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以前毎年のように通っていたピエモンテ・ランゲ地区。多くの生産者を訪問し、いろいろな印象深い出会いがありましたが、中でもエリオ・アルターレは最も記憶に残っている生産者の一人です。カンティーナについて、詳しいことは以前アップしたので、ここでは触れませんが、カンティーナのテラスから望めるランゲ地方のパノラマ、カンティーナに隣接するアルボリーナを流れる空気感、そして何より人の温かさ、最後の訪問から7年たっても、まるで昨日のことのように思い出されます。

素晴らしく美しいワインだったランゲ・アルボリーナ90年以来、2年ぶりに開けるアルターレのワインは、同じランゲシリーズのラリージです。
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Langhe Larigi 2001
品種:バルベーラ100%。
格付け:DOC Langhe
醸造:ロータリーファーメンターを使用して3、4日間という短いマセラシオン。発酵、熟成はフレンチオークのバリック新樽を100%使用。樽熟成は約18ヶ月。
アルコール度数:14.5%
ブドウ・畑:カンティーナに隣接する銘醸畑アルボリーナ(向きは南〜南東)の最上部に1948年に植樹されたバルベーラを使用。
生産本数:2,500-3,000本/年

色はかなり濃い目。香りはヴァニラ、チョコレート、プラム、スミレなど、かなり重量感があります。ボディもかなり大きく、非常に凝縮されています。バルベーラらしい緊張感のある酸味はありますが、バルベーラ・ダルバやバルベーラ・ダスティとは明らかに特徴が異なります。
このワインが生まれた背景は、ランゲの地場品種の知名度を上げるために、最高のブドウを(陳腐な言葉ですが)インターナショナルなスタイルで醸して、わかりやすい形で市場にアピールすることだったと記憶していますが、このヴィンテージはオリジナルのコンセプトを忠実に体現していると思います。そのスタイルには好き嫌い、賛否両論があるでしょうが、非常にレベルが高いワインであることは、疑いの余地がありません。まだまだ相当酒質が強いので、あと5年は余裕で熟成すると思います。確か1本手持ちがあるので、これは当面寝かせようと思います。

by taurasista | 2017-06-25 23:06 | ワイン(イタリア)

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神保町の中心から少し離れたエリアに昨年末オープンしたレストランです。オーナー兼サービスの村上さんは、白金のリストランテ・アッラ・バーバ(現在はイ・ルーチが改名してラ・ソスタ)、ラ・バリック東京を経て独立、シェフは麹町ロッシで岡谷シェフに鍛えられた方、と聞くと自ずと期待値が高くなりますが、それに十二分に応えてくれました。

メニューは多くはありませんが、試してみたくなるものが並んでいます。シンプルで価格も抑えめですが、美味しさのツボがしっかり抑えられているところはさすがです。
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ワインは村上さんにお任せするのが正解でしょう。かつては変態系、今風に言うなら自然派を中心に、ワインに合わせて出してくれます。こちらはエミリア・ロマーニャのガルガネガ(50%)、ソーヴィニオン(30%)、ピノネーロ(20%)という面白いブレンドで作られた白。
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コストパフォーマンスは素晴らしく、カウンター席もあって、一人でふらっと、という使い方もできます。オススメです。

by taurasista | 2017-06-18 15:53 | レストラン(日本)

このワインは全くノーマークでした。カーザヌオヴァ・デッレ・チェルバイエ、これまで聞いたことがなかった作り手ですが、このワインのレベルはなかなかのものです。

カンティーナのウェブサイトはとても簡素で、情報はほとんどありません。オーナー名(ロイ・ウェランド氏)で検索してみたところ、氏はアメリカ人の有名ワインコレクターで2008年からこのカンティーナを所有していることのこと。わかったのはこれ位。これ以外は、せいぜい、このチェルバイオーネは現在は作られていないこと程度です。
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Rosso Cerbaione 2004
品種:サンジョヴェーゼとメルローのブレンド。比率は不明。
格付け:DOC Sant'antimo
醸造:情報なし。
アルコール度数:13.5%
ブドウ・畑:情報なし。
生産本数:情報なし。

香りは凝縮していて、黒い果実、プラム、レザーが主な要素。男性的で逞しいスーパー・トスカーナです。味わいも香りと同じ特徴を持っています。逞しいタンニンと果実味があり、とてもパワフルですが、豊富な酸味が全体を引き締めて、いいバランスを保っています。これにエレガントさが加わればなお良いのですが、ベースラインのワインにそこまで望むのはさすがに贅沢かと。

ベースラインのワインが良いと、上のラインも試してみたくなります。かなり流通を限定しているワインのようですが、見つけたら購入してみようと思います。

by taurasista | 2017-06-04 20:57 | ワイン(イタリア)

イル・カルボナイオーネのことを知ったのは、確か創刊間もない頃のワイナートのスーパー・トスカーナ特集でした。当時はまだ日本未輸入で、初めて飲んだのはイタリアから定期的にワインを空輸していた知人のワイン会だったと記憶しています。ヴィンテージは確か96年でした。

カンティーナは2004年に訪問。当時はGoogleマップは存在せず、カーナビも持たずに地図のみでの旅で、所要時間が全く読めず、大遅刻したにも関わらず、温かく迎えてくれたのが創業者ヴィットリオ・フィオーレのご子息ユーリ・フィオーレ。樽からも含めて、気前よく何でも試飲させてくれましたが、遅れたせいでピアントナイア(当時はエノテカ・ピンキオーリ専用だったメルロー100%の超レアもの)の準備ができず、これだけ飲み逃したのが今でも心残りです。

カンティーナと畑はキャンティ地区の北側グレーヴェ・イン・キャンティ近くのルッフォリ地区に位置しています。ここにはサンジョヴェーゼ・ディ・ラモーレという珍しいクローンの古木が残っていて、イル・カルボナイオーネはそれから作られています。標高はかなり高く、西に面した畑は山間を抜ける風の通り道で、日照条件も良く、サンジョヴェーゼ栽培には最適の環境だ、とユーリ氏が言っていたのを思い出します。
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Il Carbonaione 1996
品種:サンジョヴェーゼ 100%
醸造:温度管理されたステンレスタンクで発酵後、350リットルのトノーで約14ヶ月熟成。さらに約半年瓶熟後、リリース。
アルコール度数:13.5%
ブドウ・畑:グレーヴェ・イン・キャンティのルッフォリ地区。樹齢は約70年。
生産本数:平均すると約30,000本/年

色はフォンテルートリ▶️クエルチャベッラ▶️イル・カルボナイオーネとどんどん薄くなっていきます。香りは明らかに前の2本と異なり、果実よりもレザー、スパイスを強く感じます。ミディアム・ボディ。前の2本に比べるとやや小ぶりですが、程よくこなれたタンニンと酸、そして熟した赤い果実が密度濃く凝縮されていて、長い余韻まで切れ目がありません。いかにもサンジョヴェーゼらしいワインで、優れたイタリアワインの一つのプロトタイプと言ってもいい魅力を持っています。

キャンティ地区の1996年はヴィンテージ・チャート的には並みですが、熟成させた良いものにはかなり当たりが多い、というのがこれまでの印象です。このワインはまさにこれまでの印象通りで、熟成したサンジョヴェーゼの艶やかさ、色気を存分に魅せてくれた素晴らしいワインでした。

by taurasista | 2017-06-03 18:42 | ワイン(イタリア)

クエルチャベッラはイタリアからメキシコに移民して製鉄業で大成功したジュゼッペ・カスティリオーニ氏がトスカーナに戻って1974年に創業したカンティーナ。1981年ヴィンテージからリリースした、カベルネ主体にサンジョヴェーゼをブレンドしたスーパー・トスカーナのカマルティーナ Camartinaで有名になりました。もう少し新しいカンティーナという思い込みがあったのですが、実際にはランポーラやモンテヴェルティーネと同じくスーパー・トスカーナ第2世代に属します。初代のエノロゴはジャコモ・タキス。現在はピエモンテのヴィエッティのLuca Currado Viettiが務めています。

キャンティ・クラシコ・リゼルヴァは1999年ヴィンテージを最後に生産が中断、2011年ヴィンテージで復活。この97年は生産中断前の貴重な1本です。
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Chianti Classico Riserva 1997
品種:サンジョヴェーゼ 90%、カベルネ・ソーヴィニオン 10%
醸造:詳しい情報がありませんが、バリック新樽はある程度使っていたと記憶しています。
アルコール度数:12.5%
ブドウ・畑:グレーヴェ・イン・キャンティ。
生産本数:不明

フォンテルートリに比べると色は少し薄め。香りもより繊細で、赤系のフルーツ、ハーブなどを感じます。フォンテルートリの次に飲んだので、味わいは最初は頼りなく思えましたが、コンパクトなボディにたっぷりと詰まった、旨味とキャンティらしさがどんどん出てきました。派手さはないけれど、キャンティらしさという点ではかなり優秀なワインです。


by taurasista | 2017-06-02 00:10 | ワイン(イタリア)