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地球温暖化に伴い、新たなワイン産地として注目を集めつつあるのがイングランド南部。冷涼な気候に土壌が非常にシャンパーニュ地方と似ていることもあって、今の所最も成功しているのがスパークリングだが、そのトップランナーの一つがこのリッジビュー。創立されて20年、今では英国王室の宮廷晩餐会にも供されているという。エリザベス女王が習近平を招いた晩餐にもこちらのワインが出されたとのことだ。
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この日味わったのはスタンダードラインのBloomsbury。シャルドネがメインでピノ・ノワール、ピノ・ムニエとのブレンド。

甘さ抑え目でボディは決して大きくはないが、中身がしっかり詰まっていて、かつ端正な作り。有名シャンパーニュメーカーのNVクラスなら十分互角に戦えるだろう。ちなみにワイナリー直販価格は27ポンド。


by taurasista | 2016-05-24 08:54 | ワイン(その他)

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大英博物館近くのワインバー。ワインマニアには有名なお店だそうだ。新進気鋭の生産者から大御所まで網羅した素晴らしいワインリストは価格もとても良心的。料理もしっかりしていて、もしロンドンに住んでいれば間違いなくリピーターになるお店だろう。
ワインリストはこちらから。
http://noblerot.co.uk/wp-content/uploads/2015/11/FINAL.pdf

同じ経営でワイン雑誌も出ているので、そちらもご紹介。
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by taurasista | 2016-05-23 08:23 | レストラン(その他)

Amayaはハロッズ近くの古くからの高級住宅地ベルグラヴィアに2004年オープンしたモダン・インディアン。経営はロンドンの高級インド料理店として定評があるChutney MaryやVeeraswamyと同じMW Eat Group。以前から目をつけていたが、いつも予約が取れず、今回ようやく訪問することができた。
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ジャンル的にはモダン・インディアンだが、メニューはとても個性的でほぼ全てがグリル料理。お店の奥には巨大な焼き台が(たぶん)2つあって、それぞれ多くの料理人が張り付いている。メニューの構成は火が通る順番でFirst to Arrive、Mid Arrivals、そしてLater Arrivalsに料理が分けられていて、Later Arrivalsで30分が目安だとか。
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料理はどれも高水準。いろいろな種類のスパイスを用いながらも、味わいはとても優しい。火入れもばっちりだ。
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インド料理とは言えどそこはロンドンの一流店、ワインリストもかなり充実している。1本目は先に紹介したハミルトン・ラッセルのシャルドネ。2本目はシチリアのネレッロ・マスカレーゼとネロ・ダヴォラのブレンド Il Passo。これはひたすら濃くオーキーなワインだった。日本で2,000円以下のワインとしては十分なレベルだけど。
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サービスはしっかりツボを抑えていて、店内は暗いがメニューを見ているときは手元のライトをオンにしてくれたり、料理の置かれる部分は微妙に光量を調整してくれて料理がしっかり見えるようにするなど、細かい気配りも十分。総合的にかなりレベルが高いレストランだ。

やっぱり締めはビリヤニ。肉はチキン、トッピングはドライアプリコット。
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by taurasista | 2016-05-22 08:22 | レストラン(その他)

ロンドンは世界のワインの首都。旬のお店にいくつか行ってみて、ワイン文化の洗練度の高さと柔軟性を改めて強く感じた。どのお店も外れなしだったが、中でも印象が強く残ったのが今回紹介するワインバーのヴァガボンド。
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場所は中心部から少し離れたフルハム・ブロードウェイ。サッカーファンの方にはチェルシーの本拠地スタンフォード・ブリッジの近くと言うとイメージが湧きやすいかも。中心から離れていると言ってもハロッズからは車で10〜15分程度、また私にとってはかつて住んでいたフラットから徒歩圏内で馴染みがあるエリア。飲食も以前紹介した星付きガストロ・パブのハーウッド・アームズ The Harwood Armsやホールフーズ・マーケットなどがあって、結構充実している。

このヴァガボンドはワインショップ兼ワインバー。商品は種類こそ少ないが厳選されていて、その多くが試飲できる。有料だが試飲サイズ(30〜40mlぐらいかな)だと安いものは1ポンド未満、高いものでも3ポンド程度なので懐にも優しい。試飲ができるワインは50種類はあったと思う。
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これだけなら普通のお店だが、ここが優れているのはソフトの部分。ワインには詳しくかつ初心者にも分かりやすく書かれたカードが添えてあり、カードは持ち帰ることもできる。白はCrisp, Aromatic, Richの3種類、赤はElegant, Vibrant, Spicy, Boldの4種類に分類されていて、どういうワインなのかを感覚的に捉えやすい仕組みになっている。店員は気さくで親切、もちろんワインの知識もばっちりだ。
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ワインのセレクションは国を問わず満遍なく世界中から。ボーカステルのシャトーヌフのような有名銘柄もあったが、南ア、ポルトガル、アルゼンチンといった近年品質向上が目覚ましい産地のものも多かった。この3つの国を中心にテースティングしてみたが、どれも品質が高く、価格帯も特徴が異なるものが選ばれていて、バイヤーのレベルの高さは明らか。

訪れたのは週半ばの10時頃だったが、ほぼ満席。20代後半から40代前半ぐらいのセンスのいい人たちがハムやパテをつまみに談笑しながらワインを楽しんでいて、帰りがけにボトルを購入している姿が印象的だった。

敷居が低くて誰でも気軽に来られて、価格帯やタイプが異なるいろいろなワインを安価で試せて、気になるものはカードで詳しいことを確認できて、納得したら購入もできる、(おそらく)ワインは短いサイクルで変わって頻繁に来ても飽きないし、出しているもののクオリティは間違いないのでリピーターになる、という一連の流れをしっかりと構築できている点がこのお店が一番優れているところだろう。こういうお店はありそうでなくて、ロスでも東京でも全く思い浮かばない。

日本では規制の問題もあるのかもしれないが、小売店兼ワインバーは見かけないし、ショップもワインの知識がしっかりしているところはマニアックに偏りがちで一般消費者にはハードルが高く、カジュアルなところは買いやすいかもしれないがワインと店員の質が往々にして低く、種類が多いところはワインが玉石混交、バランスが取れたお店が極めて少ないように感じる。

条件全部を揃えるのは無理だとしても、せめて敷居の高さぐらいは何とかしたほうがいいと思うのだけれど。黒服でソムリエバッジを付けた威圧感ある店員が小売店に立っているなんてナンセンス極まりない。初心者のお客さんがおじけづかずに入れるよう、服装から考え直したほうがいいし、ソムリエの権威が販売に必要なのだとしたら、そんな権威主義がはびこってしまったことを呪うしかない。

ともかく、ワイン先進地ロンドンの市場を知る上で非常にいいサンプルだと思うので、ロンドンに行かれる方は一度覗いてみることを勧めます。




by taurasista | 2016-05-20 16:18 | レストラン(その他)

長年世界のラグビーを見続け、また以前仕事で多少関わりがあったこともあって、南アフリカの歴史や現状にはある程度通じているつもりだが、ワインについては限られた知識と経験しかない。今回のロンドン滞在で南アワインを勉強しようと思ったのもほんの気まぐれでしかないのだけれど、何本か試した限りその実力たるや相当のもの。若手の意欲ある生産者たちが出現し始めたのは2000年前後ということなので、15年という短い期間で世界の市場で戦えるワインを続々と生み出すようになったということになる。

南アのワインの歴史は古く、17世紀にこの地に入植したオランダ人に遡る。その後フランス人が進んだ醸造技術を持ち込んでかなり栄えた時期もあったようだが、19世紀にフィロキセラが到来、さらにボーア戦争によって南アのワイン産業は大きな打撃を受けた。さらに、致命的だったのがアパルトヘイト。主要輸出市場から締め出され、新技術や機器の導入も遅れた。機器だけではなく、南アのブドウの樹の多くはウイルスに感染していて15-20年で植え替えざるを得なかったが、海外から感染のない苗木を取り寄せることも容易ではなかったという。

アパルトヘイトが終焉を迎えた1991年以降、南アのワイン産業はようやく眠りから覚める。2000年以降多くの優れた若手生産者が現れるが、その口火を切ったのはイーベン・セイディ Eben Sadieということになるのだろう。彼が作るシラー主体のコルメッラ Columellaの初ヴィンテージ2000年がイギリスのメディアで話題になり、私もシラーのテイスティング・ディナー用に早速購入してみた。一緒に飲んだHill of GraceやJean Louis Chaveのエルミタージュにはさすがに及ばないまでも、十分なポテンシャルを感じたことを記憶している。

その後2003年頃からほぼイタリア専業になったこともあって、南アワインの経験はこの辺で途切れていて、ちゃんと飲むのは以来約12、3年振り。地理から復習してみた。地図はAntonio galloniのサイトから転載。
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南アのワイン産地はケープタウン付近に集中している。最も伝統があるエリアはステレンボッシュ Stellenboschやコンスタンシア Constantiaだが、新進の勢いがあるワイナリーがあるのはスワートランド Swartlandとウォーカー・ベイ Walker Bay。前者は南フランス品種、後者はブルゴーニュ品種がメインで、このハミルトン・ラッセルは後者に当たる。
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シャルドネと同様、極めて旧世界的な佇まいのこのピノ。一緒に食事したブルゴーニュ愛好家の方がシャンボール辺りの優れた1級に似ていると評していたが、それもよく分かる。エレガントでシルキーでジューシー。よくできたワインだ。今飲んで文句なく旨く、熟成能力も十分ありそう。南アのワインは通貨の問題もあるのか、まだまだ安い。今がお買い時かも。

by taurasista | 2016-05-09 14:08 | ワイン(南アフリカ)

所用でしばらくロンドンに滞在。ロンドンのワイン文化は世界で一番進んでいて、世界中のワイン、それも最先端のものが手に入る。レストランのワインリストも世界各地を網羅していることが多く、眺めているだけで楽しくなってしまう。今回の滞在ではロサンゼルスでは入手できるものが限定されている南アフリカにテーマを絞ってみた。

ハミルトン・ラッセルは1975年創立。ケープタウンの南東120kmのヘメル・エン・アアド・ヴァレーに位置している。南アのワイン産地で最も緯度が高いエリアで、非常に冷涼な気候を生かしたシャルドネとピノ・ノワールが主力品種。名前は以前から知っていたが実際に飲むのはこれが初めてだ。
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印象は極めて旧世界的。香りは穏やかで抑制が効いているが、黄桃、柑橘類、アーモンド、白い花、蜂蜜などなど多くの要素が感じられ、かなりレベルが高いワインの予感がする。味わいは香りから予測される通りで、果実味に程よく抑えが効いた柔らかなアタックから長いアフターまで、エレガントでスタイリッシュな味わいが切れ目なく持続する。素直に美味しいワインで世界のトップレベルと伍して戦える力を十分に持っている。南アワインのレベルの高さを知る上で格好のサンプルと言ってもいいだろう。

by taurasista | 2016-05-06 17:10 | ワイン(南アフリカ)