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すっかり観光地化されて、札束がギラギラ街を飛び交う光景が容易に目に浮かぶナパとは違って、ソノマ地区には田舎の素朴さがまだまだ残っている。体に馴染んだイタリアやフランスのワイン産地と近い雰囲気があって個人的にはナパよりもずっと居心地が良く感じる。最近の訪問で宿泊したのはワイン生産地の中心地の一つでもあるセバストポル Sebastopol。かつてのロシア領アラスカから南下してきたロシア系の人々が祖国の黒海に面した軍港セバストポリの名を付けたのがその名前の由来だそうだ。
小さな町だが、ホールフーズもあれば、The Barlowという優れたレストラン、フードショップ、テースティングルームが並ぶ一角もあり、手近でなんでも揃うので非常に便利(特にVillage Bakeryというパン屋さんは秀逸)。近隣の町やワイナリー訪問にも足の便が良く、今後の宿泊地として定番にするつもり。

ウィンド・ギャップはBarlowにテースティングルームを構える2006年創立のワイナリー。オーナー/ワインメーカーのパックス・マーリ Pax Mahleの名前を有名にしたのはその名を冠したワイナリーPaxのシラー。パーカー高得点の触れ込みで、私も2000年代の初めに数回飲んだ記憶があるが、全く馴染めなかった。濃厚で甘くアルコールが強く、グラス1杯でお腹いっぱいになる、典型的なコーラ味で"Big Flavor"なワイン。そんなワインを作っていた彼がその10年後に極めて旧世界なスタイルのワインを作っているという事実が、アメリカで起きている大きな味覚の変化を明確に物語る。
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テースティングルームはカリフォルニアらしいセミオープンエア。どんどん人がやってきて非常に活気がある。ワインはどれも非常にエレガント。決してスーパーなワインではないけれど、生き生きとしていて食事と一緒に楽しめ、そして飲み飽きない。かつての彼のワインとは対極のスタイルだ。数種類を試飲したが、中でも気に入ったのがグルナッシュ。
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アンダーソン・ヴァレーの樹齢約100年の古木から作られたこのワイン、発酵と熟成には卵形のコンクリートタンクを使用(発酵は一部カーボニック・マセラシオン)。赤いフレッシュな果実が香る軽やかでアロマティックなワイン。ボディは軽めだが深みも十分にあり、ややスパイシーな余韻が清涼感を増幅させる。暑い日に軽く冷やして飲むもよし、また魚も含め食事とも広く合わせられる万能なワイン。ちなみにこちらのピノやシラーは日本に輸出されているが、このグルナッシュはまだのようだ。


by taurasista | 2015-09-13 04:31 | ワイン(カリフォルニア)