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フェルジーナはキャンティ・クラシコ地区のカステルヌオヴォ・ベラルデンガ Castelnuovo Berardengaを本拠地にするカンティーナ。もしキャンティ・クラシコの作り手をボルドー流に格付けするなら、かなり高い確率で1級にランクインする実力派カンティーナです。その礎を築いたのがエノロゴのフランコ・ベルナベイ。今は亡きジュリオ・ガンベッリなどと並んで、サンジョヴェーゼベースのワインの近代化、高品質化に多大な貢献をした彼の代表作の一つが今回ご紹介するキャンティ・クラシコ・リセルヴァ・ランチャです。

カステルヌオヴォ・ベラルデンガはキャンティ・クラシコ地区の南端に位置し、キャンティの中では暖かい地域です。このランチャはそのテロワールを表現したパワフルなキャンティ・クラシコです。品種はサンジョヴェーゼ100%。モンテヴェルティーネと並んで、フェルジーナはサンジョヴェーゼ単一品種の先駆けで、90年代前半までの多品種との混醸が必要だった時代も、実はサンジョヴェーゼしか使っていなかったと言います。
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Chianti Classico Riserva Rancia 2006
品種:サンジョヴェーゼ100%(樹齢約80年)
格付け:DOCG Chianti Classico Riserva
醸造:発酵は天然酵母のみを使用。熟成はバリックだと思われます(ある程度新樽も使っているかと)。
アルコール度数:13.5%
ブドウ・畑:標高約400mの単一畑ランチャ。密度は5,400本/ha。
生産本数:不明

香りは黒系の果実にコーヒー、ヴァニラ、リコリスなどが混じったパワフルなもの。キャンティの中では最も凝縮した部類に入るでしょう。フェルジーナのもう一つのトップ・キュヴェのフォンタローロ Fontarolloとは明らかに特徴が異なります。
味わいも凝縮しています。力強い黒い果実に、やはり強い酸とタンニン。凝縮感の点でモンタルチーノのワイン的なニュアンスを感じます。まだまだ若いですが、全ての要素が調和が取れていて、パンチの強い味わいがお好きな方にとっては十分に飲み頃に入っていると言えると思います。2008年は冷涼なヴィンテージですが、そのヴィンテージにしてこの力強さ。本当に良い年だとちょっとブルネッロ・ディ・モンタルチーノ的なワインになるのでしょうか。

個人的にはより細身でエレガントなフォンタローロが好みですが、パワフルかつフランス品種の影響度が低いキャンティ・クラシコのベンチマークとして、イタリアワインに興味がある方なら一度経験しておいた方がよいワインです。


by taurasista | 2017-09-18 17:30 | ワイン(イタリア)

ムンタダは90年代後半に出現したルーション地方最初のカルト・ワインです。作り手はジェラール・ゴビー。80年代中盤に家族の畑を引き継いで以来30数年になります。当時のルーション地方のワインはほぼ全て協同組合が生産していましたが、ジェラールはブドウを協同組合に売るのを止め、自らボトリングすることを選択します。ムンタダの2000年ヴィンテージがヴィネスポのブラインド・テースティングでル・パンに勝った、という噂が流布して人気が爆発、当時はかなり入手困難だったことを思い出します。

2003年にこれまで唯一のルーション訪問の際にドメーヌを訪れました。写真が全く残っていないのが残念ですが、ジェラールとワインはしっかり印象に残っています。ジェラールはいかにもラグビーのFW第一列をやっていました、という風貌(ドメーヌから一番近い都会のペルピニャンはラグビーマッドな街で有名です)。ワインは樽がたっぷり乗った凝縮してパワフルで直線的な味わいでした。あと、7月の強い日差しの下で、白い土壌が(石灰質ということですね)きらきらと光をはね返して、サングラス越しでもまぶしい位だったことも記憶に焼き付いています。

彼らのワインを味わうのは、この訪問以来14年振りです。
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La Muntada 2011
品種:グルナッシュ(樹齢45年) 45%、カリニャン(115年)45%、ムルヴェードル5%、シラー5%
格付け:AOC Côtes du Roussillon Villages
醸造:ブドウは100%除梗。マセラシオン2-4週間。天然酵母のみを使用し、補酸、補糖は行わない。基本大樽、一部バリックで30ヶ月熟成。イールドは約20hl/ha。ビオディナミ。
アルコール度数:13.0%
ブドウ・畑:粘土、石灰質。
生産本数:約8,000本

これまで経験があるのは2000年代初めまでのヴィンテージ。果実味が溢れんばかりの大柄なボディに、強い樽とタンニン。若いうちに飲むのは難しいワインという印象でしたが、この2011年は全くスタイルが違います。香りはフローラル。南国に咲く華やかで香り豊かなお花のイメージです。リコリスやスパイスがこれに続きます。豊かで柔らか、とても魅惑的な香りで、これは凄くいいワインの予感がします。
味わいは過去に経験があるヴィンテージに比べると細身ですが、立体的でバランスと肌理の細かい質感が素晴らしい。若いワインでまだまだ要素が出てくるはずですが、現時点でも相当に完成されたワインです。アタックから長いフィニッシュまで、ちょっと涼しげで、やや控えめに豊満で、しなやかな味わいが全く切れ目なく続きます。これなら軽く1本飲めてしまいそう。
あまりに素敵なワインなので、1本セラーに欲しくなってしまいました。。。。


by taurasista | 2017-09-17 19:59 | ワイン(その他)

東京のレストランは確かにレベルが高いです。あらゆるジャンル、価格帯でこれだけ豊富な選択肢がある街は東京しかないでしょう。特にランチのコストパフォーマンスは世界最高間違いなしです。

ただ、敢えて注文をつけるならこういうタイプのお店が欲しい。色々な国のエッセンスを取り入れた料理(これは日本人は得意なはず)、能書きにとらわれず世界中からセレクトしたワイン、気取らずされどプロフェッショナルなサービス、そしてカジュアルでセンスが良く、開放感があるインテリア、最後に心地よいざわめき。

日本では一番実現が難しいタイプのお店だと思いますが、まさに今回ご紹介するマンハッタン・ビーチ・ポストがこれに当たります。渡米当初から定期的に訪れていますが、安定感もあって安心してリピートできるお店の一つです。

メニューは日替わりで、名前の書かれた封筒に入れて渡されます。個人個人にアテンションしているように思えて、ちょっと好印象です。
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全体的に何を食べても美味しいですが、私たちはの基本パターンは野菜2-3皿にシーフード1、肉1。
シーフードは定番メニューのムール貝のグリーンカレーをいつもオーダーしています。金華ハムが効いたこのカレー、洗練されたタイ料理とも言えますが、その完成度はピカイチです。
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グラスワインは選択肢、値付け、さらにサイズも選べる(90ccか180cc)点で、ロサンゼルス、いやインターナショナルのレベルでもかなり上位入賞できそうな素晴らしいプログラムです。
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白は果実味が前に出たパワフルなDe Wetshofのシャルドネ、冷涼でミネラリーなPrestonのソーヴィニオン。赤はバランスが取れてコストパフォーマンス抜群のAttecaのグルナッシュなどを楽しみました。

お店はいつも満席で活気にあふれています。バーもwalk-in用のcommunal tableもいいですが、予約して、外に近い席をもらえると、海沿いの街の夕暮れ時の空気の変化を感じることができて最高です。

どんなシチュエーションにも合わせられるこのお店、次回LAに里帰りした際にも必ず訪れたいと思います。





by taurasista | 2017-09-10 16:29 | レストラン(カリフォルニア)