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The Wine Houseで行われたインポーター Kermit Lynchの試飲会にて。
Kermit Lynchはサンフランシスコ郊外のバークレーが拠点のインポーター。良質のフランス・イタリアワインのインポーターとして西海岸ではパイオニア的な存在で、そのポートフォリオはなかなか素晴らしく、Coche-Dury, Méo-Camuzet, Vieux Télégrapheといった超一流の生産者が並んでいる。リンチ氏の著書"Adventures on the Wine Route"はワイン本の古典として定評があり、私の友人の一人もこの本を読んでワインビジネスを志したと言っていた程。かくもワイン業界や愛好家に大きな影響を与えてきたインポーターである。

この日はイタリアワインに限った試飲会だったが、開催1週間前にアップされたラインアップにはKante, Manni Nössing, Peter Dipoli, Quintarelli, Salvioni, Poggio di Sottoなどが。これが飲み放題なら45ドルは超お得なので、即チケット購入。
Wine Houseの試飲会はワインの量はふんだんで、更にイタリアの会は一部のマニアックな人たちが大半であまり混雑しないこともあり、結果としてどんなワインも飲み放題になるのが素晴らしい。この日もクインタレッリのアマローネを除いてはどのワインも好きなだけ味わうことができた。(同行した現地の友人によるとアメリカ人はラベルが読めないワインは有名銘柄を除くと基本的に関心がないのだそうだ。)
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イタリアらしいアロマティックな白もいいが、やはり最後はブルネッロに吸い寄せられてしまった。SalvioniとPoggio di Sottoが飲み放題とはなんて素晴らしい企画だろう!Poggio di Sottoは本当に隙がないワイン。スタイルは研ぎ澄まされて贅肉がなく焦点がびっしと定まった誰が飲んでもその質の高さが分かるもの。ロッソ(2009年)とブルネッロ(2008年)は非常に似ていて、目立った違いはボディの大きさ位。これと比較するとSalvioni(ブルネッロ2005年)は荒々しい。ごつごつした黒い果実、強いミネラル。酸もまだまだ暴力的に強く、Poggio di Sottoのようなとっつきやすさはない。しかしながら、両者を繰り返し飲むとSalvioniの凄味が徐々に見えてきた。まだ完成されてはいないが、既に要素が出切った感があるPoggio di Sottoとは違って、「得体が知れない」深みをまだまだ残していて、熟成の期待感を抱かせる。品質的には甲乙つけがたいが、個人的な好みとしてはSalvioniに一票。

by taurasista | 2015-08-23 02:38 | ワイン(イタリア)

サンタモニカは最近いいお店が立て続けに開店しているが、このカッシアもそのうちの1軒。サンタモニカで優良店ばかり数軒を運営するラスティック・キャニオン グループの一員だ。お店は1930年代に建てられたアールデコのビルの1階。ビルを入った右側がカッシア、左側がこれも同グループのワインバー Ester。どちらも路面に面してテラス席が十分に配されている。
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記事によると料理はフレンチと東南アジアのフュージョンとのことだったが、高級東南アジア料理というのが正確だろう。甘いものは甘く、辛いものは辛く、原型にかなり忠実な料理になっている。どの皿もレベルが高く、非常にいい印象を持った。

<ホタテのシリアル>
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軽く火入れされたホタテがカレー、チリ、ヘーゼルナッツなどで甘辛く仕立てられたシリアルに隠れている。
フルボディでほのかに甘みがあるヴィオニエとルーサンヌのブレンドとの相性は抜群。

<エビ入りワンタン>
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これはかなりスパイシーな料理。ワンタンの火通しも良く、辛いながらも素材の味わいがしっかり感じられる。

<ラクサ>
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これもしっかりスパイシー。このままシンガポールのレストランで出てきても違和感がない仕上がり。

6時半には既に満席状態。まだ開店2ヶ月だが早くも人気店の仲間入りをしたようだ。ロスにアジア料理は数あれど、現地の味をきっちり再現、かつ雰囲気も良い、というこれまでなかったジャンルのお店なので、今後も定期的に通うことになりそうだ。


by taurasista | 2015-08-17 08:56 | レストラン(カリフォルニア)

プリニー・ジ・エルダー。世界史に通じた人ならすぐに分かると思うが、「博物誌」で有名なローマ時代の自然学者大プリニウスである。彼の名を冠したクラフトビールがロシアンリヴァーの町サンタローザで作られている。
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このビールを知ったのはSteven Tanzerのサイト。ワインのサイトだが渡米前にフォーラムでロスのレストラン情報を調べていたときに寄稿者の一人Josh Reynoldsがこのビールに触れていた。名前が印象的なこともあって以来探していたのだが、どんなお店でも全く見かけることがない。唯一ニアミスしたのがいつも行くWhole FoodsのEl Segundo店でのイベント。前日に店頭で「Pliny The Elderを探せ!」というイベントの小さな告知をたまたま見つけた。ビールコーナーに隠したボトルを見つけろ、なるシンプルというかイベントとも呼べないようなものだが、それぐらいこのビールを買いたい人たちがいるということか。ダメモトで翌日時間通りに行ってみると、このイベントに来たらしき人々が約10名、ビール売り場の棚を目を皿にして眺めているが、どうやら既にお宝は全て発掘されてしまった模様。その中で無事に1本確保したらしきお兄ちゃんにGood luckと声をかけられつつすごすご帰宅したのが去年の春。そのリベンジの機会が思いがけず訪れた。

今回宿泊したセバストポルの一角にThe Barlowというレストラン、ショップ、地元のワイン生産者のテースティングルームが並ぶ心地よい空間がある。その一軒Zazu Kitchenのメニューにこのビールを発見。即オーダー。地元のせいか超レア物の割には値段が安く、確か9ドル。

オレンジピール、シトラスの香り。ビールの種類としてはダブルIPA。ダブルIPAには甘みが強いものも多いが、こちらは意外に軽やか。しっかりとした苦味があるが、それも適度でひつこさが全然ない。アフターもビールとしては非常に長い気がする。飲み心地に秀でたかなりレベルの高いビールとの印象。機会があればまた是非試してみたい。




by taurasista | 2015-08-17 04:11 | ワイン(カリフォルニア)

ナパと比べるとまだまだ観光地化が進んでいないソノマ。ナパのヨントヴィルのような高級レストランがずらっと並ぶわかりやすい町は存在しないが、前回紹介したWilli's Wine Barのようなこじんまりとしてアットホームで居心地がいい店が所々に点在している。このテラピン・クリーク・カフェはその一つ。ソノマ地区でミシュランの星を持つ数少ないレストランの一つでもある。場所はサンフランシスコから太平洋沿いに約1時間半北上したボデガ・ベイ Bodaga Bay。サンフランシスコ市内のMichael MInaやAmeなどハイエンドのレストランでの経験を持つオーナーシェフ夫妻がカフェを買い取って開店したのが2008年、2011年以来一つ星を維持している。

レストラン付近の海は南カリフォルニアとは異なって北ヨーロッパの海岸と似た雰囲気。8月の初めだったが光は既に秋の気配。
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漁港の外れの小さな質素な建物の一角という、おおよそ星付きからは想像ができないロケーション。インテリアも至って簡素で店名通りカフェ的だ。
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一方で供される料理はこの立地とインテリアとはミスマッチと言ってもいいぐらい、レベルが高いもの。決して凝った料理ではなく、いい素材をあまり手を加えずにストレートに出すカリフォルニアらしいものだが、調理にハイレベルの技術を感じる。

<イエローコーンスープ>
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濃厚な甘みのコーンのピュレにハラペニョでほのかな辛みのアクセントを加えたもの。そのバランスが素晴らしい。

<メイン産ホタテのロースト>
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菊芋のピュレにこの地方の名産りんご、ルッコラ、椎茸。至って普通の料理に見えるが、調理、素材の組み合わせともに満点の出来。

<サーモン>
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サーモンの火入れの素晴らしさが印象的。表面を焼いた後に蒸したのだと思うが、ジューシーかつ味わいが凝縮している。味わいは中華料理的。五香粉を使っている気がする。オーナーシェフ夫妻は中国系なのでそこにこの料理のルーツがあるのかも。

ワインリストは簡素で手頃な価格帯のものを注意深く選んでいるとの印象。選択肢は十分にあるが、料理のレベルを考えると手持ちのいいワインを持ち込んでみたいところ。

ナパやロスでは感じることができないローカル感、気取りのなさも大変心地よくて、ここは再訪すること間違いなし。

by taurasista | 2015-08-16 04:00 | レストラン(カリフォルニア)

メーリングリストに加入して年2回キスラーを購入するようになったのが確か2003年の初め。以来コンスタントにお付き合いを続けているが、最近のヴィンテージの白の出来の良さには飲む度に感銘を受けている。当初のオーキーかつ果実味に溢れてリッチなカリフォルニアのシャルドネの象徴という印象はすっかり薄れて、焦点がびしっと定まってエレガント、いつ飲んでも美味しい最高のシャルドネ、いや白ワインの代表的存在、というのが私の中でのキスラーのポジショニング。

普通にワイナリーを訪問、試飲ができるヨーロッパとは違い、カリフォルニアでは試飲は訪問客用の施設に限られている場合がほとんど。キスラーは長らく設備を持たず一般客の受け入れを行っていなかったが、最近(確か3、4年前)に単一畑トレントン・ロードハウスTrenton Roadhouseに隣接した施設がオープン、試飲が可能になった。以来いつかは行かねばと思っていたが、今回ようやくそれが実現した。

試飲施設はTrenton Roadhouseという名前の通り道路沿いの美しくリノベーションされた一軒家。インテリアはグレーが基調でセンス良く、とても居心地が良い。上にも書いたように隣接する畑が2009年ヴィンテージから単一畑シリーズに加わったトレントン・ロードハウス。まずはそのツアーからスタート。
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現在10種類の単一畑シャルドネをリリースするキスラーだが、醸造方法やクローンは全て同じで違いは畑のみ。樽発酵、熟成は50%新樽バリック、残りは1-2回使用済のもの。天然酵母のみを使って、濾過、清澄は行わない、が基本フォーマット。畑の個性の表現を重んじるオールドワールド的なアプローチ。畑作業も徹底していて、各畝に作業責任者を割り当ててブドウの状態が常時把握できるようにしているとのこと。作業者も長年キスラーのために働いている人たち。最高のブドウを作るために細心のケアを払っていることが良く分かる。イールドも大体どの畑も同じぐらいで30-40hl/ha。
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今年はブドウの生育が非常に早く、8月中旬に収穫を開始する見込みとのこと。早飲みのヴィンテージになる可能性が高いようだ。
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この辺りの土壌はゴールドリッジと呼ばれ、海底の堆積物、火山灰、粘土質を含む砂質という珍しいもので、ピノとシャルドネの栽培に非常に適しているという。キスラーではシャルドネはTrenton Roadhouseに加えてVine Hill、Dutton Ranchの3つ、ピノはKistler VineyardとCuvee Natalieの2つがこの土壌から生み出される。残りも含めた畑のロケーションは以下のとおり。
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面白いのは白のKistler Vineyardの位置だ。ナパとソノマを隔てるマヤカマ山の西側の尾根、標高約500mに位置し土壌は火山性の赤土。通常はカベルネを植える土地で敢えてシャルドネ作りを始めたのが約30年前という。なお、最もレアなキュヴェでキスラー氏の奥様の名前を冠したCuvee Cathleenはこの畑の特定の区画から作られる(バレルセレクションではない)。

試飲は4種類。
1. 2012 Trenton Roadhouse Chardonnay Sonoma Coast
ヘーゼルナッツ、オレンジの皮、パイナップルの力強い香り。フルボディで非常に凝縮している。
パワフルでカリフォルニアだとわかりやすいスタイル。

2. 2012 McCrea Vineyard Chardonnay Sonoma Mountain
レモン、白い花。ミネラリーでデリケートなスタイル。1.に比べると酸を強く感じるが神経質さはない。

3. 2012 Kistler Vineyard Chardonnay Sonoma Mountain
出だしは前の2種類よりも閉じている。ごつごつしたミネラルを感じ、ボディは非常に大きい。時間とともに白い花、白桃、レモンといった要素が現れる。味わいはミネラリーで塩っぽい。アフターは長大。非常に大きな可能性を感じる。もう少し熟成させたい。

4. Cuvee Natalie Pinot Noir Sonoma Coast
まだ非常に若くて要素が全然出ていない感じだが、凝縮感とジューシーな質感は素晴らしい。
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試飲後はテラスでのんびり。池の手前には醸造設備を建設中。Trenton Roadhouseのブドウは将来この施設で醸造する予定とのこと。ワイン、施設、ホスピタリティ、どれを取っても超一流でワイン愛好家なら絶対に訪問の価値があると思う。




by taurasista | 2015-08-10 06:26 | ワイン(カリフォルニア)

週末+1日休みを取ってソノマへショートトリップ。頑張れば十分車で行ける距離だが、期限が切れるマイレージがあったので今回はサンフランシスコまで飛んでレンタカー。
最初のランチはウィリーズ・ワインバー。Santa Rosaの町外れの街道沿いにぽつんとある一軒家で一見ただのロードサイド・レストランだが、近隣の一流ワイナリーでお気に入りのお店を尋ねると必ず名前が挙がる名店である。パリにある同名の有名ワインバーとの関係は定かではないが、店内にはパリのお店のポスターが何種類もあったので無関係ではないのだろう。
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このお店が素晴らしさはまずワインリストとそのサービス方法。オンリストされているのは小規模高品質の作り手がほとんどで、中心はカリフォルニアだがその他のエリアからも満遍なく選ばれ、品種も多様。さらに、どのワインもサイズを60cc, 150cc, ハーフボトル、フルボトルから選べる、という色々な種類を試してみたいワイン好きに取っては最高のシステムだ。初めて見かけたこのピノ、森の下草、ブラックチェリー、ヴァニラの香りに柔らかい酒質を持つなかなかハイレベルのワインだった。
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もちろん料理の質も高い。この日のベストは帆立のラヴィオリ パンチェッタとシェリーヴィネガーバター仕上げ。ソースの味は強めだが素材自体の味わいもしっかり生きていて、また茹で具合も完璧。
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我々の滞在中ひっきりなしにゲストがやってきてお店は大盛況。その理由がよく分かるハイレベルのレストラン。


by taurasista | 2015-08-09 14:51 | レストラン(カリフォルニア)

蜀郷香、「シュウシャンシャン」と読む。開店以来友人達が通う四川料理の名店だ。久しぶりに訪問したがやはりそのクオリティは素晴らしいの一言。現在はコース料理のみを供するスタイルだが、最初から最後まで全く外れなし。中でも白眉は汁なし担々麺。食べる前に最低30回器の中身をかき混ぜるのがお約束。立ち上る花山椒、胡椒、胡麻など複雑な香りに食欲を刺激され、続いてスパイシーながら優しさも感じる洗練された味わいに圧倒される。これを食べるために帰国の度に通うことになりそうだ。
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by taurasista | 2015-08-09 03:49 | レストラン(日本)