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予定していたタウラージが行方不明になっていることが直前に判明し、急遽ピンチヒッターに立てたのがプロデュットーリ・デル・バルバレスコの89年リゼルヴァ。プロデュットーリ・デル・バルバレスコは協同組合ですが、非常に厳しい品質管理によって高品質のワインを安定的に生産することで定評があります。そのポートフォリオの最上級に位置するのがリゼルヴァとしてリリースされる9種類のクリュ・バルバレスコ。このリオ・ソルド Rio Sordoはそのうちの一つです。
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Barbaresco Riserva Rio Sordo 1989
品種:ネッビオーロ100%
格付け:Barbaresco DOCG
醸造:大樽熟成は間違いなし。
アルコール度数:14%
ブドウ:リオ・ソルドはバルバレスコ村の南側。砂質が多めの土壌でエレガントなワインを生み出すことで知られています。プロデュットーリにブドウを納入する農家は50軒以上ありますが、このワインの栽培農家としてバックラベルにクレジットされているのはFrancesco FerreroとDante Alutto。知る限り、現在も自分で瓶詰めは行っていない農家ではないかと。
生産本数:約8,000本

香りの開きは早く、甘酸っぱい魅惑的かつヴォリュームのある香りがグラスから立ち上ります。黒い果実、バルサミコ、リコリス、スミレ、レザーなど多くの要素が感じられる複雑な香りです。これは間違いなく相当なレベルのワインです。味わいは柔らかく、丸みを感じます。優しい甘みで始まりますが、コアには強靭なミネラルを感じ、長いアフターへと続きます。最良年の完全な状態で熟成したネッビオーロの素晴らしさが感じられる逸品でした。


by taurasista | 2018-02-18 12:52 | ワイン(イタリア)

続いてはこちらを。
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1982年のマストロベラルディーノ。ちょうど10年前に85年、68年と一緒に垂直で飲んで以来です。全く年の経過を感じさせない若々しいワイン。10年後の姿を確かめたい、と当時アップしましたが、それが実現したことになります。

Taurasi Riserva 1982
品種:アリアニコ100%
格付け:Taurasi DOC (タウラージが南イタリア初のDOCGになったのは1993年)
醸造:不明ですが熟成は当時は大樽のみだった可能性が高いです。
アルコール度数:13%
ブドウ:不明。
生産本数:不明。

ボトルは液面も高く、グラスに注いだ液体もつややかで、状態は良さそうでしたが、事実その通り。ラベンダー、バラの花びら、赤い果実などが優美に香ります。ミディアムフルボディで完全に熟成した完璧な状態。ミネラリーで柔らかなアタックから切れ目なく長いアフターに続きます。これは非常にレベルが高いワインです。一緒に飲んだ人たちもアリアニコ、タウラージのポテンシャルの高さを感じてくれたと思います。



by taurasista | 2018-02-13 20:44 | ワイン(イタリア)

続いての登場はタウラージとしてはマストロベラルディーノに続く有名銘柄サルヴァトーレ・モレッティエーリ。
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タウラージDOCGは北側の標高が低く南側が高い地形。作り手からも「低地のタウラージ」「高地のタウラージ」という表現を聞きましたが、モレッティエーリが本拠地を構えるモンテマラーノ Montemaranoは南側に位置します。モンテマラーノは古くから最高のアリアニコを生む土地として知られ、タウラージ、いやイタリアワインのレジェンド マストロベラルディーノの1968年地域名付きタウラージ3種類の一つにも選ばれています。バロリスタならぬ「タウラジスタ Taurasista」を名乗ったのも、11年前に巡り合ったその68年のインパクトが余りに大きかったからです。(生涯最高のワインを1本だけ選ぶなら、この68年です。)

モレッティエーリを訪問したのはその直後。酷暑の2007年9月でしたが、標高550mのチンクエ・クエルチェ(5本の樫の木)畑は強い日差しを受けつつも涼しげな風が吹き、気候条件に恵まれた素晴らしい畑であることは明らか。そしてその夜に彼らのタウラージのファーストヴィンテージの88年(これも生涯トップ10入り間違いなし)を飲んでその完璧な仕上がりに驚愕し、私のアリアニコ愛はすっかり定着したのでした。

モレッティエーリのタウラージは2000年前後のヴィンテージを定期観察していますが、まだ完全に飲み頃には達していないというのがこれまでの印象です。約2年ぶりの2000年はさて如何に?

Taurasi Vigna Cinque Querce Riserva 2000
品種:アリアニコ100%
格付け:Taurasi DOCG
醸造:ステンレスタンクで発酵。熟成は大樽とバリック新樽併用。
アルコール度数:15%
ブドウ:畑は石灰質が強い石灰粘土質。ブドウの樹齢は不明(案外若かったという記憶あり)。収穫は非常に遅く、例年11月前半。
生産本数:最近のヴィンテージは約12,000本のようです。

香りは複雑でプリューン、チョコレート、バルサミコ、レザー、黒胡椒などとてもパワフル。20年近く経過したワインとはとても思えません。味わいは巨大。果実味、酸、タンニン全てが恐ろしく強いですが、全体としては球形にバランスが取れています。甘苦くジューシーなフルーツを食べるのにちょっと近いかもしれません。
今でも十分飲めますが、まだまだ荒削りな部分も多く、本当の飲み頃はまだ先でしょう。あと5年は置いておきたい。
伝説の68年と同じレベルに達するかどうかはともかく、凄まじい熟成能力を持ったワインであることは間違いないと思います。




by taurasista | 2018-02-12 10:43 | ワイン(イタリア)

ここからはアリアニコ。一本目はマストロベラルディーノの限定キュヴェ ナトゥラリス・イストリア。
現在はタウラージDOCGとしてアリアニコ100%で作られていますが、この当時はピエディロッソ Piedirossoとのブレンドでした。アリアニコとピエディロッソのブレンドと言えば、同じカンパーニャ州でもエリアは異なりますが、テッラ・ディ・ラヴォーロ Terra di Lavoroを思い出しますね。

なお、「ナトゥラリス・イストリア」とは、ローマ時代の大学者である大プリニウスの著書で世界最初の百科事典とも呼ばれる「自然誌」のこと。大プリニウスはポンペイを壊滅させたヴェスヴィオ火山の噴火時に近くに駐留していて、調査のため火山に近づいて亡くなった、と言われています。
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Naturalis Historia 1998
品種:アリアニコ Aglianico 85%、ピエディロッソ Piedirosso 15%
格付け:IGT Irpinia
醸造:詳細は不明ですが、熟成はフレンチオークの新樽を使っていると思います。
アルコール度数:14%
ブドウ:ミラベッラ・エクラーノ Mirabella Eclanoの単一畑の古木から。
生産本数:不明。

チョコレート、プリューン、ブラックチェリーなどが要素の非常にパワフルな香り。マストロベラルディーのタウラージは程よく抑制を利かせたアリアニコですが、こちらは樽も抽出も強く全く異なるタイプのワインです。味わいもパワフル。20年経過したワインゆえ、さすがに果実、酸ともに柔らかくなっていますが、共に強さは相当のものなので、まだまだ先が長いワインでしょう。
スタイル的には90年代後半の国際化の影響を受けているように思いますが、ポテンシャルの高さは計り知れないものがあります。5-10年後にもう一度飲んでみたいワインです。

by taurasista | 2018-02-05 12:40 | ワイン(イタリア)

2本目の白はカンティーナ・ジャルディーノのタララ。グレコをマセラシオンした「オレンジワイン」です。
2010年前後カンパーニャに毎年通っていた頃、ジャルディーノの人たちには本当にお世話になりました。ナポレターナらしくとにかく明るい奥さんのダニエラと学究肌のご主人アントニオの対照的なキャラクターのご夫妻ですが、ホスピタリティに溢れるところは全く同じ。色々なワインの情報をもらっただけでなく、ご自宅にも何泊かさせてもらい、仲間のイル・カンチェッリエレ Il Cancelliereiereの人たちと一緒に宴会したり、お子さんと遊んだり、などなど楽しい思い出は尽きません。
このタララ(方言で「頑張れ」の意味だったかと) の2006年は最初に飲んだ彼らのワイン。気に入って即購入、以来倉庫で眠っていたものです。
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T’ara rà 2006
品種:グレコ Greco 100%
格付け:IGT Campania Greco
醸造:それほどマセラシオンは長くなかった記憶が。熟成は確か大樽。訪問時のノートがあれば詳しいことがわかるのですが。。。
アルコール度数:13%
ブドウ:不明。
生産本数:不明。彼らは10種類以上のワインを作っていますが、カンティーナの総生産量が3万本ぐらいだったと記憶しているので、1種類3,000本程度かと。

マセラシオンしているワインゆえ、ゴールドに加えて少し赤みがかかったような非常に濃い色合いです。香りはオレンジの皮、砂糖漬けしたレモン、シナモンなど複雑で魅力的。味わいはドライでミネラリー。この手のワインにありがちな収斂性や還元性はなく、素直で飲みやすい仕上がりです。
フリウリを初めとする北イタリアのオレンジワインは厳しさや陰影が見え隠れすることも多いのですが、このタララからは親しみやすさと明るさを感じます。

ピエトラクーパとは全くタイプが違いますが、どちらも作り手のキャラクターが色濃く投影されていて、なかなか面白いミニ比較試飲でした。

by taurasista | 2018-02-04 13:05 | ワイン(イタリア)

今月の会はカンパーニャ。グレコ Grecoの2006年飲み比べでスタートです。
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まずはピエトラクーパ。カンパーニャ州というマイナー地域のワインかつ生産本数が非常に少なく輸出量も極小なので、日本では一部のイタリアワインマニアにしか知られていませんが、イタリア国内では最高ののグレコ、いやイタリア最高の白ワインの作り手の一人として定評があります。

オーナー兼エノロゴはサビーノ・ロフレド氏 Sabino Loffredo。2009年にカンティーナを訪問した際には大変お世話になりました。ラッセル・クロウ似のワイルドな見た目とは裏腹に、話してみるとシャイで繊細。打ち解けるまでに少し時間がかかりましたが、結局ありとあらゆるものを試飲させてくれただけでなく、ホテルやレストランの予約もしてくれ、お土産もたんまりといただいた記憶があります。

ワインは繊細さとミネラルに富むエレガントなスタイル。派手さはなく、最初は無愛想ですが、飲み進むにつれて本領を発揮する、オーナーの性格と似たワインです。彼のグレコはこれまで定期的に飲んでいますが、ここまで熟成したものは初めて。12年の年月を経てどのような変化を遂げたのか、非常に楽しみでした。

Greco di Tufo 2006
品種:グレコ Greco 100%
格付け:DOCG Greco di Tufo
醸造:記憶ではステンレスタンクのみ使用。
アルコール度数:13.5%
ブドウ:不明。
生産本数:不明。確か10,000本程度だった記憶あり。

麦わら色の薄めの色合い。予想していた通り、香りは控え目に始まりましたが、時間とともにグレープフルーツや白い花が要素の繊細な香りが出てきました。熟成感はほとんど感じません。
味わいは少し苦味もあるミネラルが中心で、ミディアムボディーの繊細な味わい。しかしながら弱々しさはなく、ミネラルがミッドパレットからアフターにかけて口の中をしっかりとグリップします。酸もフルーツも若いヴィンテージから感じたのと大差なし。12年経過しているとは思えません。
この姿を保ったまま下り坂に入るのか、それとも別の姿に変貌を遂げるのか、予測が難しいワインのような気がします。唯一の確認方法は手持ち分を熟成させること。2010年前後のヴィンテージがまだ数本残っているので、実験してみることにします。

by taurasista | 2018-02-03 16:04 | ワイン(イタリア)