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(一応)大都会のロサンゼルス。生産者を迎えての試飲会も頻繁に行われている。行きつけのワインショップ The Wine Houseでも定期的に開催されているが、今回顔を出してみたのはトスカーナ・ボルゲリのレ・マッキオーレ Le Macchiole。

カンティーナの歴史や哲学は日本の輸入元モトックスのサイトに詳しく書かれているのでそちらをご覧いただくとして(https://www.mottox.co.jp/winery/publish/html/180.html)、この日はCinziaさんが来訪。会は至ってカジュアルで、ショップの一角にスタンドを設けての立ち飲みスタイル。仲間内で話している人、熱心にCinziaさんと話す人、皆それぞれのスタイルで楽しんでいる。年齢層は相当に高めで50歳以上が過半数。ボルドーのイベントだと若い人も多いのだが、イタリアワインはまだまだ間口が狭いのだろうか。
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マッキオーレのワインを飲むようになって15年以上たつ。以前はフルーツもタンニンもどっしりした強くやんちゃワインというイメージだったが、今回全種類を試飲してみて、スタイルが研ぎ澄まされ、洗練されたとの感を持った。中でもパレオ・ロッソ Paleo Rosso 2010年(カベルネ・フラン100%)は印象的だった。まず香りの高さ。赤いフルーツ、花、スパイスにヴァニラのニュアンス。これらの要素が一体となってグラスから立ち上る。非常に凝縮した味わいだが、全く重々しさはない。フルーツ、タンニン、酸、それぞれが質量とも豊富でかつバランス良くあるべき所に配置されている。長く美しく伸びるアフター。全く非の打ち所がない素晴らしいワインである。もちろんメッソリオ Messorio 2010年(メルロー100%)もいいのだけれど、パレオには半歩及ばない。
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シラー100%のスクリオ Scrioはパレオ、メッソリオに比べて複雑さでやや劣る気がするが、一番安価なボルゲリ・ロッソも相変わらずお値打ちだし、本当にレベルが高いカンティーナである。どのワインもついつい何度もおかわりしてしまった。


by taurasista | 2015-01-25 04:06 | ワイン(イタリア)

カリフォルニア・ピノの名門ウィリアムズ・セリエムWilliams-Selyemでcellar rat(*)として働いていた3人が意気投合して2004年に共同で始めたワイナリー。収量を下げ、遅摘みして糖度を上げたブドウを用いて強さと甘さを出す典型的なプレミアムワインのスタイルではなく、バランスの取れた味わいを通じてテロワールの個性を表現することを目指すカリフォルニアの新世代生産者グループの一員である。この手の生産者のワインを最近色々試しているが、ワインのレベルにはばらつきがあるように感じる。割と多いのがアタックはソフトで悪くないが、その後のミッドパレットとアフターに力がなく、すっと味わいが消えていってしまうパターン。新しい生産者が大半でまだまだ試行錯誤中だと思うので、現時点で厳しい評価をするのは適切ではないが、出来と価格が評判に見合わないワインに出会うことも少なくない。

(*)一日中セラーでネズミのように忙しく働き太陽を見る時間もないワイナリー労働者のことをアメリカではこう呼ぶとのこと。面白い表現なので使ってみた。

その中でこのアントヒルズ・ファームズのワインは非常にいいと思った。Sonoma Coastの複数の畑のブレンド。赤系のフルーツにかすかにミントが混じる香り。比較的フルーツが前に出ているスタイルだが、アタックは決して重くなく、そのままきれいにアフターまで伸びていく。ミディアムボディ、丸くよく熟したタンニン。酸はたっぷりあるが尖った神経質な感じはない。バランスが取れていて、かつ親しみやすい優れたワイン。価格帯が上の単一畑のワインもあるので、近々そちらも試してみたい。

日本にも少量輸入されているようなので、ご興味のある方はぜひ試しを。インポーターさんの頑張りのおかげか、日本での値段は相当良心的。カリフォルニアで購入するのと大差ない。
http://www.anthillfarms.com/
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by taurasista | 2015-01-20 04:47 | ワイン(カリフォルニア)

一応大都会のロスアンゼルス。ワインショップも数多くあるが、個性的なお店は多くはない。その中で今回紹介するDomaine LAはちょっと毛色が異なるお店。ロスではまださほど一般的ではない「自然派」ワインを中心に小規模な生産者のワインを中心に扱っている。自宅から少し距離があるのでなかなか機会がなかったが、facebookでソノマの新鋭生産者Arnot-Robertsの試飲会があることを知ったのを機に初の訪問。
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味も素っ気もない超シンプルな内装、スペースも小さくて取り扱うワインの種類も限られているが、丁寧なセレクション。イタリアはバルトロ・マスカレッロBartolo Mascarello、ジロラモ・ルッソGirolamo Russo、パオロ・ベアPaolo Bea、オッキピンティOcchipintiといったラインアップと言えばどういうコンセプトのお店かイメージが湧くだろう。カリフォルニアは最近勢力を増してきた強さよりもバランスを重んじる新しい生産者のワインが大半で有名銘柄はほとんど見当たらない。

さてArnot-Roberts、一般的な強くて甘いカリフォルニアとは対極でアルコールは低くて無愛想といってもいいぐらい作りはタイト。正直、もう少し果実味があってもよいのでは、と思う。お店で出されたBestiaのハムとの相性はよく、食事と一緒の方が生きるワインだが、価格的には同じタイプのイタリアワインの2倍で費用対効果に欠ける。同じ指向の生産者のワインを最近意識して試すようにしているが、総じて白の方がレベルが高い。この日のワインもシャルドネが一番良かった。全体的には多少厳しめの評価をせざるを得ないが、やりたいことはよく分かるし、この手のワインはまだ歴史が浅いので、今後どういう発展を遂げるのかフォローしていきたい。


by taurasista | 2015-01-19 11:48 | レストラン(カリフォルニア)

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週末の自宅飲みに選んだのはランポッラのキャンティ・クラシコ。2004年以来トスカーナには行っていないこともあって訪問したことはないけれど、Rampollaは最も好きな作り手の一人。キャンティ地区の中心パンツァーノPanzanoに位置しながら、彼らを有名にしたのはカベルネ主体のスーパートスカーナ(今や死語となりつつあるような気もするが)のサンマルコSammarco。やや細身、タイトでアーシー、独特の個性を持つワインで出来のいい年のものは本当に素晴らしい。85年や90年の印象は飲んでから5年以上経過した今でも鮮明である。

最近のヴィンテージは分からないが、キャンティもカベルネのニュアンスが強い。雨が多く晩熟のサンジョヴェーゼにとって難しい年だった2002年などは、これでDOCGに認められたのが不思議なほど香りも味わいもほとんどカベルネだった。この1995年もやはりカベルネを強く感じる。果実は赤系ではなく黒。香りにもスギや鉛筆の芯といったカベルネの要素が目立つ。ミディアムボディでスパイシー。甘さかなり控えめの硬派なスタイルだが、果実、タンニンともいい感じでこなれていて、どんどん飲み進んでしまう。もう少し若く果実が正面に出ている時期の方が個人的には好みだが、非常にいい状態だった。やはりいい作り手である。

by taurasista | 2015-01-18 04:48 | ワイン(イタリア)

英語圏のワイン記事、ワイン本でも「自然派ワイン」Vin Natureを目にすることが増えてきた。「自然派」ワインのスタイルは様々で一括りにはできないが、スキンコンタクトした白の多くが「自然派」生産者の手になるものであることは間違いない。ワインが生まれて数千年、かつて白ワインはこうだったという話もあるが、現代のワインの世界にこのスタイルを知らしめたのはJosko GravnerやRadikonに代表されるフリウリのコッリオCollio地区の生産者。私がこの手のワインを飲み始めた2000年代の初めにはその存在は超マイナーで、知らない人に飲ませるとぎょっとされたものだが、今やイタリアだけでなく世界各地に広がっていて、英語でも「オレンジワイン」なるカテゴリーが確立されつつある。(因みに、仲間内では「変態白ワイン」と呼んでいて、「変態ワインの会」なんぞを開催していたのが今となっては懐かしい。)

カリフォルニアもその例外にあらず。その全員が「自然派」かどうかはさておき、新しい小規模の生産者の間でオレンジワインを試す人たちが徐々に増えてきているようだ。先日アリアニコを紹介したGiornataもアンフォラ熟成のピノグリージョを作っているが(未試飲)、今回試してみたのはThe Scholium ProjectのThe Prince In The Cave 2013。
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The Scholium ProjectはKongsgaard等で修行したAbe Schoenerの個人プロジェクト。今読んでいるカリフォルニアの新世代生産者に焦点を当てた"The New California Wine"(Jon Bonné)でも大きく取り上げられていて、カリフォルニアで最も非伝統的かつ実験的な生産者と言われている。このワインはソーヴィニオン・ブラン100%。香りはこの手の白に特徴的なオレンジピール、ミント、白い花など構成要素が多く魅力的。一方で味わいは鋭い酸が突出気味で神経質、正直飲みやすいとは言えない。3日に渡って少しずつ飲んだが、時間が経過してもやや硬さが取れた以外には大きく印象は変わらなかった。Radikonのワインは時折飲み手に優しくないと感じることがあるが、それとこのワインの印象は似ている。恐らく作り方も含めヴィンテージによって出来や特徴が大きく違うワインなので、これだけで判断するのは避けたいが、まだ成果の出ていない実験中のワインという感を受けた。この作り手、自宅近所のLincoln Fine Wineが別のワインもストックしていた記憶があるので近々試してみるつもり。

http://scholiumwines.com/

by taurasista | 2015-01-04 04:41 | ワイン(カリフォルニア)