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サッシカイアやソライア、あるいはブルネッロならともかく、キャンティを熟成させるという発想は、熟成ワインを世界一(たぶん)好む日本でも一部のマニア間でしか共有されていませんが、未経験者にその素晴らしさを知ってもらうために選んだ1本がこのフォンテルートリです。

フォンテルートリは大変歴史の長い生産者で、1435年から現在の場所でワインを生産しています。所有する畑の面積は117haということなので、相当に規模の大きな生産者ですね。ちなみに、この場所は13世紀初めにフィレンツェ・シエナ間の平和条約締結の場になった、歴史的にも有名な場所だそうです(この平和条約でキャンティ地区はほぼフィレンツェ領になりました)。

このリゼルヴァは、現在2010年ヴィンテージ以降は、新設されたキャンティ・クラシコ・グラン・セレツィオーネDOCGになっている、彼らのキャンティの最上級品です。ファースト・ヴィンテージは1995年。
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Chianti Classico Riserva 1997
品種:サンジョヴェーゼ 90%、カベルネ・ソーヴィニオン 10%
醸造:32度に温度管理されたタンクで18日間の発酵後、フレンチ・バリックで18ヶ月熟成。
アルコール度数:13.5%
ブドウ・畑:カステリーナ・イン・キャンティ地区のシエピ Siepiのサンジョヴェーゼとカベルネ、同じ地区のフォンテルートリのサンジョヴェーゼを使用。
生産本数:135,000本

キャンティにしてはかなり濃い色合いです。香りは黒系の果実に、チョコレート、森の下草といった、かなり力強いもの。味わいは大きく、丸いです。かなり凝縮感があり、少し甘みも感じます。タンニンは丸く、細かく、酸はまだまだしっかりしていますが、穏やかになっていて、今がちょうど熟成のピークかと。

おそらく新樽比率が高く、抽出も強めで、キャンティと言うよりもスーパー・トスカーナ的なワインです。クオリティは非常に高いワインですが、その点でちょっと好き嫌いが分かれるかもしれませんね。

by taurasista | 2017-05-31 21:21 | ワイン(イタリア)

一緒にこのワインを飲んだ友人に聞いて初めて知ったのですが、「神の雫」ワインなのですね、ポッジョ・ディ・ソット。かつては、カーゼ・バッセと並ぶ最上級の生産者としては、知名度が低かったのですが、「神の雫」以降、インポーターはエノテカになるなど、だいぶ露出が増えたようです。

ポッジョ・ディ・ソットはピエロ・パルムッチ氏が1989年に立ち上げた、比較的若いカンティーナですが、10年も経たないうちにブルネッロ最高の作り手の一つとして万人が認める存在となりました。初代のエノロゴはかのジュリオ・ガンベッリ。サンジョヴェーゼとテロワールの個性を最大限に引き出すことにかけては右に出るもののない彼の力量に加え、パルムッチ氏がワインに注いだ情熱も並々ならぬものがあったようです。残念ながら、ガンベッリは2011年に死去、同年パルムッチ氏も引退しカンティーナを売却、現在は全く新しいチームでポッジョ・ディ・ソットは運営されています。

生産するワインはブルネッロとロッソ・ディ・モンタルチーノの2種類のみ。2010年の訪問時に聞いた話だと、ブドウの出どころは全く同じで、2年後にバレル・テースティングを行い、優れた樽をブルネッロ、それ以外の樽はロッソとして追熟、ボトリングするとのことでした。なお、この1991年は彼らのファースト・ヴィンテージです。
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Brunello di Montalcino 1991
品種:サンジョヴェーゼ・グロッソ100%。
醸造:ズラボニア・オーク(クロアチア産)の大樽で発酵(天然酵母のみ)。熟成は大樽で約5年、ノン・フィルターで瓶詰めし、瓶内約半年追熟後出荷。
アルコール度数:13.5%
ブドウ・畑:モンタルチーノの街の南側 Castelnuovo dell’Abate。畑は南向きで標高は200〜450m。土壌は岩の混じった泥灰。イールドは約30hl/ha。
生産本数:現在は年3,000〜4,000本。

25年以上経過しているにもかかわらず、依然輝きを放って、全く衰えを見せない果実、丸くはなったけれど、フレッシュさを感じさせる酸。自然な果実の甘さを程よく感じさせつつ、最初から最後まで美しいプロポーションを保ち続ける、全く非の打ち所がないワインです。豊満かつ円満、これには誰もが満足するでしょう。今年のトップ5入りは間違いない、まさにサンジョヴェーゼの真髄とも言うべきワインです。おそらくもう手に入れることができないワインなので、本当にラッキーでした。



by taurasista | 2017-05-30 16:43 | ワイン(イタリア)

ストーラーはオレゴン・ダンディー・ヒルズの生産者。日本には輸出されていないようです。
ワインの詳細は不明ですが、この2001年は素晴らしい熟成を遂げていました。温かく柔らかい味わい、果実はまだまだ分厚く、酸もしっかりしていて、今まさにピークだったと思います。
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by taurasista | 2017-05-19 07:10 | ワイン(その他)

シュラムスバーグは創業1862年という、カリフォルニアで最古のワイナリーの一つです。オーナーが何度か変わって、現在のデイヴィーズ家の手に渡ったのが1965年。そこで彼らが目指したのは、世界で通用するスパークリングワイン作りでした。現在では、カリフォルニアきっての泡の作り手として、誰もが知る存在になっています。今回のワインは、彼らが初めてリリースした単一畑の名称付きですが、現在はリリースされていないようなので、かなりのレア物のようです。
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Brut Napa Valley Carneros Hyde Vineyard 2008
品種:シャルドネ77%、ピノ・ノワール23%
醸造:情報なし。
アルコール度数:12.5%
畑・ブドウ:カルネロスのハイド・ヴィンヤード。もしカリフォルニアの畑の格付けがあれば、グラン・クリュ入り間違いなしの有名な畑です。シュラムスバーグは90年代からハイドのブドウを購入していて、トップ・キュヴェのJ Schramにも使用しているとか。
生産本数:9,000本

果実味はかなり凝縮していて、かつフレッシュ。熟成香は全く感じません。溌剌とした酸も印象的。かなり長期熟成するワインのようです。アフターに感じるほのかな甘みが太陽の恵みを感じさせ、その点から、シャンパーニュというよりも優れたフランチャコルタの相似形、という印象を持ちました。

カリフォルニアには、モエ・シャンドン、テタンジェ、ルイ・ロデレールなど、シャンパーニュの大手がこぞって進出していますが、純カリフォルニアの優れた泡の生産者は意外に少ないもの。このワインを飲む限り、シュラムスバーグは依然としてそのトップランナーだと言うことができそうです。



by taurasista | 2017-05-16 06:30 | ワイン(カリフォルニア)

高レベルのレストランが集まるナパ・ヨントヴィルの中でも、安定した実力を誇っているのが、このビストロ・ジャンティ。創業は1998年で、このエリアでは老舗と言ってもいいでしょう。シェフは仏シャンパーニュ地方出身のフィリッペ・ジャンティ氏。
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料理は全く奇をてらっていない正統派のビストロ料理。サービスのスタッフはベテランが多いです。この日はテラスでムール・フリットやほほ肉の煮込みといった典型的なビストロ料理を楽しみました。
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決して安くはないけれど、料理・サービスとも安定感は抜群。定期的に寄りたくなるお店です。

by taurasista | 2017-05-14 07:46 | レストラン(カリフォルニア)

サヴェージ・ホワイトはダンカン・サヴェージの作る唯一の白です。彼は長くケープ・ポイント・ヴィンヤードの醸造責任者を務めていましたが、その末期に自分のワイナリーを立ち上げ、現在はそちらに専念しています。
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Savage White 2013
品種:ソーヴィニオン・ブラン56%、セミヨン44%
醸造:500リットル樽で発酵、熟成。熟成期間は11ヶ月で新樽比率は25%。
アルコール度数:14.0%
ブドウ・畑:ソーヴィニオンはKaaimansgat(フランシュホーク背後の山岳地帯)から。セミヨンは、その近郊フィリエルスドープから。
生産本数:不明ですが、確実に年10,000本未満でしょう。

特別に芳香性が強い訳ではありませんが、黄桃、ジャスミン、ハチミツなどが優しく匂う、魅惑的な香りです。味わいも同様で、際立った柔らかさ、優しさがあり、スタートはこれらを強く感じますが、ミッドパレットから後はミネラルが正面に出てきて、長い余韻へと続きます。きれいな球体の整ったプロポーションで、飲みやすさという点でも二重丸。親しみやすさと複雑さを兼ね備えた個性的かつ高品質なワインです。

今若い意欲的な生産者の多くが目指している「モダンかつ自然」なスタイルを体現しているこの作り手、南アのワインとしては高価ですが、それだけの価値はあると思います。


by taurasista | 2017-05-13 16:22 | ワイン(その他)

このブログにはほぼ登場することがない、ボルドーの超有名ワイン。実は、アニバーサリー用に取っておいた頂き物です。
このヴィンテージのラベルを描いたのはキース・ヘリング。ポップで躍動感があって、個人的にはとても好きなラベルです。
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1988年はヴィンテージとしての評価はそれほど高くありません。そのためか、ボリューム感はそこそこですが、グラン・ヴァンとしての魅力は満載です。時間とともにどんどん複雑さを増す香り、決して強さはないけれど、きれいなプロポーションを保ちながら、非常に長く続く余韻。やはり、流石と言うしかありません。Thank you Mr. P!

by taurasista | 2017-05-11 23:14 | ワイン(その他)

カテナと言えば、アルゼンチンワインの代表的存在、いわばカリフォルニアにとっての(かつての)ロバート・モンダヴィ、というイメージ、生産量もそれなりに多く、アメリカでの流通も盛ん、なはずですが、古いヴィンテージを見ることは極めて稀です。このボトルは、ベイエリアのショップの在庫処分セールで格安(確か15ドル)で手に入れたもの。
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熟成したアルゼンチンワインはこれが初めて。状態の予想が全くつかず、開けるタイミングを逃し続けていましたが、定期的にアルゼンチンに出張している友人の来訪時に、盛り上がった勢いで抜栓。

結果は、予想を大幅に上回る出来。フルーツは瑞々しく、かつパワフル。黒系のフルーツに、ミント、鉛筆の芯などが香ります。味わいは、酸、タンニン、果実味がすばらしい調和を見せています。筋肉質だけど、ゴツすぎず、清涼感があるけれど、神経質ではなく、親しみやすく、またかなり高レベルのワインです。スペックは全く情報がありませんが、全体的に涼しげなニュアンスがあるので、高地の畑のブドウから作られたワインでしょう。

アルゼンチンワインのヒエラルキーにおける、このワインの位置付けは不明ですが、まだアルゼンチンワインの知名度が低かった20年以上前に、既にこのレベルのワインが存在していたという事実のみから推し量ると、アルゼンチンのポテンシャルは相当に高いのでしょう。在米中に現地でそれを確認できなかったことが、今となっては残念でなりませんが、続きは日本で確かめたいと思います。


by taurasista | 2017-05-02 04:08 | ワイン(その他)