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またまた南アです。

毎回繰り返していますが、南アの若手生産者のワインのクオリティは驚くほどです。試してみた数はまだ限られていますが、評価の高い生産者のものは全く外れがありません。

更に驚異的なのがその価格。カリフォルニアのショップだと、トップクラスのワインでも40ドルを越えるものはほとんどなし。高評価のワインの多くが20ドル台で入手可能です。近年評価が高まっているとは言え、まだまだ世界的には知名度が低く、かつ通貨が弱いためだと思いますが、Wine Advocateが100点を付けるようなワインが登場すると、それにつられて一気に値段が上がる、ということも十分に考えられ、その点では今がお買い時だと言えるかもしれません。

今回はウォーカー・ベイ Walker Bayのヘメル・エン・アード・ヴァレー Hemel en Aarde Valley地区のクリスタルム Crystallumのピノ Peter Maxです。
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冷涼なこのエリアで栽培されているのは主にピノとシャルドネ。ハミルトン・ラッセルによって高品質ワインの産地として知られるようになりました。クリスタルムは2007年創立でワイン一家出身の兄弟がオーナー。南アのこの手の多くの生産者同様、自分で畑は所有せず、ブドウは全て買い入れです。現在生産しているワインはシャルドネ2種類、ピノ3種類。このPeter Maxはピノのベーシックラインです。ブドウは4つの区画からで30%を全房発酵しています。

色合いはかなり薄め。香りは抜栓直後から全開で、ピノらしいいわゆる森の下草、熟した赤い果実、スパイス。複雑さはそこそこですが、ボリューム感があり、温かくやさしい香りがとても心地よい。味わいはミディアムボディ、焦点がびしっと決まっていてだれた所が全くなく、飲み飽きません。1時間ぐらい経過してからはスパイシーさも出てきました。アフターにはやや甘苦味を感じ、ここは好き嫌いが分かれるかも。

全体としては、エレガントでかつ親しみやすく、細部までしっかり目配りが利いた、非常に出来がいいワインとの印象です。カリフォルニアでの購入価格は19.99ドル(税抜き)。価格をはるかに越えた価値があることは間違いありません。これを知ってしまうとACブルゴーニュなど買えなくなります。

残るピノ2種類は約40ドルですが、シャルドネのジ・アグネス The Agnesは20ドル以下。このワインも非常に評価が高いので、近々試してみます。


by taurasista | 2016-07-31 08:36 | ワイン(南アフリカ)

南アシリーズが続きます。今回はマリヌー Mullineuxのベーシック・ライン クルーフ・ストリート Kloof Streetのシュナン・ブラン。
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マリヌーのワインを飲むのはこれが初めて。南アの若手の意欲的な生産者の一つという程度しか予備知識がなかったので、まずは彼らのウェブサイトに行ってみました。 http://mlfwines.com/

南アの他の新鋭ワイナリーとちょっと異なるのは、かなりしっかりした投資家がバックにいるということ。2007年にワイナリーがスタートした時点から投資家がついていて、更に2013年にはAnaljit Singh氏なるインドの大実業家が参画したとのことなので、その資金力は普通のブティック・ワイナリーとは全く比較にならないレベルでしょう。

マリヌーのトップレンジは単一畑のシュナン・ブランとシラーそれぞれ3種類。ワインにはそれぞれの畑の特徴的な土壌成分の名を冠しています。シュナン・ブランは「Schist (片岩)」「Granite (花崗岩)」「Quartz (水晶)」といった具合。どれも相当なレア物で世界中のワインショップを探してもほとんど見つかりません。

さて、このクルーフ・ストリート、価格(税込み19ドル)以上の価値が間違いなくあるワインです。オイリーで滑らかな質感で、無理なくするすると飲めてしまいます。白い花、ミネラリーで優しい香り、酸はしっかりしていますが、攻撃的な所はありません。口の中では横方向の伸びが弱く、立体感は十分ではありませんが、この価格帯でそこまで求めるのが無理というもの。価格対比では相当上質なワインだと言っていいでしょう。

ベーシックラインがこの出来なので、上級ラインはかなり期待できそうです。


by taurasista | 2016-07-26 21:18 | ワイン(南アフリカ)

winesearcher.comで南アワインを探索していて発見したこのお店、品揃えも充実していてオススメです。

場所はロスから南下して1時間強のサンタ・アナ。高級ブランドが充実しているモール サウス・コースト・プラザから10分ぐらいのビジネスセンター(というか、倉庫街?)の隅っこでひっそりと営業しています。
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お店の周りには人影が全くなく、ちょっと不安になりましたが、お店は来客で結構賑わっていました。
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ディスプレーは極めて簡素。ワインは箱に入ったままどーんと置いてあります。コーナーによってはお品書きなしにいろいろなワインがごった混ぜになっていて、宝探し的な楽しみもあります。

わざわざここまでやって来たのはこのワイン達を引き取るため。
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南アのカルト生産者アルヘイト Alheitの単一畑3種類。左から

シュナン・ブラン・マグネティック・ノース Chenin Blanc Magnetic North 2014
シュナン・ブラン・レディオ・ラザラス Chenin Blanc Radio Lazarus 2014
セミヨン・アロー・ハート Semillon Arrow Heart 2014

もちろん王道ものもしっかり揃っていますが、アルヘイトのようなカルト系生産者やアメリカの小規模優良生産者など、マニア心をくすぐるワインの比率が高めなのが嬉しいところ。自宅から距離があるのが難点ですが、遠からず再訪してみたいと思います。

Wine Exchange www.winex.com/

by taurasista | 2016-07-25 06:14 | ワイン(カリフォルニア)

今回も再び南ア、ブーケンハーツクルーフのワインです。

【The Chocolate Block 2008】
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このワインはトップレンジ「7つの椅子」シリーズの下に来るミドルレンジとのこと。シラー主体で残りはカベルネ、グルナッシュ、サンソー、ヴィオニエで構成。他では見ることができないブレンドです。比率は毎年変わるようですが、この2008年は下の写真の通りです。
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名前からは過熟で甘くて強いワインを想像しますが、前回のシラーとの共通点を感じる抑え目の味わいです。
プラム、スパイスにコーヒー的な香ばしさやミントも混じる、なかなか魅惑的な香りです。ミディアムボディで凝縮感はそこそこですが、滑らかな作りで切れ目のなさ、余韻の長さも十分。酸もしっかりしていて、全体的にいいバランスを保っています。十分クオリティの高いワインですが、敢えて言うならもう少し果実味があると更に良かったと思います。2年前ぐらいが最高の飲み頃だったかも。











by taurasista | 2016-07-24 03:07 | ワイン(南アフリカ)

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南アではもっぱら新しい生産者が注目を浴びている中で、このブーケンハーツクルーフは1776年創立という老舗のワイナリーです。歴史は長いですが、詳しいことはよく分からず、1993年にオーナーシップが代わったのが高品質ワイン生産のスタート、的なことがワイナリーのウェブサイトに書いてあるのみです。

トップレンジはラベルに7つの椅子をあしらったシラー、カベルネ、セミヨンの3種類。生産本数が限られているため結構入手が難しいとのことですが、アメリカではまだそれほど知名度が高くないのか、まだまだ在庫があるようです。このうち、今回はシラーの2013年を試してみました。

レビューを読むと、フルーツ爆弾系ではなく抑制されたスタイルとのことなので、幼児虐待になってしまわないか心配でしたが、残念ながら懸念が的中。香りにプラム、インク、黒胡椒、スミレといった要素はあるにはありますが、どれもすぐに消えてしまいそうなはかなさで、現時点では青みがかった香りが支配的です。味わいも開かずじまいで、アグレッシブな酸とタンニンがやや突出している感あり。作りはとても滑らかで、可能性は感じるのですが、あと3年ぐらいは寝かせておく必要があったと推測。

先週セールで2003年を手に入れたので(たったの25ドル!)、それを近々開けて真の実力を探りたいと思います。




by taurasista | 2016-07-19 08:24 | ワイン(南アフリカ)

4月にロンドンで試した南アのワインがどれも好印象だったので、いろいろな文献を当たって現状を調べてみました。本国を除くと情報量は歴史的なつながりもあってかイギリスのものが圧倒的に多く、Tim Atkin, Jamie Goode, BB&Rといったライターやショップのコメントを総合すると、現在の南アは若い意欲的な生産者がどんどん現われて急速に品質が向上している最も注目すべきワイン産地の1つ、と言って間違いないでしょう。

南アワイン革新の先駆者Eben Sadie(セイディ・ファミリー)が現われたのが2000年代の初めなので、世界のワインマップで南アが確固たる地位を築いてまだ15年足らず。彼に続く世界的に有名な生産者がこれからどんどん出てくる可能性は十分です。文献を参考にしてその候補になりそうな作り手のワインを何種類か購入しましたが、このデヴィッドのグルナッシュはその一つです。
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このDavidのオーナーはデヴィドとナディアのセイディ夫妻。ワイナリー名に苗字を入れないのは、Ebenのセイディ・ファミリーと間違われないようにするためだそうです。畑はオーガニック(詳しくは不明ですが、多くのこの手のワイナリーとは異なり、畑は所有している模様)。抽出は軽めで、天然酵母のみを使用して古樽で熟成、濾過清澄せずにボトリング、といういかにも新しい世代のワインメイカーな手法でワイン作りを行っているとのこと。

抜栓直後から香りは非常に華やか。軽やかな花の香りにレッドチェリー、ドライハーブを感じます。切れがいい酸と細身で引き締まったボディが印象的。強さではなくしなやかさで勝負するワインです。タンニンがややざらついた感じがするところが多少気になりますが、まだ若いヴィンテージなので年とともにこなれるものと予想。フレッシュで繊細さに溢れ、ピノ的な要素を持ったかなり上質のワイン、というのが私の評価。

アメリカでの価格は約35ドル。南アのワインとしてはかなり高価な部類に入りますが、品質を考えると決して高くはないと思います。日本にはまだ輸出されていないようですが、遠からずインポーターが付くのではないでしょうか。
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by taurasista | 2016-07-18 08:01 | ワイン(南アフリカ)

ヒールズバーグには何度も行っていたのに、全くノーマークだったこのSHED。見つけて以来すっかり気に入ってしまって、ソノマ滞在中はほぼ毎日通っています。
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見つけたきっかけはここで定期的に開催されているリオコ Liocoのテイスティング・イベント。おつまみを食べながら4種類のワインを試飲できるというもので、ワイン目当てに参加したら、そこで出されたハムやパテの美味しさに加えてお店の雰囲気にすっかり魅せられてしまいました。

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店内にはコーヒーバー、カフェ、レストラン、そして食料品、ワイン、食器、植物を扱うショップが並んでいて、食に関係するものを一通りカバーしています。扱う商品は厳選された高品質のもののみ。試してみたハムやパテ、お惣菜はどれも相当にハイレベルでした。
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お店の中央には大きな窯があって、そこで焼かれるピザも素晴らしい出来です。前菜のハム・パテ・チーズの盛り合わせとこのピザの組み合わせはシンプルながらとても贅沢、けれども懐には優しく、夕方涼しい風が吹く小川沿いのテラスで食べると最高の夕食になります。ちなみに、こちらのfood directorは閉店してしまったヨントヴィルの1つ星étoileの元シェフとのことです。

コーヒーもおいしく、いろいろな用途に使えるこのお店、まだまだ通うことになりそうです。




by taurasista | 2016-07-13 12:19 | レストラン(カリフォルニア)

サンフランシスコのアジア系レストランと言うと真っ先に名前が挙がる一軒がフェリービルディングのザ・スランティッド・ドア The Slanted Door。このアウト・ザ・ドアはその支店で麺やご飯ものが中心のカジュアル版です。フェリービルディングの本店の横で短いカウンターのみで営業していましたが、評判がいいのでちゃんとした店舗を立ち上げた、というところでしょうか。場所は前回のオクタヴィアからすぐのロウアー・パシフィックハイツです。
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お店の作りはモダンながら、供されるのはオーセンティックなアジア料理。完全オープンキッチンでその中では中華系のおじいちゃんが中華鍋を振っています。店構えが立派な分、値段はそれなりにしますが、料理のレベルが高いので全然気になりません。
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皮はしっとり、品質の高さが明らかに分かる野菜とエビが使われた生春巻。甘すぎず複雑な味のピーナツソースが素晴らしい。エビの炒め物や炭火の網で焼いたマリネされた豚、至って普通の料理ながら調理のレベルの高さが印象的です。今回は予約したので奥のテーブルに通されましたが、キッチン前のカウンターや入口近くの相席のテーブルは予約なしでOKで、ふらっと一人で来てフォーと春巻でちょっと豪華ランチ(飲まなければ20ドルぐらい)、なんて使い方もできます。テークアウトオーダーも気軽にできる点も使い勝手がいい。ぜひ近所に欲しいタイプのお店です。

本店と同じくワインプログラムもしっかりしています。本店と同くお店のイチ押しはドイツ・リースリングですが、その他のワインも豊富。こちらはソノマの北、メンドシーノで作られるドルチェット60%、ネッビオーロ30%、バルベーラ10%のブレンド。香り、味わいはそのまま軽めのランゲ・ロッソです。
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お店の近辺は街並みがとてもきれいでフィルモア・ストリートには気が利いたお店が並んでいて、食後のお散歩も楽しめます。その点でもおすすめです。

by taurasista | 2016-07-11 20:01 | レストラン(カリフォルニア)

同じカリフォルニアの大都市ながら、サンフランシスコではロサンゼルスと全く違った空気を感じます。夏でも冷たい風、コンパクトな空間に並ぶ家、坂道、サンフランシスコ湾、ゴールデンゲート・ブリッジ。南カリフォルニアほどの温かさと開放感はないけれど、エレガントで繊細さがあって、かつ風景は美しく、とても落ち着けます。

サンフランシスコの中で個人的に一番好きなエリアがロウワー・パシフィックハイツ。住宅街の中に地元の人たち御用達の垢抜けたショップやレストランが点在する、ロンドンでいうとチェルシーやサウス・ケンジントン的な雰囲気を持った場所ですが、そこに1年前に開店し、即ミシュランの星を取ったのがこのオクタヴィアです。

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まず、お店の作りがかっこいい。色使いを抑えてシンプルで洗練されたモダン・カリフォルニアなスタイルです。
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テーブルやセッティングもシンプル。木目を残したテーブルが温かみを感じさせます。

メニューは簡素。冷たい前菜、温かい前菜、メインが各5品ずつ。前菜は高いものでも15ドル程度、メインはだいたい30ドル台でこの手のレストランとしては抑え目の設定です。ワインプログラムも面白く、ハウスワイン、それも優良生産者とコラボしたものが数種類あり(確か10種類あると言っていました)、うち2、3種類がオンリストされています。この日の5番はサンタリタ・ヒルズのDomaine de La Coteのピノ。アーシーかつスパイシーなワインでした。
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料理はかなり薄味。ちょっと塩を足したいものもありましたが、総じてレベルは高いです。このサフランを練り込んだトンナレッリをトマトコンフィとパン粉で供したものはアメリカで食べたパスタの中ではトップクラス。
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ステーキは肉質と焼き具合は最高。少し塩を足すとちょうどいい塩梅に。
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この日は連休前日でテーブルは2回転以上、かつ10時頃まで完全に満席。厨房もサービスも一杯一杯な感じでさすがにちょっとキャパを超えていたようです。全体的な印象はかなりいいので、通常時期に再訪して真の実力を確かめてみたい気がします。




by taurasista | 2016-07-10 06:53 | レストラン(カリフォルニア)