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ルネ・ロスタンは、ギガル等と並んでコート・ロティで最高の評価を受ける生産者です。設立は1971年。80年代の終わりから90年代初めにかけて、親族の引退で優良な畑を譲り受けてからは特に評価が高く、トップ・キュヴェのコート・ブロンドとラ・ランドンヌでは、確か「100点満点」も獲得していたと思います。

彼らのコンドリューはごく少量の生産で、滅多に見かけることがないですが、たまたまバックヴィンテージを見つけたので購入してみました。
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品種:ヴィオニエ100%。
醸造:情報がほとんどありませんが、樽は使っていない模様。
アルコール度数:14.5%
ブドウ・畑:詳細不明ですが、1987年植樹のコート・ボネットのブドウがメインのようです。
生産本数:多い年でも5,000本未満のようです。

アプリコット、黄桃、杏など濃密な香りに圧倒されます。残糖分を強く感じる、甘口と言ってもいいような味わい。繊細さよりも、パワーで押すタイプのワインのようです。
甘いといっても、デザートワインほどではないので、甘さがあり濃厚なソースを使った料理とは相性がいいと思います。

by taurasista | 2017-04-18 05:37 | ワイン(その他)

南イタリア産以外のフィアーノは、これが初体験です。
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Fiano Russian River Valley 2014
品種:フィアーノ100%。
醸造:おそらく、ステンレスタンクで発酵、熟成ですが、プレス前に10日間マセラシオン。
アルコール度数:?%
ブドウ・畑:情報なし。
生産本数:約1,200本。

イタリアのほとんどのフィアーノとは違って、かなり分厚い果実味を持っています。香りは白桃、オレンジの皮、白胡椒、白い花など。ヴォリュームと温かみがあります。味わいもフルボディで、強いミネラルと果実味が調和して、長いアフターへと続きます。マセラシオンの影響は分厚いボディから少し感じる程度で、収斂性はほとんどありません。酸は強いですが、イタリアのものとは異質で、柔らかく、より温暖な気候を感じせます。

このワインを飲んで、カリフォルニアの気候の力とワイン作りの自由度の高さを改めて感じました。

by taurasista | 2017-04-17 13:09 | ワイン(カリフォルニア)

前回に続いてブロヴィアです。今回はバルベーラの98年。
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Barbera d'Alba Sorí del Drago 1998
品種:バルベーラ100%。
醸造:ステンレスタンクで発酵、熟成。熟成は15-18ヶ月。
アルコール度数:13.5%
ブドウ・畑:カスティリオーネ・ファレットの区画ガルブレ。樹齢は約30年。土壌は石灰粘土質。
生産本数:平均年4,500本。

購入したのは約3年前。セールで15ドルぐらいと外れてもショックが小さい価格だったので、買ったはいいものの、なかなか出番がありませんでした。とてもいい熟成をしていて、果実、酸、タンニンともいい感じにこなれています。グランヴァンほどの複雑さはありませんが、すべてが調和よくまとまっていて、非常に美味しいです。

おそらく、ステンレスだけでさらっと作った、気軽に飲むためのワインなのでしょうが、ベースがしっかりしていると、熟成の魔法によって素晴らしく魅力的なワインになる、その好例だと思います。

by taurasista | 2017-04-16 07:02 | ワイン(イタリア)

ブロヴィアは知名度はさほどでもありませんが、ヴィレッロVilleroやロッケRoccheなどの最上級の畑から優れたバローロを作る優良生産者。その隠れた銘酒がドルチェットのスペシャル・キュヴェであるこのソラティオです。

以前にこのブログでも書いたと思いますが、ソラティオは偶然が生み出したワインです。初ヴィンテージは1985年。醸造スペースの関係で畑に放置せざるを得なかったドルチェットが、その間天候に恵まれたお陰でさらに熟し、それを試しに仕込んでみたら素晴らしいワインに仕上がったので、瓶詰めしたのが始まりです。以来、ブドウを遅摘みできた年のみリリースされ、この2003年は7回目のヴィンテージとことです。
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Dolcetto d'Alba Solatio 2003
品種:ドルチェット100%。樹齢は約50年。
醸造:発酵はセメントタンク。熟成はステンレスタンク。
アルコール度数:14.0%
ブドウ・畑:バローロの銘醸畑カ・ミーアCa'Miaのドルチェット100%。樹齢は約50年。畑は南東向き。
生産本数:300ケース程度。

香りは非常に強く、レーズン、熟成したバルサミコ、プラム、コーヒーなど、とてもパワフルさを感じます。
遅摘みのワインらしく、味わいはとても分厚く、少しチョコレートケーキに似た、嚙めるような果実味を感じますが、強い酸があってフレッシュさも十分。きれいな球体をしていて、全体のバランスもなかなか素晴らしいです。
非常にいい状態に熟成してきた、高品質かつ個性的なワインでした。

by taurasista | 2017-04-15 06:57 | ワイン(イタリア)

後のイタリア大統領ルイジ・エイナウディが創業し、その名を冠するこのワイナリー、最近はバローロでも有名ですが、元々最も高い評価を受けていたのがドルチェットです。このヴィーニャ・テックはその最上級ラインになります。
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品種:ドルチェット 100%。
醸造:ステンレスタンクで発酵、熟成。
アルコール度数:14.5%
畑・ブドウ:エイナウディの所有する最良の区画の古木から。古いものは樹齢60年。
生産本数:このヴィンテージは不明ですが、だいたい1,000ケースぐらいだと思われます。

普通はドルチェットを熟成させるという発想自体がないので、古いものは市場では(特にイタリアでは)まず見つかりません。しかしながら、熟成能力がない訳ではなく、優れたドルチェットが素晴らしい熟成を遂げるのは、このブログでも紹介した、例えばヴィエッティの82年やガヤの70年代で経験済みです。

このエイナウディも、ドルチェットの熟成能力を示す格好のサンプルでした。とても凝縮した、インキーで黒い果実、スパイス、そして心地よい青さがある香り。味わいも凝縮していますが、とてもシルキーな構造で、強いタンニン、酸も完璧に調和しています。さすがに複雑さの点では、ネッビオーロには一歩譲りますが、完璧に熟成し、まさに飲み頃の、素晴らしい状態の1本でした。

by taurasista | 2017-04-12 08:30 | ワイン(イタリア)

LAに居を移して以来、多くのカリフォルニアワインを試してきましたが、10年前とは明らかにトレンドが変わっていることを強く感じます。果実味に溢れた「強く、甘い」テイストから、抑制を利かせたエレガントなスタイルへ、そしてオーガニックへ。多くのトップレベルのワイナリーがこの方向にシフトしていますが、その先駆者と言えるのがこのリトライです。

彼らのワインは、いわばカリフォルニアとフランスのハイブリッド。カリフォルニアの太陽の恵みを生かしながら、ワイン作りの手法は限りなくブルゴーニュ。果実味を突出させず、バランスが取れたエレガントなスタイルは、多くの新しい生産者のベンチマークになっています。ビオディナミへの転換も早く、この点でも多くのフォロワーを生んでいます。

ワインは非常に人気が高く、レストランへの卸しとメーリングリストでほぼ完売してしまい、市場にはほとんど出てきません。このボトルはワイナリー訪問時に購入したものです。
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Chardonnay The Tributary Vineyard 2013
品種:シャルドネ100%
醸造:詳細は不明ですが、新樽のニュアンスは全く感じないので、ステンレスタンクオンリーか、熟成にニュートラル・オークを使っている程度だと思われます。酵母は天然酵母のみ、清澄、濾過なしはお約束かと。
アルコール度数:?(チェック忘れ)
ブドウ・畑:ソノマ・コーストの単一畑The Havenの一部のようです。リトライのブドウの調達先は、自社畑と買い入れ両方ですが、The Havenはビオディナミで耕作する自社畑。周囲の生態系も整えて、ヨーロッパのドメーヌ的な発想で運営されています。
生産本数:不明ですが、相当少なく、確実に500ケース以下だと思われます。

カリフォルニアのシャルドネのレベルは非常に高く、価格も考慮すると、ブルゴーニュを飲む必要性を全く感じなくなってしまいました。このワインの出来も、相当に素晴らしい。ミネラリーで、白い花、柑橘類、蜂蜜。硬質ですが、決して冷たさは感じない香りです。味わいも、非常に強いミネラルが特徴的。やはり硬質かつ筋肉質、酸も強いですが、全体のバランスがとても良いので、飲みにくさは感じません。酒質は非常に強く、この後飲んだRhysのピノの後でも、余裕で戻ることができました。

ブルゴーニュの銘酒と同じだけの熟成能力を持っているかどうかは不明ですが、少なくとも10年間のスパンなら、その最上級品と同じ土俵で勝負できるだけの実力を持った、極上のシャルドネです。生産量は相当に少なく、日本のインポーターのリストにも載っていませんが、もし見つけたら是非試してみてください。

by taurasista | 2017-04-11 07:08 | ワイン(カリフォルニア)

バローロの革命が始まった1980年代以来、バローロを語る上で、欠かせないポイントだったのが、「伝統派」と「革新派」(バローロ・ボーイズ)の2極構造。

ロベルト・ヴォエルツィオは、エリオ・アルターレ、パオロ・スカヴィーノ、ドメニコ・クレリコたちに続く、「革新派」第2世代に当たります。ヴォエルツィオ家は、ラ・モーラで長く続く農家ですが、家督を継いだ兄ジャンニから1986年に独立して創業、最初のヴィンテージは1987年です。

ヴォエルツィオのワイン作りで特徴的なのが、イールドの低さ。厳しい剪定、グリーンハーヴェストに加えて、残した房も耳と下部を切り落としてしまいます。これだけではなく、地面からの輻射熱を生かすため、仕立てを低くする(つまり、作業性が悪い)など、恐ろしく手をかけて育てられたブドウから作られる彼のワインは、今やモダン、クラッシックといった枠を超えて、最も高い評価を受けるバローロの1本となっています。

バローロは全て単一畑でのリリースです。創業当初から所有しているチェレクイーオ、ラ・セッラ、ブルナーテに、90年代中盤以降に、ロッケ・デル・アヌンツィアータ Rocche dell'Annunziata、トリリオーネ Torriglione、フォサーティ Fossati、サルマッサ Sarmassaにも畑を取得。これだけの種類の単一畑バローロを生産しているのは、他にはパオロ・スカヴィーノぐらいでしょうか。

1996年は、クラッシックな優美なワインを生む最高のヴィンテージと言われていますが、その一方で飲み頃になるまでかなり時間を要する年で、おそらく、やっと飲み頃に入ったところ。また、「革新派」は、ロータリー・フェルメンターやバリックの使い方など、ワイン作りの実験を続けていた時期でもあります。前回ご紹介した古典派のヴィエッティはこれぞ、バローロ、という素晴らしいワインでしたが、さてこのヴォエルツィオはいかに?
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Barolo Cerequio 1996
品種:ネッビオーロ 100%
醸造:当時の手法は資料がありませんが、かなりバリックを使っていた時期だと思われます。なお、酵母は創業当時から基本天然酵母のみのようです。
アルコール度数:13.5%
ブドウ・畑:ラ・モーラの銘醸畑チェレクイーオ単一畑。畑は南/南東向き。
生産本数:不明ですが、間違いなく500ケース未満。

20年以上経過したネッビオーロとしては、かなり濃い目の色調。香りは相当に若々しく、バリック由来と考えられるコーヒーやヴァニラ、プラムなどが要素の、非常に力強いものです。ボディは非常に大きく、凝縮していますが、ほのかな甘味を持ち、またジューシーな口触りで、重たさは全然感じません。力強く長大な余韻。ヴィエッティとは対照的なスタイルで、当時言われていた「モダン・バローロ」の典型的な姿を、20年以上を経過した今もしっかりと残しています。

まだまだ余裕で10年は熟成するだけの酒質を持っているので、手持ちのもう1本は、最終的な熟成の姿を確かめるために、しばらく残しておこうと思います。これまで飲んだ88〜90年のモダン・バローロは、完全に熟成した状態だとクラシックとの差を感じませんでしたが、90年代中盤のものは、作りも違うので、比較してみるのが楽しみです。

by taurasista | 2017-04-10 06:56 | ワイン(イタリア)

以前は誕生会を兼ねて毎年3月に開催していたヴィンテージ・ピエモンテの会。今回、たまたま出張が入ったので、久々の開催と相成りました。テーマは熟成ドルチェットと、そろそろ飲み頃に入ってきたと思われる96年のバローロです。まずはトリを務めたこのワインからご紹介します。
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ヴィエッティのフラッグシップで、最良年のみ作られる、ヴィレッロ・リゼルヴァ。生産されたのは、80年代は82、85、89年、90年代は96、97年のみという、非常にレアなワインです。生産本数も少なく、更にラベルは毎回変わるアートラベルということもあって、コレクター垂涎のワインでもあります。96年のラベルは、米国のスーパーリアリズムを代表するロバート・コッティンガムの作品です。

ヴィエッティについては、何度か触れたと思いますが、カスティリオーネ・ファレットの中心に拠点を構える、1873年創業のバローロの名門生産者です。昨年夏に米国資本に買収されましたが、ワイン作りの体制は(少なくとも現時点では)そのままのようです。

では、ワインの詳細に行ってみましょう。

Barolo Riserva Villero 1996
品種:ネッビオーロ 100%(クローンはミケ)
醸造:14日間ステンレスタンクでマセラシオン、アルコール発酵の後、バリックで乳酸発酵。ズラヴォニア産オークの大樽で約3年熟成後、清澄、濾過なしで瓶詰め。2年の瓶熟を経てリリース。
アルコール度数:14.13%
ブドウ・畑:カスティリオーネ・ファレットのヴィレッロ単一畑。畑は南/南西向き。樹齢は約36年。
生産本数:750ml 3,783本、マグナム 50本

まず、素晴らしく香り高いワイン、というのが第一印象です。スミレ、バラの花、バルサミコ、スパイスなど、複雑かつ軽やか。これだけで、スペシャルなワインであることが分かります。ミディアム・フルボディで重さはさほど感じませんが、シルキーな口触りに切れ目なくどこまでも続く余韻。ネッビオーロらしく、タンニンは強くドライですが、やはり強い酸や、つややかな果実味と完璧な調和を見せています。

これぞ、熟成したバローロの真髄、と言ってもよい、素晴らしいワインでした。

by taurasista | 2017-04-09 09:52 | ワイン(イタリア)