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この記事のタイトルは本当に迷った。「至高の」とか「究極の」ではちょっと厭味な感じも与えかねないし、「イタリア古酒会」ではこの素晴らしいラインアップの1%も伝わらない。10分考えた結果が「こんなワインを!」なのだが、これも今一つだなぁ。。。。

前置きはこれぐらいにして、料理とワインを紹介していきます。

Franciacorta Brut Cuvée Decennale 1996 (Ca'del Bosco)
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Ca'del Boscoの通常のトップ・キュヴェはAnnamaria Clementiだが、最良年の96年に初めてリリースされたその上位に来るスペシャル・キュヴェがこのCuvée Decennale。瓶熟期間が8年以上と非常に長いのが目を引く。柑橘類、トースティーさが要素のピュアな香り。味わいはフレッシュで柔らかい。ボディはかなりしっかり目。全体的に開放感があり、ヴィンテージ・シャンパーニュとはやはり違う。

こちらにはお口取りの「イタリア産グリーンピースとモルタデッラのスフォルマート」
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Thea di Maggio 1992 (Montevertine)
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このワインは初めて見た。Montevertineが1992年だけ作ったサンジョヴェーゼから作った白の貴腐ワイン。バックラベルには「40日間の雨の後、11月に収穫した」と書いてある。色合いはゴールド。まず取った香りはヨード。そしてマディラ香、ヘーゼルナッツ。香りからはひねくれたワインを想像したが、味わいは意外にストレート。甘みはそれほど強くない。食事と合わせるとますます魅力が増す。マルメラータの甘みとのアッビナメントは素晴らしい。

合わせた料理は「うさぎのテリーヌ 赤玉葱のマルメラータ」
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続いて3本目。
Langhe Chardonnay Bussiador 1998 (Aldo Conterno)
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このワインは流通量が少ないので知名度は低いが、一部では「イタリアのモンラッシェ」と呼ばれる。香りは非常に強く、華やか。パイナップルやヴァニラが基調。味わいも非常に凝縮感がある。12年たってもまだまだフレッシュさがあり、更に熟成が可能だと思われる。本家のモンラッシェとの比較はさておき、これはこれで素晴らしいシャルドネ。

料理は「かぼちゃのラヴィオリ リコッタアフミカータ」
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(その2に続く)
by taurasista | 2011-03-30 22:46 | ワイン(イタリア)

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ガンベロロッソ2011年版で初のトレ・ビッキエーリを取った新進気鋭の生産者。香りはシトラス、パイナップルにこの地のワインらしい強固なミネラル感がある。味わいはフィアーノらしい強い酸と豊かな果実味がよく調和していて、果実の熟度由来と思われる甘みも感じる。余韻も長い。切れとコクのある優れたワインだ。かなり気に入った。
by taurasista | 2011-03-27 18:52 | ワイン(イタリア)

続きです。
Trebbiano d'Abruzzo 2001 (Emidio Pepe)
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色はゴールドで香りに若干酸化のニュアンス。イタリア変態系は間違いない。案の定Pepeだった。坂田さんがPepeからもらったというアブドーラ・ザ・ブッチャーの凶器シューズのようにくるくる曲がった不思議なデカンタから注がれた。非常に強固なミネラル。味わいは落ち着いていて、変態度はほどほど。この手のワインに慣れていない人でも十分楽しめるだろう。

Chianti Classico Riserva 2003 (Tenuta Villa Rosa)
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2003年という暑い年のせいか、若干ジャミーさを感じる。キャンティならもう少しシャープな酸があってもいいかな。。。

料理は前菜からセコンドまでどれも安定して美味い。この日一番のお気に入りは子牛のカツレツ。
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そして最後に登場したのはChinaのリキュール。バローロに漬け込んだバローロ・キナートではない。意外に味わいはまろやかで、トリノの郷土デザートのビチェリンをアレンジしたドルチェによく合う。
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何かと落ち着かない状況だが、それを束の間忘れさせてくれた素晴らしい食事だった。
by taurasista | 2011-03-22 22:15 | レストラン(日本)

原発問題で気持ちは全く落ち着かないが、こういう時に仕事以外で自分にできることは募金と相次ぐキャンセルで危機に瀕している飲食店のサポートだ。とはいえ、帰宅時の交通手段はやはり心配なので、まずは歩いて帰宅できるラ・バリックへ。少し遅れそうだったので予約時間の少し前に電話した際、お店の方が「キャンセルか」とびくっとされたのがわかった。それぐらいドタキャンが多いのだろう。


Blanc de Morgex et de La Salle 2009 (Cave du Vin Blanc de Morgex)
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アオスタ州の透明感ある白。柑橘類でミネラリーな香り。味わいは最初頼りないが、口の中で広がりを見せる。案外温かみのある味わいで余韻もなかなか。

Alto Adige Valle Isarco Veltliner 2009 (Manni Nössing)
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昨年11月に訪問し、大変感銘を受けた生産者。初めて日本に輸出した、と言っていたが、早速こちらでお目にかかることに。印象は現地で飲んだ時と変わりなし。オイリーで膨らみがあり、旨味が非常に多い味わい。アフターは非常に長く、相当レベルの高いワイン。

Barbera d'Asti La Bogliona 2004 (Scarpa)
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Scarpaは古いボトルで名前を見たことがあるだけの作り手だが、このワインは結構良い。熟成のおかげか、酸が軟らかく、フルーツも上質。安心して飲み続けられるワイン。






ps 3/11以降、親交のあるイタリアの生産者から多くの励ましのメッセージをもらった。本当に嬉しい限りである。
by taurasista | 2011-03-21 18:47 | レストラン(日本)

翌日のヴェネトは晴れ。雪が心配だったのでアルト・アディジェにメールで確認するとすぐに返事が。"Bellissimo tempo!"。早速荷物を積み込み出発だ。ヴェローナからA22をオーストリアに向けて走るにつれ、更に天気は良くなり、雲ひとつない快晴に。高速はアディジェ川が作る渓谷沿いに作られているが、先に雪山が見え、高速を包む山々が灰色のごつごつした固まりになってくると、そこはトレンティーノ。そこから1時間もすればアルト・アディジェに入る。ここではドイツ語が第一言語(イタリア語も公用語だが)。看板や道路標識は全て2ヶ国語併記である。民族的に金髪で長身の人たちが多くなるが、ドイツのようなごつい感じはしない。イタリア屈指の生活水準が高いエリアでもあり、身なりのいい人が多く、食事のレベルも高い。時間には非常に正確。ドイツとイタリアのいい所をとったようなエリア、とも言えるだろう。
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ストラッセルホフのオーナーのハネス・バウムガルトナーHannes Baumgartnerとはカンティーナ近くのノヴァチェッラ修道院Abbazia di Novacellaで待ち合わせることにした。予定よりも早く着いたので、近くのブレッサノネBressanoneのカフェレストランでタイ料理(!)を食べ(スキーシーズン直前のこの時期、このエリアのレストランはクローズしているところも多い)、修道院を散策してハネスを待つ。
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ハネスと会うのは2006年の5月以来。ワインが最近非常に高い評価を受けているせいか、自信に充ち溢れた感じがする。カンティーナには修道院から約5分で到着。
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ストラッセルホフは11世紀から続くこの地で最も歴史ある農園の一つ。以前はノヴァチェッラ修道院にブドウを売っていたが、ハネスが父親を説得して2003年ヴィンテージからボトリングを開始した。畑は5haを所有。標高は700mと非常に高く、イタリア最北端の産地であるイザルコ渓谷Valle Isarcoの中でも最も北に位置している。これだけだと非常に冷涼な気候を想像するが、彼の畑は非常に日照条件が良く(夏場には13-14時間日照時間があるという)、非常に果実味が豊かな味わいのワインが作れる環境にある。土壌は石灰質と砂が混じったもの。
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日が落ちて零下の世界になる前に一通り畑を見てから最近新築したカンティーナで2010年ヴィンテージをタンクor樽から試飲。2010年は香りが高くフレッシュなヴィンテージで、非常に期待が持てるという。ほとんどのワインがまだ発酵中だったのでテースティングノートは差し控えるが、ワイン作りはまだいろいろ試しているところ、ということで、2009年はシルヴァーナに使った大樽を2010年はフェルトリナーに用いている。それ以外は全てステンレスタンク。
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現行の2009年は夜併設のレストランで食事をしながら味わう。2008年、2009年ヴィンテージでようやく自分のスタイルが分かってきた、とハネス。僅かに残した甘みを触媒としてうまく強い酸・ミネラルとのバランスを取り、かつフレッシュさのあるワインに仕上げるのが彼のスタイル。穏やかで予定調和的なシルヴァーナ、アロマティックなフェルトリナー、最も酸が強いリースリング、ヴォリュームのあるケルナー、ミネラリーで抑制がきいたトラミネール、それぞれ個性は存分に発揮されているが、彼の目指すスタイルは共通に感じとることができる。
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食事は素朴なローカルフードだが、これがまたなかなか美味い。お腹がふくれるカーネデルリ(小麦団子)も完食!! そして料理ではないが、栗のおいしいことったら!!
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2011年版のガンベロロッソではフェルトリナーがトレ・ビキエーリを獲得している。元々のValle Isarcoのブドウはケルナー、シルヴァーナ、ミュラー・トゥルガウということだが、ガンベロがフェルトリナーを高く評価しているのは新しい物が好きだからだろう、と冷静な見方をするのがハネス。Hoandlhof、Kuenhofのフェルトリナーも3ビキエーリだが、ほんの数年前はこの地で最も高く評価されるのはケルナーだった、と言う。

この地域の生産者は協力して地域を有名にすることに力を注いでいるのだそうだ。生産者同士で情報交換し、試飲会も共同で開催する。一人が有名になってもしょうがない、というところに少しイタリア的でないものを感じる。この地を訪れるのは2度目だが、イタリア的なフレンドリーさとドイツ的な几帳面さ・協調性がうまく共存しているこの地方、とても過ごしやすいと感じる。また近いうちに必ず来よう。

色々話しているうちにすっかり夜も更けてきた。外はマイナス10度。美しい星空を見ながら床につく。
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by taurasista | 2011-03-06 19:35 | カンティーナ訪問

ワインの味わいを決めるものを某ワイン漫画的にと言うと「天」「地」「人」、普通にワインを語る際の表現で言うと、「ヴィンテージ」「テロワール」「畑仕事とセラーワーク」、ということになるだろう。しかし、純然たる飲み手としての視座だとこれだけではない。「どこで」「誰と」飲んだかが非常に大切な要素になる。そして、これら全てが完璧な状況にめぐり合うこと、これはめったに経験できることではない。その稀な機会を今週持つことが出来た。
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このMonfortesi 82年はConterno Fantinoが最初にボトリングを行ったヴィンテージ、そして我らがFabio君が生まれた年でもある。この記念すべきワインをFabio君やインプリチトMさんたちと味わうのがこの日の企画。Fabio君の指定でワインは飲む約4時間前に抜栓してもらった。

この日の1本目は泡のブラインド。正解はこちらのNocolas Maillartの82年。
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続いて絶品のウサギのテリーヌと合わせたのはこちら。オイリーなテクスチャーが特徴的なVilla RussizのPinot Grigio 2005年。
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続くタヤリンにはFabio君のDolcetto Bricco Bastia 2008年。リリースから1年たって程良く柔らかくなり、今非常にいい状態だ。
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そして、いよいよColli Monfortenesi。緊張するよ、と言いながらテースティングしたFabio君の顔が笑顔に変わる。スミレや枯葉、スパイスなどが要素のピュアな香り。少し熟成している優れたピノと似たようなニュアンスだ、との声が上がる。そして味わい。果実はフレッシュで、酸がとてもきれい。ミディアム・フルボディで素晴らしく整ったプロポーション。抜けがよく、アタックからアフターまで全く切れ目がなく、アフターは伸びやかに長く続く。実にすばらしいワインである。Fabio君も大満足で、今82年を飲んでるよ、とピエモンテの家族に電話しまくっていた。ブドウは全てSori Ginestraから。醸しはセメントタンクで10日間程度と短め。熟成は大樽。生産量は約3,000本と非常に少ない。カンティーナにも殆ど残っていないそうだ。

ワインのクオリティ、そしてそれを飲んだ場面、その完璧なアッビナメントを堪能したこの夜。きっと長く記憶に残ることだろう。こうした幸運にめぐり合うことが出来た縁に感謝したい。
by taurasista | 2011-03-04 01:20 | ワイン(イタリア)