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オクシデンタルはキスラー・ヴィンヤーズの創業者スティーヴ・キスラー氏によるピノ・ノワールに特化したプライヴェート・ブランドです。初ヴィンテージは2011年。

キスラー・ヴィンヤーズから分離して新たなブランド展開を始めた理由は明らかにされていませんが(訪問時に質問しましたが、はっきりとした回答は返ってこなかった)、キスラー・ヴィンヤーズの売却と関係があるものと思われます。現在の所有者はコスタ・ブラウン等のオーナーでもあるビル・プライス氏。売却後もキスラー氏はアドバイザーとして関与を続けているようですが。

オクシデンタルのワインは3種類。キスラー時代からフラッグシップだったキュヴェ・エリザベスとキュヴェ・キャサリン、これに加えてキュヴェ・エリザベスの畑の上部のぶどうから作られるSWKヴィンヤードです。ちなみに、エリザベスとキャサリンはキスラー氏の娘さんの名前。奥様の名前を冠したシャルドネ・キュヴェ・キャスリーンはキスラーブランドに残っています。
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20-30%全房発酵、酵母は天然酵母のみで新樽の比率も30%程度、SO2も最小限に留める、という極めて現代的な醸造方法。恐らく固いワインだろうと予測して、前日の夜抜栓しておきました。

香りは開いていて、かなり複雑ですが、決していわゆるカリピノ的なこれ見よがしではありません。スミレ、黒系のフルーツ、ヴァニラ、レザーなどが品良くまとまり、非常に洗練された感じがします。味わいは一晩置いてもまだまだ固く、飲み頃までもう少しかかると思われますが、酸の切れの良さ、鈍重さのかけらもない凝縮感、そして余韻の長さは大変に素晴らしい。アフターに果実の甘みを強めに感じるところ以外は、至って旧世界的なワインで、かつてのキスラーのピノとは随分方向性が異なります。

最近ブルゴーニュのトップワインを飲んでいないので比較ができないのですが、恐らく最上位のものと比べても遜色ないのでは、と思わせる非常にレベルが高いピノでした。もう1本ストックがあるので、これはあと最低5年は熟成させたいと思います。


by taurasista | 2016-09-29 15:12 | ワイン(カリフォルニア)

サルデーニャを代表する赤ワインと言えば、真っ先に名前が挙がるのがこのトゥリーガ。1988年がファーストヴィンテージで以来今に至るまで高い評価を継続して得ている銘酒です。サッシカイア、ソライア、ティニャネッロ初め多くの著名ワインに関わった名エノロゴ ジャコモ・タキス氏の代表作の一つとしても知られています。

品種はカンノナウ(グルナッシュ)が主体で、マルヴァジア・ネーラ、カリニャーノ、ボヴァレ・サルドをブレンド。ブレンドの比率は未公開のようです。なお、エチケットは畑から出土した古代サルデーニャ文明の聖母像とのことです。
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Turriga 1999
色合いは漆黒で、相当分厚いワインであることが予想されます。香りは圧倒的。チョコレート、ブラックチェリー、プラム、シガー、スパイスなど強くて複雑、そして個性的です。味わいはやはり非常に分厚く、少し甘苦さがある、まるで噛めるような果実味に、スパイシーさと切れがいい酸が加わり、口の中できれいな球状を保ったまま長いアフターに続きます。甘さ、苦さ、酸っぱさのバランスも完璧で、極めて完成度が高いワインです。まだまだ若々しくて、あと5年ぐらいは熟成させることも可能でしょう。これは今年のトップ10入り間違いなし!



by taurasista | 2016-09-28 13:03 | ワイン(イタリア)

ちょっと珍しい南アの熟成したヴィンテージをたまたま入手できたので、早速試してみました。
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Syrah 2003
一説によるとローヌ北部のトップ生産者並みの実力を持つと言われるブーケンハーツクルーフのシラー。若いヴィンテージはがちがちだったので、期待度はかなり高かったです。基本的に硬いワインだろうということで、前日の夜の抜栓をお店にお願いしておきました。

プラム、黒胡椒、レザーといったシラーらしい香りがかなりのヴォリューム感でグラスから上がってきます。ここまでは期待通り。
味わいは予想よりは細身で酸はかなり高め。パワーバランスは少し前に寄っていて、多少ミッドパレットからアフターにかけてが弱めに(アタックと比べて)感じますが、シルキーでエレガントな酒質で飲みやすく、かつ味わい深い。レベル感をサッカーで例えると、シャプティエやシャーヴと比べるのはさすがに酷で、ワールドカップベスト4の実力はないものの、本選には出場できる、という感じでしょうか。

同じ作り手の熟成ものはもう一本カベルネの2000年を持っています。このシラーから判断する限り、早めに飲んだほうが良さそうなので近々開けることにします。


by taurasista | 2016-09-27 20:48 | ワイン(その他)

ギガルのトップレンジと言うと、3種類のコート・ロティ単一畑が有名ですが、白で仲間入りしているのがこのドリアーヌです。
AOCは、エキゾティックな響きに惹かれるけれど、なかなか飲む機会がなくミステリアスなコンドリュー。畑は単一ではなく4つの畑の混醸で、初ヴィンテージは94年です。

熟成は新樽100%。ローヌを良く飲んでいた2000年頃の記憶だと、ヴィオニエのアロマティックな香りをわざわざ新樽で覆い隠している醜悪なワイン、という評価もあったドリアーヌ。また、定説では、ヴィオニエは熟成しないので、4-5年目までに飲むのが良い、となっていますが。これは定説の飲み頃を大幅に超える15年目。ここまで古いコンドリューを飲むのは初めてです。結構リスクが高いので、外れのワインもエンジョイしてくれるメンバーを選んで、少しどきどきしながら食事直前に抜栓。
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Condrieu La Doriane 2001
外見は予想した通り美しい黄金色。黄桃、アプリコット、シナモン、軽〜くヴァニラといった要素が絡み合った複雑で魅惑的な香りがヴォリューム感たっぷりにグラスから上がってきます。味わいは白ワインとしては相当に分厚いですが、酸がしっかりして切れ味良く、アタックからアフターまでの持続力が素晴らしい。果実の分厚さに隠れていますが、相当に強いミネラル感も味わいに複雑さを与えています。完璧な熟成を遂げた相当な品質のワインで、あと3年ぐらいは熟成を続けると予想。

一般論としては正しいかどうかはともかく、このクラスになるとヴィオニエは立派に熟成する、と言って良さそうですね。


by taurasista | 2016-09-26 08:47 | ワイン(その他)

ここ数年、業界におけるカリフォルニアの小規模若手生産者の注目度はかなり高くて、カリフォルニアの旬のレストランのワインリストには必ずと言っていいほど、この系統の作り手のワインが並んでいます。ナパやソノマの大御所たちを押しのけて、こういったワインをリストの中心に据えているお店も決して少なくはありません。

その中でもアルノー・ロバーツは最も代表的な作り手の一人と言っても差し支えないでしょう。ナパで育った幼馴染のDuncan Arnot MeyersとNathan Lee Robertsの共同プロジェクトで2001年創立。オーガニックかそれに近い古樹の畑からブドウを購入し、極力ワインをいじくらない自然な作りを目指すところは、この手の生産者に共通の方程式ですね。

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Old Vine White Wine Heinstein Vineyard 2014
Heinstein(最近まではCampagni Portisと呼ばれていたとのこと)は1954年植樹。シルヴァーナ、リースリング、ゲヴェルツトラミネール、コロンバール等々が混じって植えられています。このワインに使われているのは専らシルヴァーナとリースリングとか。栽培はオーガニックで灌漑は行いません。

冷涼な気候と繊細さを感じるワインです。香りは余り強くはなく、白い花、少し遅れてリースリングぽいペトロール香が出てきました。ミディアムボディでミネラルを強く感じる味わい。
これだけだと至って普通のワインですが、一緒に飲んだメンバーからの評判は上々。複雑なフレーバーを持っている訳ではないけれど、清涼感があり、酸はしっかりしているけれど、決して尖ってはいなくて、飲み口がいいところが受けたのかな。
ちょっと不思議な魅力を持ったワインで、個人的にも結構好感度高いです。



by taurasista | 2016-09-19 15:38 | ワイン(カリフォルニア)

2011、12年続けてとても印象が良かったザ・ヒルトのシャルドネ。半年前のリリース時にメーリングリストで購入した2013年を開けてみました。

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Chardonnay The Vanguard 2013
ヒルトのシャルドネは2種類でもう1種類はThe Old Guard。その違いは以前にも書いたのでここでは繰り返しませんが、ほぼ新樽で熟成され、乳酸発酵の比率も高いThe Vanguardはより豊満なタイプになります。

2013年は2012年とよく似ているという印象。「より豊満」と言ってもあくまでThe Old Guardとの比較しての話。全体としては抑制が効いて繊細なワインです。レモン、白い花、アーモンド、シナモンといった複雑で魅惑的な香り。ウェイトは程々ながら、柔らかいアタックから、アフターまでフレーバーが切れ目なく続きます。アフターには心地よいほろ苦さあり。

このヴィンテージも大変素晴らしい出来です。本当にカリフォルニアのシャルドネはレベルが高く、15年、20年熟成させるならともかく、10年のスパンで飲むならブルゴーニュの一流どころに15,000円アッパー払う必要は全くない、と断言できます。その中でもザ・ヒルト、おすすめです。現在日本に輸出されているのはピノのみのようですが、きっと遠からずシャルドネも手に入るようになるでしょう。


by taurasista | 2016-09-12 07:33 | ワイン(カリフォルニア)

お気に入りで何度も登場しているRhys Vineyards。今回は少し年数が経過した白を試してみました。
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Chardonnay Santa Cruz Mountains Horseshoe Vineyard 2009

まずリースの歴史を簡単に振り返っておくと、IT業界で成功したケヴィン・ハーヴェイ氏が趣味が高じて始めたワイナリーで2004年がファースト・ヴィンテージ。アメリカには珍しく畑はほぼ自社所有で、サンタ・クルーズに5つ、アンダーソン・ヴァレーに1つ畑を持ち、ビオあるいはビオディナミで栽培を行っています。ちなみに、最初の畑は1995年に自分で自宅裏に植えたもので、その名も「ホーム・ヴィンヤード」。

ホースシュー・ヴィンヤードは2004年植樹でピノ、シャルドネ、そしてシラーが植えられています。ピノとシラーは2007年、シャルドネはこの2009年がファースト・ヴィンテージです。現在ピノとシャルドネは2013年ヴィンテージまで、シラーは2011年ヴィンテージまでがリリースされています。シラーの次のリリースはウェブサイトに記載なし。生産は続けているようですが。

さて、このシャルドネ・ホースシュー・ヴィンヤード。2013年を今年初めのリリース直後に飲みましたが、極めてミネラリー、刺さるような鋭い酸、がちがちで飲み頃まで少し時間がかかるとの印象でした。2009年ですが、まず強靭なミネラルが特徴的です。香りはミネラリー、レモンの皮、そして塩気も感じます。味わいもタイト。果実味は抑えめで、強いミネラル感に決して丸くはない酸。愛想を振りまくタイプではなく、万人に受けるワインではないと思いますが、この「土壌を味わっている」的な感覚と、長く続くミネラリーな余韻は玄人好みかと。

同じ畑のピノやシラーも似たようなニュアンスを持っているのか、ちょっと興味深いので(理屈上はそのはずですが)、同じぐらいのヴィンテージを探して試してみようと思います。リースのワインは生産量が少なくほとんど市場に出てこないので、なかなか見つからないのですが。。。


by taurasista | 2016-09-11 09:40 | ワイン(カリフォルニア)

ロスの気候は今日も爽やか。日が少し短くなった以外は全く真夏と変わりがありませんが、暦上は9月。気分的に秋を感じられるワインを、ということで選んだのがこちら。
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Barolo Costa Grimaldi 1996
生産者はルイジ・エイナウディ。イタリア大統領や中央銀行総裁を務めたこの方が若かりし頃、1897年に創設したカンティーナです。現在も彼の子孫が所有しています。2008年春に訪問したことがありますが、バローロ生産エリアの南側ドリアーニにあるカンティーナはまるでお屋敷。農家的な素朴な作りが多いこのエリアではちょっと異色です。

コスタ・グリマルディはバローロ村の標高約300mの畑で、土壌は泥灰、石灰質。一番古い樹は1977年植樹とのことです。この畑からのバローロは1996年同時はこの1種類のみでしたが、現在はもう一種類Barolo Terloというキュヴェが生産されています。

開くのは予想よりも早く、抜栓後10分もすると香りがしっかりと出てきて、味わいも30分ぐらいでこなれて柔らかくなりました。スミレ、バラの花、スパイスといった要素の香りはボリューム感はそこそこですが、ピュアで魅惑的。ボディはやはりウェイトはそこそこ。後ろの方でスパイシーさとネッビオーロらしいドライなタンニンを強く感じます。

最近若いヴィンテージのニューワールドのワインを飲むことが多く、強目の果実味に舌が慣らされているせいか、もう少し果実があった方がバランスが取れるような気もしますが、全体的にはトップクラスとは言えないものの、そこそこレベルが高いバローロだったと思います。

果実味抑え目、タイトなスタイルのバローロの96年は非常にクラシックなヴィンテージと評されて、専門家から非常に高い評価を受けています。飲み頃になるまで非常に時間がかかる年と言われているので、自分のストックにはまだほとんど手を付けていないのですが、これを機に少しずつ状態を確かめていこうと思います。

(追記 9.11)
半分は翌日飲みましたが、果実は瑞々しさを増し、味わいは広がり、かなり良くなりました。あえて点数化するなら、当日はバローロとしては5点満点中3点ぐらいという評価だったのですが、翌日は4点以上。本当の実力を知るためには、やっぱり時間をかけて飲まないと、ですね。


by taurasista | 2016-09-04 04:55 | ワイン(イタリア)