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クリスマスランチで2013年1月以来5年振りのバリック・トウキョウへ。

2007年の開店時からLAに引っ越すまでの5年間、定期的に訪問して江戸川橋というファイン・ダイニングとは無縁の地で生まれたお店が東京屈指の名店に成長していく過程をリアルタイムで見てきました。それに5年の熟成が加わって、お店としての風格も更に立派になり、日本のイタリアンとしてこれ以上は望めないレベルに到達した気がします。

ワインはいつもの通りオーナー坂田さんにお任せです。スタートはこちら。
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Metodo Classico 2012
品種:シャルドネ50%、ピノ・ネロ50%
格付け:?
醸造:ブドウは完全に除梗。2-3日の低温マセラシオン後ステンレスタンクで発酵、熟成。瓶内二次発酵後口抜きまで最低36ヶ月。
アルコール度数:?
ブドウ:畑はバローロ地区のCatellero。標高約250m、樹齢は約30年。
生産本数:1000本。うち半分がエチケッタに名前入りでバリック・トウキョウへ。

力強いスプマンテです。甘さはかなり抑えられていて、味わいは非常にドライ。繊細さには多少欠けますが、アペリティーヴォとして単独で楽しむなら、個人的にはこれぐらいパンチがある方が好きです。

by taurasista | 2017-12-24 23:59 | ワイン(イタリア)

珍しくオーストラリアの登場です。こちらも前回のイストリオニコと同じくカリフォルニアチャリティーイベントで試飲したものです。

若い世代の自然派の作り手の感覚はクラフトビールの世界と共通点があるように感じます。やっていることはマニアックかもしれないけれど、マインドはオープンで自由。それを端的に表しているのがラベルで、以前なら見た目だけでファインワインの世界から退場を命じられたようなパッケージングを最近はよく見かけるようになりました。

このデリンクエンテはその典型的な一例。ラベルは伝統的なワインとは程遠いですが、ワイン作りの試みは非常に意欲的です。オーナー兼ワインメーカーはコングレッグ・グリゴリオ Con-Greg Grigoriou。生まれ育った南オーストラリア州リヴァーランド(バルクワイン生産で有名)で高品質のワインを作れることを世に示したいと、地域に最も適しているモンテプルチアーノなど南イタリア品種を無灌漑、オーガニックで育てる農家から仕入れ、人為的介入は必要最小限に留めたワイン生産を行っています。
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Weeping Juan 2017
品種:ヴェルメンティーノ90%、モンテプルチアーノ10%
格付け:なし
醸造:収穫後ヴェルメンティーノは100%除梗されプレス。15℃にて約28日間醗酵(野生酵母)させ、ステンレスタンクへと移す。モンテプルチアーノも除梗後25-30℃にて醗酵、残糖が80g/Lに達したところでヴェルメンティーノとブレンドし、瓶詰。酸化防止剤は不使用。
アルコール度数:10.4%
ブドウ:不明
生産本数:不明

複雑さはありませんが、チャーミングでとても心地よく飲めるワインです。きれいな赤系の果実の炭酸入りジュースのような感じで、旨味も十分。2,000円台前半でこの内容なら買いだと思います。



by taurasista | 2017-12-18 19:30 | ワイン(その他)

先日行われた北カリフォルニア山火事のチャリティーイベントで見つけたワインです。会場の混雑を逃れて入り口近くで一息入れていると、カリフォルニア以外のワインをサーブしている一角を発見。このコーナーで試飲できるワインがなかなか面白かったのですが、そのうちの1本がこのイストリオニコです。

ポデーリ・コンコリはトスカーナ北部の古都ルッカ郊外で1999年に誕生した新しいカンティーナ。周囲60kmに全くカンティーナがないという土地でガブリエール・ダ・プラート Gabriele Da Pratoがビオディナミでワイン造りを行っています。栽培しているのはピノ・ビアンコ、シュナン・ブラン、トラミネール、シラー、ピノ・ネロというトスカーナにおいては一般的ではない品種ばかりです。

このイストリオニコはトラミネールとピノ・ネロという恐らく世界で唯一無二のブレンドです。
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Istrionico 2009
品種:トラミネール50%、ピノ・ネロ50%
格付け:IGT Toscana
醸造:完熟した両品種を別々にステンレスタンクで発酵後ブレンド。
アルコール度数:14.0%
ブドウ:詳細は不明。畑は標高約450m。
生産本数:不明。カンティーナのウェブサイトに掲載されていないので、現在は生産されていない模様。

一応カテゴリーはロザートらしいですが、色合いは非常に濃く赤に近い。香りは極めて華やかでアロマティック。まるで良質のフルーツジュースのようで、アルコールを感じることなく飲み干してしまうとても危険な飲み物です。
全くノーマークの作り手でしたが、実力はなかなかのものだと感じました。


by taurasista | 2017-12-17 15:20 | ワイン(イタリア)

最後の2本は同時にサーブしてもらいました。ペルカルロのヴィンテージ違いです。
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このカンティーナはリリースするワイン全てが素晴らしいですが、中でもフラッグシップのラ・リコルマ La Ricolma(メルロー100%)とこのペルカルロは格別です。93年、94年は共にオフヴィンテージと言われていますが、さてその熟成はどうでしょうか?

Percarlo 1993/1994
品種:サンジョヴェーゼ100%
格付け:当時はおそらくVino da Tavola。
醸造:セメントタンクで約35日間のマセラシオン、天然酵母による発酵。バリック(新樽比率は不明)で2年弱、ボトルで約1年熟成してからリリース。
アルコール度数:14.0%
ブドウ:初期は自社の最良の区画のぶどうをブレンド。現在は更にベストの房をセレクションしているとのこと。土壌は砂岩、粘土。畑は標高約270m。
生産本数:現在は年間約20,000本程度。

ペルカルロはキャンティ地区のサンジョヴェーゼの中では最もパワフルな部類に入りますが、この2本は少し大人しめです。香りは似ていて、甘酸っぱい赤いフルーツにハーブ、スパイスといったところ。ミディアムボディでアタックは柔らかく、控えめな立ち上がりのところまでは両者共通ですが、ミッドパレットから後ろが異なります。93年はここからぐっとアフターまで伸びる力があり、94年は大人しいまま。
両方とも飲み頃はもう少し前だったと思いますが、この状態から判断する限り、93年はかなりいい出来だったのではないでしょうか。一般には収穫前の雨が全てを台無しにしたヴィンテージと言われていますが、ペルカルロに関してはその限りではないようです。
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by taurasista | 2017-12-17 00:08 | ワイン(イタリア)

続いて赤へ。この夜の1本目の赤はこちら。
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アブルッツォ州3大生産者の一つマシャレッリの熟成ヴィンテージです。他の2つ、イタリア自然派の草分けかつ原理主義者とも言えるヴァレンティーニ Edoardo Valentiniとペペ Emidio Pepeとは異なり、マシャレッリはワイン作りに関しては非常に柔軟なアプローチを取っていて、キュヴェによって作りを分けています。ステンレスタンクのみでさらっと作った非常にコストパフォーマンスが高いベースライン、バリック使用、国際品種ありのマリナ・ツヴェティッチ Marina Cveticのライン、そして最上位に位置するこのヴィラ・ジェンマ、この3つがポートフォリオの中心です。

カンティーナはジャンニ・マシャレッリ Gianni Masciarelliが1980年代初めに創立。90年代前半にヴィラ・ジェンマが立て続けにトレ・ビッキエーリを取って名声を確立します。その後も着実にビジネスを広げていきますが、残念ながらジャンニは2008年に急逝し現在は奥様のマリナ・ツヴェティッチが中心となってカンティーナを運営しています。

ヴィラ・ジェンマは最良年のみの生産。ファーストヴィンテージは1990年で、この1993年はセカンドヴィンテージになります。

Montepulciano d'Abruzzo Villa Gemma 1993
品種:モンテプルチアーノ100%
格付け:DOC Montepulciano d'Abruzzo
醸造:20-30日間の長めのマセラシオン。バリック(新樽100%)で約2年、ボトリングして約1年熟成後リリース。
アルコール度数:14.0%
ブドウ:カンティーナの位置するSan Martino Sulla Marcina村周辺の最良の区画(標高約400m)のぶどうのみを使用。
生産本数:現在は年間約20,000本程度。

非常に濃い漆黒と言っても良い色合い。香りも強く、プラム、バニラ、ダークチョコレートなどが直線的にグラスから上がってきます。味わいもパワフル。黒く、強く、少し苦味がある、まるでかじれるかのような強い果実味。酸もタンニンもたっぷりと残っていますが、テクスチャーはとても滑らかです。オークと抽出に過剰感がありますが、90年代中盤という時代を感じる上ではそれもまた良し、かと。現在の作りと比べてみると面白そうです。

by taurasista | 2017-12-11 15:38 | ワイン(イタリア)

この夜の2本目の白もカンテ。2本目は普通の製法のスペシャル・キュヴェであるセレツィオーネです。このボトルは2006年春のカンティーナ訪問時に特別に分けてもらってもらったもの。当時はイタリア国内でも入手がまず不可能な超レアものだったので、売ってくれると聞いた瞬間興奮してアドレナリンが一気に出たのを覚えています。
現在はピノ・グリージョは生産していないので、本当に貴重なワインです。
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Pinot Grigio Selezione 1999
品種:ピノ・グリージョ100%
格付け:IGT Venezia Friuli Giulia
醸造:記憶では古いバリックで発酵、熟成。最後はステンレスタンクで熟成、だったかと。一般ラインとセレツィオーネは畑は同じ。熟成途中で特に出来がいいロットをセレツィオーネとして長期間熟成。
アルコール度数:13.5%
ブドウ・畑:不明。
生産本数:不明。たぶん1,000〜2,000本程度。

ゴールデンがかった濃い色調。フリウリのピノグリージョは赤みが出ているものもありますが、このワインに関しては全く赤系の色合いはありません。香りは当初塩っぽいミネラルが支配的でフルーツはあまり感じませんでしたが、徐々にグレープグルーツや蜂蜜の要素が出てきました。味わいは堅牢なミネラル感と強めの酸が口の中を支配するハードボイルドな立ち上がりから徐々にほどけて、ほのかな蜜の甘さを感じる大きな球体の液体に時間とともに変化。アタックはさほど強くはないですが、ミッドからアフターにかけてどんどん膨らんで、ぐいっと味覚をつかんで離しません。更なる熟成の可能性も感じる、非常に高レベルのワインでした。

by taurasista | 2017-12-10 17:12 | ワイン(イタリア)

ヴァン・ナチュールの人気の高まりと消費者のワイン味覚の広がりは関連があるように思えます。ヴァン・ナチュールの作り手は発想も自由で色々なことを試すので、伝統的なワインにはない味わいを持つものも多く、そういったワインに触れることで新たな味覚の世界が開ける。私自身2000年頃にラディコンRadikonやヨスコ・グラヴネルJosko Gravnerのワインで体験したことですが、ここ数年ヴァン・ナチュールが市民権を得るにつれて同様の経験をすることが容易になったと思います。

エディ・カンテは80〜90年代にラディコンやグラブネルと一緒に新たなワイン造りを探求していたフリウリの生産者の一人。しかし、彼はラディコン達と違ってスキンコンタクトを行わない「普通の」ワイン造りを続ける道を選びますが、彼のポートフォリオの中で異色を放っているのが今回ご紹介するエクストロです。
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品種や製法は一切非公開でプロが訪問しても教えてもらえないというミステリアスなワインですが、いくつかの情報を総合すると、ワインを瓶詰めした後に残った澱と残った液体をまとめて瓶詰めしたもののようです。つまりマルチ・ヴィンテージで品種はソーヴィニオン、ヴィトフスカ、シャルドネ、マルヴァジアといったところかと。ワインは白濁していて、ボトルを振って澱と液体をよく混ぜてからグラスに注ぐという商品化されたワインとしては他に聞いたことがない、まさに「変態」なワインです。しかも、このボトルは10年近くセラーで寝ていたもの。一体どんな飲み物になっているのか、興味津々です。

Extrò NV
品種:非公開
格付け:Vino da Tavola
醸造:非公開
アルコール度数:13.0%
ブドウ・畑:非公開
生産本数:不明。

カンテの指示通り、よくボトルを振ってからグラスへ。白濁した不思議な液体です。ずっと澱と一緒だったので瓶内二次発酵している可能性(危険性とも言える)がありましたが、結果それはなし。香りはリッチでヨーグルト、遅れて蜜の甘い香りが出てきました。味わいはリッチでクリーミー。ミネラルの苦味がいいアクセントを加えています。味わい的には濁り酒に似ているかな。ワインとしては超個性的ですが排他的ではない、面白い飲み物です。新しいロットもぜひ試してみたいものです。

by taurasista | 2017-12-09 17:11 | ワイン(イタリア)

福岡で堪能した熟成牛タンに合わせたのがこのワイン。このブログには滅多に登場しないボルドー有名銘柄です。
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Château Pichon Longueville Comtesse de Lalande 2002
品種:カベルネ・ソーヴィニヨン51%、メルロー34%、カベルネ・フラン9%、プティ・ヴェルド6%
格付け:ボルドー左岸2級(ポイヤック Pauillac)

優しさを感じるワインです。香りはカシス、タバコ、濡れた土、そして嫌味のない青さ。要素は十分ありますが決して強くはありません。アタックは柔らかく、とてもシルキーでタンニンも丸くこなれていて、穏やかで美味しいワインです。ヴィンテージの限界なのか、ミッドパレットから後ろがやや弱いですが、トータルとしてはとても良くできたワインだと思います。熟成して柔らかな味わいになった牛タンとの相性は抜群でした。


by taurasista | 2017-12-03 11:50 | ワイン(その他)

このブログ初の日本ワインです。友人が持ってきてくれた熊本のシャルドネ。生産者は熊本ワイン。全く知識がなかったので、今これを書きながらオンラインで調べていますが、元々南九州コカ・コーラボトリングの子会社として1999年に設立、2011年に独立した新しい作り手です。
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ぶどうは熊本県山鹿市菊鹿町の標高350mの30軒の契約農家から。ステンレスタンクで発酵後、名前の通り樽熟成を1年間行っています。果実に力があるので、樽の要素と良くバランスが取れていて、複雑さはそこそこですが、作りに無理がなく、素直でおいしいワインです。価格は4,000円弱。もう少し下の価格帯で同レベルの品質のワインがオーストラリアや南ア産で見つかると思いますが、これはこれでありでしょう。


by taurasista | 2017-12-02 16:53 | ワイン(その他)