナー ピーター・ケイネズ Peter Knezと醸造責任者のアンソニー・フィリベルティ Anthony Filberti(アントヒル・ファームズ)。「畑ではたっぷり手をかけるが、セラーでは極力何もしない。」という今風なミニマリス的手法で生み出されるワインは毎年高い評価を受けています。このボトルはアンダーソン・ヴァレーのフィロ Philoにある彼らのテースティング・ルームで購入したものです。
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Anderson Valley Pinot Noir Cerise Vineyard 2009
品種:ピノノワール 100%
格付け:AVA Anderson Valley
醸造:天然酵母で全房発酵。フレンチオークのバリックで熟成。瓶詰めまで澱引きは行わない。SO2の使用は最小限。
アルコール度数:記載なし。
ブドウ:標高200-300m、1995年植樹のセリーズ・ヴィンヤードから。ビオディナミ。セリーズ・ヴィンヤードはケイネズ氏が2007年ワイナリー創業時に購入した畑ですが、2016年にコスタ・ブラウンに売却されています。
生産本数:不明。

色はかなり薄め。スパイシーで赤い果実の香り。
密度の濃いスパイシーな赤い果実が口の中に広がり、ジューシーでとても滑らかな質感。果実の熟度を感じさせるほのかな甘みがいいアクセントになっています。非常にフレッシュな酸。決して大きなワインではありませんが、おいしく、かつ親しみやすい味わいです。
大きさや強さには重きを置かない、いま旬のカリフォルニアのピノのスタイルを知る上で、非常にいいサンプルになるワインでした。

by taurasista | 2018-03-31 16:55 | ワイン(カリフォルニア)

もう一本のバローロはマルケージ・ディ・バローロの90年。
このエステート・ヴィンヤードは現在生産されていないこともあって素性は不明ですが、ちょうど10年前に以下の錚々たるラインアップの中で、人気1、2を争ったのがこのワイン。その直後に訪れたピエモンテ・モンフォルテ・ダルバのショップで発見して即購入したのが今回のボトルです。

Barolo Estate Vineyard 1990 (Marchesi di Barolo)
Barolo Cerequio 1990 (Roberto Voerzio)
Barolo Cerequio 1989 (Roberto Voerzio)
Barolo Rocche 1990 (Vietti)
Barolo Cicala 1990(Aldo Conterno)
Barolo Lazzarito 1990(Vietti)
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このワインの特徴は強めの切れのいい酸。すべての要素が巨大な甘い球体に溶け込んでいたコリーナ・リオンダのあとだったので、これがネガティブな方向に感じられた面こそあれ、30年近くを経過してフレッシュさを保っているこのバローロ、その酒質は相当に高いと思います。願わくは、こちらを最初に飲みたかった。。。

by taurasista | 2018-03-26 20:00 | ワイン(イタリア)

続いてはマルケージ・ディ・バローロのリゼルヴァ。
マルケージ・ディ・バローロは作り手としての評価は中の中〜上というところですが、200年の歴史を有すバローロ最古の生産者(確か)で所有する畑のレベルは非常に高いと言われています。78年という20世紀屈指のヴィンテージでそのポテンシャルが発揮されていることを願って抜栓です。
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Barolo Riserva Grande Annata 1978
品種:ネッビオーロ 100%
格付け:DOCG Barolo
醸造:不明ですが大樽熟成は間違いなし。
アルコール度数:13.0%
ブドウ:詳細不明ですが、おそらくカンヌビ Cannubiやサルマッサ Sarmassaといった彼らの所有する畑のベストのブドウのブレンドでしょう。
生産本数:不明

先にコリーナ・リオンダが出てしまったので、あとのワインが割りを食うのは仕方ないですが、このワインは大健闘。
少し酸が立ったところはありましたが、全体としてはまだまだ艶やか。コリーナ・リオンダの前なら結構高評価だったこと間違いなしです。

by taurasista | 2018-03-25 16:58 | ワイン(イタリア)

ここからはバローロを3本。最初は今年1月に亡くなったブルーノ・ジャコーザのコリーナ・リオンダ。
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ブルーノ・ジャコーザはブドウの仲買人の家庭に生まれ、10代で家業に参画。32歳だった1961年に最初の自分の名前を冠したワインを発売しました。クリュ別のボトリングを開始したのも1967年ヴィンテージからと非常に早く、更にブドウ農家が自ら瓶詰めを行う時代の到来を予期して80年代初めから畑の購入を始めるなど、時代を先取りしてランゲ地方のワインの品質と知名度向上に計り知れない貢献をした伝説的な人物です。

家業柄ランゲ地方の畑を知り尽くしていた彼は、最良の畑のブドウを長期契約で安定的に確保していました。リオンダはセッラルンガを代表する銘醸畑で、67年の初ヴィンテージ以来ジャコーザのバローロの最高峰に位置付けられていましたが、ブドウの購入契約が切れて93年ヴィンテージで生産中止となった幻のワインです(良年のみの生産なので実際にボトリングされたのは67-93年の間で14ヴィンテージのみ)。ジャコーザが購入していた区画はその後ロアーニャ Roagnaが一時期使用していましたが、近年植え替えられて、古木が残っているのはジョヴァンニ・ロッソ Giovanni Rossoが相続した小さな一部区画のみとのことです。

ジャコーザのリゼルヴァはピエモンテの、いや世界のワインの最高峰の一つというのが定説ですが、個人的には一度たりとも当たったことがありません。逆にリゼルヴァ以外は安いものからバローロ、バルバレスコまで外れたことがほとんどなし。元々数が少ない上にブルーノの死後更に値段が高騰して最早入手が不可能なコリーナ・リオンダ、これだけは評判通りであって欲しい、と参加者全員が祈りながらこの日を迎えました。

Barolo Riserva Collina Rionda 1990
品種:ネッビオーロ 100%
格付け:DOCG Barolo
醸造:ステンレスタンクで発酵、大樽で熟成、という極めて一般的な手法。
アルコール度数:13.5%
ブドウ:畑はセッラルンガ・ダルバ Serralunga d'Albaの銘醸畑リオンダ Rionda。土壌は鉄分の混じった石灰質、植樹は第二次世界大戦終了後間もない頃。
生産本数:年間3,000本程度。

エッジはオレンジがかっていて、いかにも熟成したネッビオーロです。温かで高貴ささえ感じさせる、複雑で魅惑的な香り。紅茶、葉巻、リコリスが甘く官能をくすぐります。味わいはリッチでとにかく滑らか。セッラルンガのネッビオーロの特徴の厳格なタンニンは豊満な大きな球体にすっかり溶け込んで、意識しなければその存在を感じません。強めですが優美な酸が全体を引き締めて、甘く長大な余韻へと続いていきます。

なんと洗練されたエレガントなワインでしょう。最初に赤ラベルを飲んでから20年。遂にジャコーザの真髄を経験することができました。

by taurasista | 2018-03-21 14:50 | ワイン(イタリア)

この夜の2本目のワインはアルト・アディジェ名産の白アスパラガスに合わせてクエンホフ。彼らのワインの中ではあまりお目にかからないゲヴェルツトラミネールです(イタリアだとトラミネール)。ゲヴェルツトラミネールの原産地はアルト・アディジェのトラミン Tramin村と言われているので、実はイタリア名の方が正当なはずなのですが。

クエンホフは白ワインの銘醸地イザルコ渓谷 Valle Isarcoで最初に自社でボトリングを始めた生産者の一人です。第一次世界大戦が終わるまでオーストリア領だったこのエリアの第一言語はイタリア語ではなくドイツ語。アルト・アディジェは南チロル Südtirol、イザルコ渓谷はEisacktalerがドイツ語での表記になります。
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Südtirol Eisacktaler Gewürztraminer 2006
品種:ゲヴェルツトラミネール 100%
格付け:DOC Alto Adige Valle Isarco
醸造:ステンレスタンクでプレス、天然酵母のみで大樽で発酵。ちなみに、2007年ヴィンテージからはスクリューキャップ使用。
アルコール度数:14.5%
ブドウ:畑の標高は550-700mで花崗岩がメインの土壌。栽培はビオディナミ。
生産本数:年間3,000本程度。

香りは典型的なトラミネール。ライチー、白い花、スパイス。クエンホフのワインを人に例えるなら、口数が少なそうで長身細身の北欧系、ですが、このワインは少しタイプが異なって、重心が低くて南欧的な人懐こさを持っています。ほのかな苦味と甘みがうまく溶け合って、親しみやすくかつ特徴的な味わいを構成。卵の黄身で甘さを加えたアスパラとの相性は抜群でした。


by taurasista | 2018-03-18 21:02 | ワイン(イタリア)

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世界的に見ると、日本のように古いワインを愛でる文化を持つ国は極めて少数派です。イタリアでもほとんどのワインが若い間に飲まれてしまい、熟成したヴィンテージを見かけることはまずありません。ましてやリヴィエラ・リグレ・ディ・ポネンテという超マイナーなDOC。27年熟成ものに巡り合うのはほとんど奇跡に近いでしょう。

このワインを入手したのは約10年前。経緯は不明ですが、まとまった量をヴィーナ・イオータが買い付けて販売していたものです。2本購入してそのまま倉庫に保管していたうちの1本を今回開けてみることにしました。

リヴィエラ・リグレ・ディ・ポネンテの地域は、その名の通りイタリアン・リヴィエラ。中心都市はアルベンガ Albengaです。主要品種はヴェルメンティーノ Vermentinoとその亜種でこの地域でのみ栽培されているピガート Pigato。ピガートという名前はこの地方の方言(ピガウ=小さな琥珀色の斑点)に由来していて、ブドウが完熟すると褐色の斑点が表面に現れることから名付けられました。強い果実味、酸と独特のミネラル感を持つ特徴ある品種なので、熟成させると面白いかもと思ったのが長期保存していた理由です。とはいえ、生産者は廃業してしまってデータは全くなく、ワインのポテンシャルは全くの未知数。本当に飲める代物なのか自信がないまま、当日を迎えました。

結果は・・・・・最近のヴァン・ナチュール的な味わいを持つ生命感に溢れるワインでした。香りはグレープフルーツ、白い花にシェリー的な酸化の要素がほのかに混じっています。味わいは意外にフレッシュで強いミネラル感があり、少し苦味を感じますが、全体のバランスが取れているので、いいアクセントになっています。

おそらく、若いうちだとこのニュアンスは出ないでしょう。熟成の魔法の素晴らしさを見ることができました!

by taurasista | 2018-03-17 20:52 | ワイン(イタリア)

トリはコート・ロティ。ルネ・ロスタンの限定キュヴェ コート・ブロンドです。

ルネ・ロスタンの創立は1971年。以来親族の畑を相続することで順調に事業規模と品質を向上させてきました。
中でも最高の区画を所有していた義父のアルベール・デルヴュー・タイズ Albert Dervieux-Thaizeと叔父のマリウス・ジャンタズ Marius Gentaz(*)から畑を譲り受けたのは大きかったようで、現在ではギガル Guigalやジャメ Jametと並ぶコート・ロティ最良の生産者と評価されています。

(*)Marius Gentazのワインは現在DRC並みの価格で取引されている幻のコート・ロティです。

コート・ロティで最も有名な区画がコート・ブリュンヌ Côte Bruneとコート・ブロンド Côte Blonde。一般的には力強さの前者( 代表的な畑はギガルやロスタンが保有するランドンヌ Landonne)、エレガントさの後者(同じくギガルのムーリンヌ Mouline)と言われていますが、23年の熟成を経たこのワイン、どのような顔を見せてくれるでしょうか。
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Côte-Rôtie Côte Blonde 1995
品種:シラー 95% ヴィオニエ 5%
格付け:AOC Côte-Rôtie
醸造:ブドウは一部除梗され、ステンレスタンクで両品種同時に発酵。熟成は大半が600リットルのドゥミミュイ、一部がフレンチオークの新樽。
アルコール度数:13.5%
ブドウ:コート・ロティ名物の急斜面、雲母の多い珪藻土壌の古木から。
生産本数:年間4,000本程度。

グラスに注いだ時から、何か特別のワインの予感がしました。香りは極めて多面的で、スミレなどフローラルなものから、ローストした肉のような動物系の香り、そして黒胡椒などスパイス系と、色々な要素が時間とともにどんどん出てきます。ここまで複雑な香りを持つワインにはなかなか出会えないかも。とても力強い味わいで、質感はとてもしなやかです。完全に熟成して、今がおそらくピークでしょう。味わいの焦点がびしっと決まっていて、いい意味で緊張感があります。余韻も長大。これはなかなか出会えないレベルのワインです。

95年をしのぐ良年と言われる99年をまだストックしているので、開けるのが楽しみになってきました!

by taurasista | 2018-03-13 21:10 | ワイン(その他)

続いてはシャトーヌフ・デュ・パプ。ジャナスのスペシャル・キュヴェのショパンです。
ジャナスは1973年創立。シャトーヌフの多くの区画に優れた畑を所有し、そのブレンドから作り出される複雑性のあるワインで高い評価を得ている作り手です。シャトーヌフはベースラインに加えて2種類のスペシャル・キュヴェを生産。スペシャル・キュヴェの一つがこのショパンです(もう一つはヴィエイユ・ヴィーニュ Vieilles Vignes)。
ショパンの特徴は多品種のブレンドが一般的なシャトーヌフでグルナッシュ100%であること。同じグルナッシュのみから作られるシャトー・ラヤス Château Rayasの好敵手と呼ばれる所以です。
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Châteauneuf-du-Pape Cuvée Chaupin 1995
品種:グルナッシュ100%
格付け:AOC Châteauneuf-du-Pape
醸造:2000年ごろ訪問した際の記憶では大樽のみを使用。現在も変わっていないようです。
アルコール度数:14.5%
ブドウ:砂質の土壌に植えられた古木のグルナッシュ。当時はChapouinという区画のみのブドウだったようですが、現在は複数区画のブレンドに変わっています。
生産本数:最近は年間12-16,000本。単一区画だった95年は間違いなく10,000本未満でしょう。

砂質のグルナッシュ、そしてシラーやムルヴェードルが入っていないので、どちらかというとフェミニンサイドのワインではないかと予想していましたが、実際には違いました。香りは黒系の果実の要素もありますが、アーシーさ、レザーなどをより強く感じます。既に熟成の第二段階に入ったワインでしょう。フルボディでごりっと強く、かじれるようなミネラルが味わいの主体。タンニンも強く、全体としてはかなりマッチョなワインです。
同じグルナッシュのワインでもジゴンダスとはスタイルが大きく異なり、非常に面白い比較試飲になりました。

by taurasista | 2018-03-12 20:40 | ワイン(その他)

久々にローヌ古酒の会を開催しました。ワインは南北ローヌを代表する4つのAOC、コート・ロティ、エルミタージュ、ジゴンダス、シャトーヌフの90年代を1本ずつ。幕開けはジゴンダス随一の生産者サント・コームの99年です。

以前にも書いた気がしますが、知人がオーナーのルイ・バリュオールと親しくしていた関係で、90年代の終わりから2000年代の初めまで年中行事になっていた夏のローヌ ワイナリーの旅で必ず訪問していました。彼はちょうどその頃ネゴシアンも始めてジゴンダスとコート・ドゥ・ローヌ以外にもポートフォリオを拡大したばかりでしたが、どのワインも洗練された素晴らしいもので、ジゴンダスの作り手の中では完全に頭一つ抜けていたという印象です。

当時最良年のみ作られていたスペシャル・キュヴェがヴァルベル Valbell。その後2003年初ヴィンテージのオミニス・フィデス Hominis Fides、更にはル・ポステ Le Poste、ル・クロウ Le Clauxも導入され、現在ジゴンダスはベースラインにスペシャル・キュヴェ4種類という構成です。こうなるとスペシャル・キュヴェばかりが目立つことにもなりかねませんが、ベースラインのジゴンダスもしっかりと高品質を維持しています。
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Gigondas 1999
品種:現在はグルナッシュ主体でシラー、ムルヴェードル、サンソーをブレンドしていますが、この頃はグルナッシュとシラーのみだったようです。スペシャル・キュヴェのヴァルヴェルよりはシラー比率が高め。
格付け:AOC Gigondas
醸造:約40日のマセラシオン。バリックで発酵。比率は不明ですが全房発酵。
アルコール度数:14%
ブドウ:この年はヴァルベルが生産されていないので、全ての畑のブドウが使用されています。
生産本数:不明

抜栓直後から香りは全開。黒い果実、コーヒー、そして地元ではgarrigueと呼ばれる様々な野生のハーブや木々が醸し出す魅惑的な香りを感じます。温かくスパイシーな味わいはいかにもジゴンダス。優しい甘みのあるしなやかな味わいが最初から最後まで長く続きます。果実、酸ともにつややかな張りがあり、まだまだ熟成すると思いますが、今非常に素晴らしい状態です。

南仏の明るい太陽と空気を冬の日本でしばし感じさせてくれた、とても爽快感のある素敵なワインでした。

by taurasista | 2018-03-11 11:47 | ワイン(その他)