人気ブログランキング |

Miani一気飲み!

昨日は「Miani一気飲みの会」。場所は人形町のアル・ポンテ。
ワインはこういう内容。もちろん年産600本という最も入手困難なイタリアワイン カルヴァリCalvariも。さすがにこれだけMianiが並ぶと壮観である。
c0159117_12381838.jpg

c0159117_12383646.jpg

c0159117_12385157.jpg

<2001年の白全種類>
- Chardonnay
- Sauvignon
- Ribolla Gialla
- Tocai Friulano

<2003年>
- Ribolla Gialla(これはヴィンテージをヒントにブラインドで)

<赤>
- Merlot 1999
- Calvari 1998

このMiani、ごく最近でこそラシーヌが正規インポーターになりある程度の数が流通するようになったが、2001年ヴィンテージが出た頃は国内ではまず入手不可能だった。赤は白よりも数段生産量が少ないため、海外市場を探しても殆ど見当たらなかったものだ。そんな状態の時にワイナート誌が巻頭特集トップで4ページに渡って「究極のワイン」「ミアーニのないワイン人生など、もはや考えられるはずもない。」など最高の賛辞を贈ったものだから、多くのワインマニアの間では一体どんなワインなのか妄想が膨らむ一方だったと思う。かくいう私もその一人で、早速イタリアの馴染みの店に頼んだり、海外のオークションで何本か手に入れた(Calvariもその頃はまだ手の届く価格で買えた)。

こうして2003年夏だったと思うが、最初に飲んだMianiはTocai Friulano2000年。印象は「すべてが強い」。凝縮感も凄ければ、樽も強い。酸も強いし甘みも強い。とにかく爆発的なパワーで押しまくるワイン。杯を重ねるのではなく、1,2杯でパワーに降参するのが正しい飲み方だと感じた。赤の最初は04年3月にCalvari96年。アメリカのオークションで1万円そこそこで手に入れた記憶があるが、このワインには本当に衝撃を受けた。物凄い凝縮感、口の中を覆い尽くすようなタンニンを持ちながら、信じられないほど熟したフルーツにこれまた恐ろしいほど滑らかなテキスチャー。飲んだ後もいつまでも口の中を支配し続けるような長い余韻。これは恐るべきワインだった。ともかく印象が鮮烈で、これまで飲んだ若い赤の中では間違いなくトップ5に入るものだった。

このCalvari96年の印象が強烈過ぎたのだろうか。その後、赤も白も何度か飲む機会があったが、それほど記憶に残っていない。Calvariも2005年春にフリウリのLa Subidaで99年を開ける機会があったが、タンニンが強烈過ぎてまだ全然飲み頃ではなく、グラスを空けるのに苦労した記憶しかない。白も最近のヴィンテージはお行儀よくなり過ぎたのでは、という印象。最初は超盛り上がったけれど、最初の盛り上がりが落ち着いてからは、すっかり距離が遠のいてしまったMianiとの関係、果たして、この一気飲みを転機とすることが出来ただろうか?

結論から書こう。何も変わらなかった。どれもいいワインだと思う。けれど、どのワインも同じ方向に収斂してしまっている。20年、30年経過したのならともかく、まだ8年。単一品種なら、もう少し品種の個性が明確に感じられてもいいはずだ。Ribolla Giallaのドライさ、Tocai Friulanoのオイリーさ・蜜のニュアンスは確かに感じられたが、それも私がこれらのフリウリ品種をそれなりに飲んできたからで、馴染みのない人たちがこれをはっきり意識するのは恐らく無理だろう。推測するに、リリース直後からしばらくのうち、つまり当時のMianiの白を特徴づける「爆発力」が健在のうちならこうではなかったのかもしれない。「時間」は決してプラスの要素を産み出さなかったように思える。

赤も同様。非常に凝縮されたブドウから作られているのはよく分かる。ただワインはそれだけではない。若く荒々しいけれど限りないポテンシャルを感じるワイン、その資質がどう育ち洗練されていくのか、Calvariからはそれを確かめたかった。が、今日のCalvariに見たのは、若い時の性向はそのままで、ただ大人しくなっただけの姿だったように思う(異なるヴィンテージ99年との比較ではあるが)。Merlotにも同じことを感じた。

一方でこうも言えると思う。最近これだけ多くのことを感じさせ、考えさせてくれるワインもなかった。必ずしも願った方向にではなかったが、好奇心、感覚を存分に刺激してくれること、これも素晴らしいワインの資質だと思う。そういう点では、やはりMianiはワイナート誌の言うとおり、飲む機会を「諦めるべきではない」ワインなのかもしれない。

なお、今回のワインは私のものではなく、すべてSさんが提供して下さった。Sさん、本当に貴重な機会をありがとうございました。
c0159117_139638.jpg

by taurasista | 2009-03-29 13:20 | ワイン会

Wake up, Maggie

もう先々週になるが、北京駐在のA君が出張で東京に戻った際にロッド・スチュワートのライブに行ってきた。
場所は武道館。武道館に来るのは98年3月(確か)のエアロスミス以来。久々に入ってみるとすごーく古い建物だなぁ、と実感。最初来た時は本当に大きな会場だと思ったけれど、その後東京ドームができたり、スタジアム・ライブが一般的になったので、むしろ小ささを感じる。なんたって、2階席でもステージが近い!ちなみに、武道館のライブは85年6月のダリル・ホール&ジョン・オーツだった。Big Bam Boomという大ヒットアルバムを出した翌年のツアーで、バンドとして彼らが最も脂の乗っていた時期だが、演奏も上手いし、ダリルもノリノリでとてもいいライブだった記憶がある。

ロッドに話を戻すと、本公演は売り切れたという話だったのだが、いざ会場に入ってみると空席だらけで拍子抜けした。アリーナはかろうじて全席埋まっていたが、1/2階は半分程度だろうか。コンサートは7時ほぼ定刻に始まった。ロッドは赤のジャケットで登場。これが格好いい!1曲目は"Some Guys Have All the Luck"。声は出てないなぁ。64歳だから仕方ないけれど。数曲歌ったあとでMCが入るが、いきなり"Dear respectable small crowds"と客入りに対する皮肉が。このあとも"you few audiences"だとか、何度も繰り返す。本音をしゃべってくれて面白いと言えば面白いのだけれど、あまりひつこいのもね(笑)。

観客の年齢層は相当高め。大半が40中盤以上だったような気がする。それもあってか、ノリは余り良くない。空席の多さに加えてそれも影響したのか、ロッドの調子も全然上がらない。21歳のご令嬢Ruby Stewartが途中で登場して2曲。その間御大はバックステージでお休み。そのあとすぐに15分ぐらいの休憩時間に。A君はロッドの来日公演をほぼ全て見ているらしいが、彼によるとロッドは観客が歌えないので日本が余り好きではないのだそう。"Hot Legs"のサビの終わりですかさず"I love you, honey"を入れるとか、日本じゃ絶対無理だもんね・・・。

声は出ていなかったけれど。"Have I Told You Lately"などバラードでの表現力はさすがだった。You fill my heart with gladness, take away all my saddness, ease my troubles that's what you do....何度聴いても泣かせる歌詞である。本家のヴァン・モリソンのもいいけれど、個人的にはロッドが歌う方が好きかな。

そして、"Wake up, Maggie"と始まる"Maggie May"。残念ながらイギリスと違って日本では大合唱にはならないけれど、ようやく盛り上がってきた。ロッドがまだFacesと並行してソロ活動を行っていた1971年にリリースした大傑作アルバム"Every Picture Tells A Story"からの1曲。もしロッドの曲を1曲選ぶなら、やっぱりこれである。ひょっとするとこれまでうちで一番聴いた曲かもしれない。メロディーはどうってことないけれど、ロッドの声と歌いまわし、そして歌詞、どれも最高の曲である!続いては"Hot Legs"でお決まりのサッカーボールを客席にけり込むパフォーマンスで本編終了。すぐにアンコールに出てきて"Sailing"1曲歌っておしまい。今日の盛り上がりを考えると妥当な終わり方か。みんな2曲目があるとは思わなかったらしく、Sailingを歌い終わると同時に一気に帰り始めた。結局開始からちょうど2時間のライブだった。

終了後はA君と歌舞伎座横のビストロ・ヴィヴィエンヌへ。友人のジュンコ嬢がマリー・ジェンヌを離れて単独で立ち上げたお店。前の店と同じく、手ごろでなかなかいい店である。シゲ様も合流してワインを結局3人で3本。久しぶりにChateau de St CosmeのGigondas 99年を飲んだが、やっぱり旨い。いい作り手である。ここ5年ぐらいは全くフォローしていないが、10年ほど前に2,3回訪問したことがある。ジゴンダスGigondas村の外れにあり、一部はローマ時代の遺構だという迷宮のような施設の中で凄いワインを作っていた。そういえば「神の雫「にも登場していましたね。

"Stay with Me"もやって欲しかったが、声が出ないとこういうアップテンポのナンバーはきついだろう。なんたって64歳である。休憩も必要だろうし、2時間を超えるライブもできないのが当たり前。天然記念物ロックシンガーの元気な姿と声を生で経験できただけで今日は良しとすべきかな。
by taurasista | 2009-03-24 21:04 | Music

マルケ州のワイン

3月の自宅ワイン会はマルケがテーマ。最近よく一緒に飲んでいるNさんがG/Wにマルケ行きを計画中ということで企画した会である(comunque, Nさんどうやらマルケは取りやめそうな様子だけど)。規模はこじんまりと6人6本で。

本数が少ないので、思い切ってテーマを絞った。白はヴェルディッキオ、赤はモンテプルチャーノ、それぞれ単一本種モノだけにして、それぞれの特徴を確かめてみるというもの。ではまず白から。
c0159117_16355447.jpg

1. Verdicchio di Matelica 2006 (La Monacesca)
2. Verdicchio dei Castelli di Jesi Classico Superiore Il Bacco 2007 (Coroncino)
3. Verdicchio dei Castelli di Jesi Classico Superiore Stracacio 2001 (Coroncino)

1/2は同価格帯(2,000円前後)だが産地が異なる。2/3は同じ作り手だが別のライン。以下テースティングノート。
1. → デリケートなワイン。柑橘系に白い花の香りが交じる。ただ、少しtappo(ブショネ)の気配が。1時間ほど経つとはっきりブショネだと分かった。残念。
2. → 柑橘系、アーモンド、白い花。ミディアムボディで酸は高い。2007年という酷暑の年にしてはしっかり抑制が効いている。昨年マルケで飲んだ2007年のヴェルディッキオをいろいろ試した中には甘さが突出してバランスが崩れているものもあったが、これはバランス良し。2,000円クラスとしては相当レベルが高いワイン。
3. → フルーツの強さも酸もIl Baccoより相当トーンが高く、甘味も強いが、とても緻密で滑らか、そしてバランスが素晴らしく、バリックも完全に溶け込んでいて、全く飲み疲れしない。これは相当レベルの高いワインである。ところで、ボトルの裏に生産本数が記してあった。「586本」。たったバリック2つしかない希少なワイン。買ったのは3,4年前だが、その時は全然気がつかなかった。

続いて赤。
c0159117_17115080.jpg

1. Rosso Conero Riserva Agontano 2003 (Gioacchino Garofoli)
黒い大きな果実。酸もタンニンも強いが、熟成がある程度進んでいるためか全体として落ち着いた感じはある。非常に男性的なワイン。繊細さは余りないが、ごつく筋肉質で力強い。
2. Quinta Regio 2003 (Poderi Capecci - San Savino)
こちらは昨年訪問した作り手。これもGarofoliほどではないが非常にパワフルなワイン。一方で、Garofoliにはやや欠けている品の良さ、繊細さも持ち合わせている。アフターはきれいで長い。
3. Kurni 2001 (Oasi degli Angeli)
こちらも昨年訪問。非常にいいヴィンテージのKurniが7年の熟成でどう変化しているのか大変興味を持ってテースティングした。香りはプラム、リコリスが主。バリックのニュアンスはまだ残ってはいるが、すっかり落ち着いている。やはり大変ヴォリューム感がある。依然果実味も酸もタンニンも甘みも相当強いが、これらが全て均整のとれた大柄なボディにしっかりと納まっている。甘みが強いので合わせる食事は選ぶ必要があるが、大変レベルの高いワインだと感じた。あとどれぐらい熟成するかはわからないが、5年は余裕で大丈夫だろう。

最後はこれで締める。
c0159117_17331243.jpg

CavalleriのFranciacorta Collezione Rose 2001。Cavalleriらしいエレガントなワイン。

15時過ぎスタートでだったが、こうして散々飲んで食べてお喋りしているとあっという間に23時。ここで解散したが一部メンバーはインプリチトに行ったらしい。本当にタフな人たちである!
by taurasista | 2009-03-20 17:40 | ワイン(イタリア)

春のイタリア行き

4月末からいつものK君たちとイタリアへ行く。今回はシチリアがメイン。シチリアは91年以来だから18年振り2度目。前回はローマからまず飛行機でパレルモに入った。滑走路脇ににょきっと岩山がそびえるプンタライジ空港の風景は印象的だったなあ。確か2泊したと思うが、市内の教会やノルマン王宮、郊外のモンレアーレの大モザイク、どれも未だに記憶にはっきり残っている(フェデリコ2世についてなどシチリア王国についての知識を大分身に付けきっと違った見方ができるので、パレルモにはぜひ寄りたいのだが、今回は東部だけなので残念ながら寄れない・・・)。その後は電車でアグリジェントに行き神殿の谷を見、そしてバスと電車を乗り継いでタオルミーナへ。半日ギリシャ劇場でぼけっとして夜行でフィレンツェへ。そんなバッグパッカーの旅だった。

今回のシチリアはいつもの通りカンティーナと食事がメインで間に世界遺産見学が入る感じ。

- ポルトガルから入るK君夫妻とローマ空港で合流し、カターニャへ。空港でレンタカーしてカンティーナ1軒(未定だけどVini Biondiあたり)寄ってからピアッツァ・アルメリーナへ。Al Fogherで食事。
- 翌朝Villa Casaleというローマ時代の別荘跡(世界遺産)を見学してから、シラクーザへ。途中これも世界遺産のNegropoli di Pantalica(紀元前13-8世紀の墳墓群)に寄るかも。シラクーザはOrtigia島に宿泊。ここも世界遺産。
- 翌日はラグーザへ(ここの旧市街も世界遺産)。夜は2つ星のDuomoへ。
- 次の朝、川頭さんと合流、Gulfiへ。その後カターニャ空港でシゲ様をピックアップしてから、Palariへ(アポはまだ)。
- タオルミーナには2泊。初日はカジュアル店(K君お気に入りのIl Baccanale?)、2日目は今年1つ星に昇格したLa Capineraへ。
- タオルミーナでのんびりした後はエトナのカンティーナを集中的に周る。Terre Nere、Il Cantante(Simply Redのヴォーカリスト ミック・ハックネル所有のカンティーナ)、Benanti、Graciなど。どこもアポはこれから。
- カターニャのAntica Marinaでのランチを最後にシチリアを離れ、ナポリへ。ピザと観光のあと空港で車をピックアップしてイルピーニャへ。いくつかカンティーナを周る。昨年キャンセルになってしまったPietracupaは是非行きたい。あとの候補はCantina Giardino、Quintodecimo、Antonio Caggianoなど。時間が許せばお世話になっているMontevetranoにも顔を出したいなぁ。カゼルタエリアの作り手にも。そうなるとやっぱりTerre del Principeかな。食事は2年前に行って気に入ったVallesaccardaのOasi Sapori Antichiを再訪予定。あとは新しい店を開拓。

とこんな感じ。出発まであと1ヶ月半。待ちきれない!
by taurasista | 2009-03-11 20:58 | ワイン(イタリア)

foodexで飲んだワイン

金曜日に雨の中幕張まで出掛けてきた。まずLanga Inランガインのブースへ。今年は「ピエモンテのプロゴルファー猿」ファビオ君は残念ながら来日せず、またBruno Roccaの娘さんLuisaもこの日の朝帰ってしまったとのことで、これも残念。ともかく、チヒロ嬢など知り合いがブースを手伝っていたので、いろいろ飲ませてもらう。

Giovanni Almondoは飲んだことのない作り手だったが、とてもエレガントなロエロ地区らしいワインで好印象。昨年に続き来日していたMalviraの白はフレッシュさが印象に残った。特にソーヴィニオン、シャルドネ、アルネイスのブレンドのTreuve。同じロエロのMatteo Correggiaは以前よりもバリック使いを抑えたせいで、よりエレガントでバランスの取れたタイプになったと思う。Roero Rocche d'Ampsejはエレガントなネッビオーロとして一つの完成形だろう。2005年を試飲したが、今でも十分美味しくいただけた。そしてFabio君のConterno Fantino。相変わらずの力強さ。こうしてどんどん飲んでいるとさすがに酔ってきた・・・。

その他のブースで試飲したうちで、印象に残ったのはサルデーニャの作り手Feudi della Medusa。名前も知らない作り手で、ブースにいた通訳の方の感じの良さにひかれての試飲だったが、小さなグラスでのテースティングでワインの良さを感じ取るのが難しい中、どのワインも果実味を前面を出しつつ、中身がぐっと詰まっていて、ポテンシャルの高さを感じた。帰宅してから調べてみると、エスプレッソやガンベロロッソで結構高い評価を受けている作り手だった。ネットで何種類か販売されていたので、そのうち自宅でゆっくり試してみたいと思う。ちなみに一番上のクラスのAlba Nora(シャルドネ100%)やNorace(ボヴァーレBovale、カンノナウ、シラーのブレンド)は6,000円超で同じサルデーニャならPunicaのBarruaなどと同じ価格帯。サルデーニャでこの価格帯だとかなり売りにくいだろうな・・・・。
by taurasista | 2009-03-08 20:10 | ワイン(イタリア)

Quantum of Solace

最近ワインの話しか書いていないので、新しいワインの名前だと思われるかもしないが、そうではなくて007シリーズの最新作である。週末に繰り返し見たのでその感想を。

ダニエル・クレイグ主演の2作目で、前作の'カジノ・ロワイアル'の流れを汲んで生身のアクション中心。Qの小道具は登場しない。ストーリーも前作の続き。前作のラストの1時間後から始まる。前作のラストで足を撃たれた'Mr. White'、てっきりそのまま殺されたと思っていたのだけれど、ボンドは証人として拉致、尋問のためシエナの基地に連れ帰ろうとする。これを察知した組織とのカーチェイスから映画は始まる。

全体的には余り納得できない仕上がりだった。ダニエル・クレイグのジェームズ・ボンド、遊び心のかけらもないひたすらストイックなボンドを描く脚本にはマッチしていると思うが、悪者が余りに小物過ぎる。007シリーズの悪者と言えば、やっぱりスペクターのように世界征服を目指して欲しいし、そこまでは行かなくても、せめて韓国侵攻('ダイ・アナザー・デイ')ぐらいは企んでくれないと。悪者役のマチュー・アマルリック、'潜水艦は蝶の夢を見る'での演技は好きだが、今回は全く物足りない。「悪さ」の発散具合が全然で、「蝶の夢」での役のように車イス生活で瞼しか動かないが超一流の頭脳を用いて世界の水資源の独占を企む男、ぐらいにして欲しかった。もう一人の悪役のボリビアの元軍事政権トップのオッサンもでかいのは体だけ。オルガ・キュリレンコにあっさり殺されてしまっては悪役としては失格である。本作でも結局'Quantum'なる悪の組織のことは全く明かされない。一部そのトップ構成員らしき連中は出てくるが、ストーリーには絡むのは末端の雑魚だけである。次作への含みを持たせるのも良いが、その結果話のスケールが小さくなってしまったと感じる。

ボンド・ガールのオルガ・キュリレンコはそれなりに存在感もあり、悪くはなかったと思うが、前作のエヴァ・グリーンのように感情表現が必要な話ではなかったので、その分ぼろが出なかったとも言えるだろう。全体的には、まあ時間潰しにはいいか、というレベル。007ファン以外なら特に見る必要はない映画だと思う。(私はファンなので3回続けて見てしまったけど・・・)
by taurasista | 2009-03-08 19:22 | Misc

「ピエモンテの古酒」というと普通はバローロかバルバレスコだが、今回はドルチェットとバルベラを中心にリストを組んでみた。これにイタリア最強の共同組合Produttori del Barbarescoの82年リゼルヴァのミニ水平、同じく82年のバローロを加え、ラインアップはこういう感じに。

1. Dolcetto d'Alba 1971 (Gaja)
2. Dolcetto 1971 (Giacomo Conterno)
3. Barbera 1971 (Giacomo Conterno)
4. Barbaresco Riserva Rabaja 1982 (Produttori del Barbaresco)
5. Barbaresco Riserva Pora 1982 (Produttori del Barbaresco)
6. Barolo Riserva Bussia 1982 (Prunotto)

c0159117_2101196.jpg
c0159117_2102551.jpg

まずドルチェット。ガヤの若々しさには驚かされた。所謂ドルチェットらしい香りはないが、イタリアの状態の良い古酒からしばしば感じる熟れた赤い果実、スパイス、若干のミントっぽさがあり、なかなか魅力的。果実はまだまだしっかりしていて、まだピークの状態を保っているのでは、と思ってしまう位。もちろんドルチェットらしく酸はしっかりしていて、構造も滑らか。さすがに良いネッビオーロほどのボリューム感はないが、これはこれで素晴らしいワインである。先日の濱崎で飲んだキャンティの71年と並ぶ驚きのワイン。一方のジャコモ・コンテルノ。こちらはガヤに比べてだいぶ年の取り方が早く、もう下り坂に入っている。とはいうものの、まだまだ血気盛んで、甘い少しプラムっぽい果実に土っぽい香りを発散している。コーヒーの要素も少しあったかな。ガヤに比べてアルコールは高く、ボディも大きい。そして香りと同じく、甘い。10年ぐらい前に飲んでいれば、エレガントなガヤとは違ってがっちりしたタイプの素晴らしいドルチェットだったのではないだろうか。

キャラクターが対照的なドルチェット2本の次は71年のバルベラへ。ジャコモ・コンテルノのバルベラと言うと、昨年の【grandi vini大賞】78年の印象が余りに強いので、相当な期待を寄せたいところだったのだが、このワイン、届いた時に液漏れしていて状態が不安だった。案の定、色も抜けていて、劣化していた。酸化と熱劣化両方だろうか。残念。

続いてバルバレスコのミニ水平。まずRabaja。Rabajaと言えば、バルバレスコの象徴的な畑の一つで、バローロで言えばカンヌビのようなものだろう。近所の畑がみんなRabajaと名乗りたがる、というところも似ている。香りは余り華やかさはなく、鉄系の重い感じが主体。口に含むと、強く大きい。酸はしっかりしているが、若干ぼてっとして垢抜けないところもある。一方のPora。こちらは「血、血、血」。とにかく香りが鉄っぽく、獣っぽい。お味はRabajaと似ているが、こちらの方が酸が強いせいか、抜けも良い。アフターは長い。比べるならPoraの勝ちかな。ところで、バルバレスコと言えば超有名銘柄ではあるが、実際には飲む機会が少ないように思う。バローロのようにエリアの特徴がまだ明確に意識されていないので、個性を意識しにくいこと、生産者としてはガヤが飛びぬけて有名な以外はいま一つ、二つ地味なこと、バローロの陰に隠れてしまい、高いネッビオロ飲むならバローロ、となってしまうこと、などが原因だと思うが、その分発見も多いだろう。確かバルバレスコのクリュ表記が最近バローロに先立って統一されて、より地域、畑を意識して飲む環境が整ったので、しばらく注意を払ってみようと思う。

最後はバローロ。バルバレスコ2本に比べると一段トーンが高い。香りもボディも複雑さも一段上。香りはやはり鉄系が中心。これにリコリス、スパイスなどが交じる。切れの良い酸。余韻も立派。予想していた通りのワインだった。

料理はワインに合わせてピエモンテっぽいものでコースを組んでもらった。
<つきだし=馬場シェフお得意のカーネデルリ>
c0159117_2132318.jpg

<前菜①=小さな盛り合わせ。左下は馬のたてがみ。>
c0159117_2133458.jpg

<前菜②=ワタリガニと大麦の軽いソテー。美味い!>
c0159117_2136449.jpg

<前菜③=軽く炙ったホロホロ鳥のレバ。ほとんどレアのレバを塩、バルサミコ、オリーブオイルで。絶品。>
c0159117_21361462.jpg

<プリモ①=ピエモンテと言えばアニョロッティ>
c0159117_21365470.jpg

<プリモ②=これもピエモンテと言えば、のタヤリン。馬の内臓のラグー。>
c0159117_21374268.jpg

<セコンド=色々な肉の盛り合わせ>
c0159117_21381660.jpg

<ドルチェ=ボネとあまおうのスープ仕立ての2つ>
c0159117_21385889.jpg
c0159117_2139987.jpg

開店4か月たってようやくオペレーションが落ち着いてきた印象。そろそろ馬場さんの実力がフルに発揮されるのではないだろうか。お店としてどう成長していくのかとても楽しみ。

時計を見ると12時。あっという間に5時間経っていた。やっぱり充実した時間は経つのが早い。日曜の夜ということで、そのまま解散。
by taurasista | 2009-03-03 21:53 | ワイン会