人気ブログランキング |

c0159117_22201255.jpg

ドリアーニを散策後、近くのモンキエロMonchieroにあるジュゼッペ・マスカレッロへ。伝統的バローロ生産者のトップの一角を占めるこの作り手、以前から訪問してみたいと思っていた。ここのワインは日本で時々飲んでいるが、安いものもとても丁寧に作られていて好感が持てる。フラッグシップのバローロ・モンプリヴァートBarolo Monprivatoは確か2002年に85年ヴィンテージを飲んだのが最後だが、トリュフの香りが立ち上る官能的なワインだった。最近は昨年12月のラ・バリック・トウキョウでNebbiolo d'Albaを、先月のラ・ペルゴラでFreisaを飲んだ。どちらも懐に優しい値段だが、とても満足度が高いワインだった。どのワインも素顔がきれいで、ずっと飲んでいても飽きないし、疲れない。キオネッティと並び、ここに行くのが今回一番楽しみだった。

約束の17時半に着くが、奥さんができれば明日にずらして欲しい、と言う。急な用事が入り、連絡しようとしたのだが、と申し訳なさそう。と言われても、明日は予定が入っているし、一日二軒もドタキャンされるのもしゃくなので、今日じゃないと無理だと粘ると、1時間後ならなんとかなる、ということで、19時前にリセット。
その間車で約10分のモンフォルテのエノテカで時間をつぶす。同行のK氏は熟成したドルチェットを探すが、見つからない。お店の人に聞いても、ドルチェットはすぐに飲むものだから古いのは置いていない、との答。結局MarcariniのBoschi di Berryの2003年をK氏は購入。私は先月飲んでとても気に入ったMarchesi di BaroloのBarolo Estate Vineyard 90年を見つけたので即決。55ユーロ。有名どころの90年なら確実にこの倍はするのでお買い得感がある。

カンティーナには19時前に戻る。今度は当主のマウロ氏が出てきた。ちょっと気難しそうなオヤジである。ざっとカンティーナの中を見せてもらう。建物はかなり歴史を感じさせるものである。設備もかなり使い込まれている。ワイン作りは極めて伝統的な手法を取り、セメントタンクとズラヴォニア・オークの大樽が並んでいる。時間も遅いのですぐに試飲を始める。無理を言って時間を取ってもらっているので、時間をかけずにどんどん飲んでいく。色々話してオヤジの表情も少しずつ柔らかくなってきたところで、奥さんが戻ってきて交代。

急いで飲んだのと、話すのに手一杯だったことで、きちんとノートを取れなかったが、結論から言うとここのワインは大変素晴らしい。正直、これ程とまでは思っていなかった。どのワインも非常にバランス良く、ピュアで滑らかでひっかかるところがない。最初のインパクトはないが、じわーっと旨みが出てくる。試飲したのは以下のワイン。どれも1~2日前に開けたもの。奥さん曰くどのワインも抜栓して5日は余裕で持つ、とのこと。
c0159117_222447.jpg

・Dolcetto d'Alba 2006
・Barbera d'Alba Scudetto 2004
・Barbera d'Alba Santo Stefano di Perno 2005
・Freisa Toetto 2004
・Nebbiolo d'Alba 2006
・Barolo Villero 2003
・Barolo Santo Stefano di Perno 2003
・Barolo Monprivato 2000
・Barolo Monprivato Ca' d'Morissio 2001

バローロは20~25日かけてセメントタンクでゆっくりマセラシオン、発酵。もちろん熟成はスラヴォニア産オークの大樽Botte grandeである。通常のバローロはここで約3年間熟成される。Monprivatoは彼らの単独所有。2003年は暑く難しいヴィンテージで、柔らかいが単調なワインができやすいが、ここのバローロは確かに柔らかいけれど十分複雑性がある。Monprivato2000年はフローラルでスパイスや土っぽさがこれに交じる。非常に滑らか。いいワインである。そして、スペシャル・キュヴェのCa' d'Morissio。Monprivatoの畑から数年かけて選んだ最上のクローン(michet)を使い最良年のみ生産されるワインである。ファーストヴィンテージは93年。生産本数がかなり少ない(年間3,000本程度)ので、まさか試飲できるとは思っていなかった。2001年はまだ閉じていたが(前日抜栓)、フローラルで赤い果実、バラ、スパイスなどが出ており、今後熟成とともに複雑さが増していくだろう。また、酸・果実・タンニンとも非常にトーンが高く、調和がとれたときには本当に素晴らしいワインになると思った。

こんないい作り手だが、現在は正式なインポーターがいない。以前はSビールだったが、ワインに対する理解がなかったので契約を打ち切ったとのこと。別のルートでごく少量輸入されているのが救いだが・・・・・。
by taurasista | 2008-04-28 22:25 | カンティーナ訪問

イタリア旅行やら固定資産税やら、何かと出費がかさむ今日この頃(靴やパンツも買ってしまったし)。キャッシュフローがこれ以上悪化しないよう、という訳ではないが、3月の誕生ワイン会に続いて今月もピエモンテの会を開催。テーマは「70年代のピエモンテ」。まだバローロ・ボーイズの登場前、バローロが世界市場で認められていないころから伝統的な手法で最高品質のワインを作っていた生産者たち。そのワインを71年、78年という歴史に残るヴィンテージで味わってみる、という会である。場所はボッテガ・デル・グースト@赤坂。
c0159117_1129228.jpg

赤4本(バローロ3本、バルベラ1本)は最初から決めていた。白 or 泡は悩んだが、折角なのでレアものから選ぶことにして、以前このブログでも紹介したフリウリのエディ・カンテEdi Kanteのスペシャル・キュヴェselezioneシリーズのPinot Grigio99年に。白以外の順序はいつもの通りオーナーソムリエ檜山さんにお任せ。先に状態も確認してくださっているので、まず感想を聞いてみたが、なぜか歯切れが悪い。状態が悪いわけではなさそうだし、これは何かあるぞ、と思いつつスタート。

まずKanteから。
Pinot Grigio Selezione 1999 (Edi Kante)
c0159117_112851.jpg

非常に固いワインなので、檜山さんが2日半前に抜栓しておいてくれた。サーブは常温。色はかなり金色に近い。グレープフルーツ、ヴァニラなど樽由来の香り(非常によく溶け込んでいて全く突出はしていない)、蜂蜜、ホワイトレーズン、しばらくするとココナツなど南国系の香り、と非常に複雑。非常にミネラルが強く、塩辛い。ミディアムボディーで強靭な酸。分厚くアフターは長い。まだまだ若く、これからさらに複雑さを増していくワインだろう。その過程でミッドパレットにもう少しふくらみが出れば最高のワインになると思う。しゃばしゃばのワインが大半のピノ・グリージョからこんなワインを造るとはさすがKante。ちなみに、赤を飲み終わった後にボトルに少し残っていたのを飲んだが、赤の後でも十分美味しかった。これもこのワインの質の高さを物語っている。白ワインの会ならメインを張れるだろう。

そして赤へ移る。常道なら若い順、そしてバルベラが先なのだが、1番手はこれだった。

Barolo Bricco Boschis 1971 (Cavallotto)
c0159117_1143977.jpg

2週間前に訪問したばかりのCavallotto、Bricco Boschisは彼らの単独所有である。葉巻、レザー、紹興酒といった熟成したネッビオーロらしい香り。フルーツは少し落ちてきているが、きれいな甘みが出ていて、アフターも長い。ピークは過ぎている(5年ぐらい前だったかな)が、きれいに年を取っている。普通のワイン会なら十分メインを務められるワイン。

そして2番手。
Barolo Riserva Brunate 1971 (Marcarini)
c0159117_1154361.jpg

会を始める前に檜山さんから「不思議なエチケッタだ」との指摘あり。確かに紋章が違うし、別の作り手Elvio Cognoの名も書かれている。ここも訪問したばかりなので、直接メールして聞いてみようと思う。
さて味わいはと言うと、37年たってもまだまだ生命感に溢れている。葉巻、土ぽっさ、タール、花、お香、そして獣っぽさも少しある本当に複雑な香り、タンニンはまだまだしっかりしているが完全にこなれている。体格もまだまだ立派だ。そう言えば、Marcarini訪問時にBrunateの畑はマグネシウムが非常に多いせいでストラクチャーがとてもしっかりワインが出来る、という話があったのを思い出す。アフターはいつまでもいつまでも続く。これは最高のワイン。年間トップ5入りの有力候補。

不思議なことにまだバルベラが出てこない。しかもこのMarcariniのような凄いワインがもう出てしまった。このあとどうなるのか期待がふくらむ。

3本目はこれ。
Barolo Riserva Bussia 1978 (Alfredo Prunotto)
c0159117_1163299.jpg

71年の2本は色で明らかに熟成したワインだとわかったが、これはまだまだ色も濃い。スミレ、カシス、スパイス、葉巻、ミントなど香りのヴォリュームが凄い。まだタニックで恐ろしくパワフル。ネッビオーロらしく少し乾いたタンニン。一般的に言うともうフルに熟成したワインなのだが、まだまだ上がり続けているワインである。これもスーパーなワイン。そして78年ヴィンテージの素晴らしさを物語る1本。

ということで、何とバルベラがトリを務めることに!
結局一般常識とは正反対になった。まあ、飲んでみてください、と檜山さん。

Barbera d'Alba 1978 (Giacomo Conterno)
c0159117_1173162.jpg

迷ったけれど、驚きがとても強かったので最後に置いた、と檜山さん。
これは驚愕のワインだった。熟成した良いヴィンテージのバルベラのポテンシャルの凄さを思い知らされた。まず感じたのは獣香。そしてプラム、スパイス、土、バルサミコなど。これもとても香りのヴォリュームがある。しばらく時間が経つと血など鉄っぽい感じが強く出てきて、いかにもSerralunga d'Albaのワインらしくなってきた。フルーツはとても分厚く、力強い。バルベラなのでタンニンは弱いはずだが、それなのに30年たっても何故こんなにパワフルなのか、私のレベルでは理解できない。グリップの強さ、アフターの長さも物凄い。これまで飲んだことのないタイプのワイン。今年飲んだワインの中ではナンバー1。

赤は4時半頃抜栓、一度デカンタに移して澱を落とし空気に触れさせて目覚めさせてから、洗ったボトルに戻してくれていた。檜山さん、持ち込みのワインをここまで丁寧にサーブして下さって本当にありがとうございます。

お料理はワインに合わせて作っていただいた。これもいつもの通り素晴らしい。

お通し:バッカラのカナッペ
c0159117_11293440.jpg

前菜:うさぎのパテ
c0159117_12153630.jpg

プリモ①:蛙のリゾット (吉さん、チーズ抜き頼むの忘れてました。ごめんなさい。)
c0159117_12155781.jpg

プリモ②:タリオリーニ 牛テールのラグー
c0159117_12161628.jpg

セコンド:鴨のロースト。ソースは血入り。
一気に食べてしまい、写真は撮り忘れた。残念。

もちろんワインとの相性もばっちり。特にセコンドのソースの鉄分がバルベラとばっちり合っていた。

熟成したバローロというと、フルーツがなくて酸ばかりが目立つすっぱくて美味しくないワイン、という印象を持っている人も多いと思う。私もかつてはそうだったが、今日のようなワインを飲むといい作り手ならその認識が全く事実に反することが分かる。推測するに、輸送状態、保存状態の問題や、いくつかのさほどレベルの高くない、けれど手に入りやすい生産者のワインがブランド全体のイメージを決めてしまっていたのではないだろうか。

年に何度か自分のワインで会を催しているが、ここまでレベルの高いワインが揃うことは滅多にない。きっといつまでも記憶に残る会になるだろう。キャンセルのMさん、Kさん、残念でした!ただ、このワイン達、一晩でまとめて飲まなくても良かったかな・・・・・と少し後悔も。

終了後はインプリチトへ。オーナー松永さんや常連組と談笑、2時ごろ帰宅。いい一日だった。
by taurasista | 2008-04-28 01:27 | ワイン会

c0159117_16412288.jpg

ランチ後は次の訪問先ルイジ・エイナウディに向かう。約束の15時過ぎに到着。
ルイジ・エイナウディはイタリアの戦後2代目の大統領として歴史に名を残す人物である。彼が1897年に創設したのがこのカンティーナ。50haの畑から年間約220,000本を生産、とピエモンテの中ではかなり規模が大きなカンティーナである。カンティーナはドリアーニの町のすぐ南側で坂道をしばらく登った所にあった。白亜の館で素姓の良さがうかがわれる門構え。

まずはカンティーナを見せてもらう。ここでは10種類以上ワインを作っていて、ワインにより作り方を変えているので、バリックと大樽両方がカンティーナに。
c0159117_16455762.jpg

c0159117_1642404.jpg

バローロも作っているが、ここでの我々の目的はドルチェット。2種類試飲。

・Dolcetto di Dogliani 2006
マセラシオン6日間。7か月ステンレスタンクで熟成。
チャーミングな赤い果実。少しキャンディーぽい甘い香り。複雑さはないが、滑らかで飲みやすい。難しいことを考えずに気楽にワインを楽しみたい時にはうってつけ。ドリアーニのいくつかの畑のブレンド。

・Dogliani DOCG Tecc 2006
こちらは全くスタイルが違う。色合いも濃く、香りも非常に凝縮している。香りはかなり黒い果実が強い。タンニンも強く、ヴォリューム感もかなりある。これまで飲んできたドルチェットとは傾向が異なるワインである。現時点ではタンニンがやや突出しているので、2~3年の熟成が必要か。

続いてBaroloを試飲。

・Barolo Costa Grimaldi 2004
すっかり閉じている。非常にoaky。樽由来のチョコレートやヴァニラ香が完全に支配している。とてもストラクチャーの大きなワイン。タンニンは非常に強く乾いている。

・Barolo nei Cannubi 2004
これも閉じているが、フローラルな香りを感じる。全体的にCosta Grimaldiより柔らかい。
バローロは2種類ともフルーツが閉じこもっていて全く立ち上がって来ず、今テースティングするのはちょっと難しかった。

そして、ガイドでは一番評価が高いこのワイン。

・Luigi Einaudi 2004
33%カベルネ・ソーヴィニオン/ネッビオーロ、17%バルベラ/メルローという面白いブレンド。ネッビオーロはバローロから。それ以外はドリアーニ。これもoaky。ヴァニラ、チョコレートといった樽から来る香りにカシス、鉛筆といったカベルネ香が支配。いわゆる「スーパーxxx」と呼ばれるタイプのワインで、個人的にはあまり得意ではない。年間生産本数は約3,000本で日本には未輸出。ちなみに、エチケッタはルイジ・エイナウディ大統領のサイン。
c0159117_1644724.jpg


次のアポまで少し時間があるので、ドリアーニの町を少し散歩。特段特徴はない町だが、ドゥオモはこの規模の町にしてはかなり立派なものが立っていた。
by taurasista | 2008-04-24 16:48 | カンティーナ訪問

c0159117_2244352.jpg

先週土曜日に4か月ぶり2回目の訪問。前回(6名)と違って今回は2名だったので、その場でメニュー選び。今月の郷土料理のコースはリグリア州。先日のイタリアツアーでインプリチト軍団が寄ったチンクエ・テッレのお店が大変素晴らしかった、なんて話を聞いていたこともあり、今回はリグリア州コースを選んだ。ワインは坂田さんにお任せするとリグリア尽くしで行ってみます、とのこと。
<付き出し:ミニハンバーガーもどき>
c0159117_2245610.jpg

<前菜:シラスのオムレツ>
c0159117_22455471.jpg

<プリモ①:チュッピン(魚を裏ごししたスープ>
c0159117_22464283.jpg

<プリモ②:ジェノベーゼ>
c0159117_22474781.jpg

<セコンド:羊とアーティチョークのソテーを卵黄でつないだもの>
c0159117_22483831.jpg

<ドルチェ:アイスクリームをフリット>
c0159117_22494598.jpg

一つ上のコースとは少し趣が異なり、坂田さんのご説明の通り「素朴で滋味深い料理」たちだった。

日本のイタリアンではグラッパを飲むことは最近ほとんどないのだが、この日は時間が早く、また種類が揃っていたこともあり、ついつい手が出てしまった。2杯目はロマーノ・レヴィRomano Levi。レヴィのグラッパは自宅に常備していて、来客時、そして風邪気味かな、と思ったときにちびちび飲んでいるのだが、香りに独特のレヴィ香がある気がする。うまく表現できないのだが、土っぽいというか。ヴォリューム感もちょっと違う気がする。
c0159117_22533850.jpg

ワインはこの3本をグラスで。
・Cinque Terre 2006 (Walter de Batte)
・Rupestro 2006 (Il Monticello)
・Poggio dei Magni 2004 (Il Monticello)
c0159117_2314185.jpg

どれも素朴系、と思いきや、最初のCinque Terreにはちょっと驚いた。マセラシオンしているであろう黄金色、香りや味にも酸化のニュアンスが。フリウリなどの「変態系」生産者の影響がうかがわれる。ミネラルがとても強い。「ミニRadikon」という印象。
Il Monticelloはトスカーナ州との州境に位置する生産者とのこと。Rupestro(Sangiovese 60%, Canaiolo/Merla/Polerra Nera/Ciliegiolo各10%)は予想通りの優しく素朴なワイン。香りはフラワリー。タンニンは弱め。Poggio dei Magniは品種はRupestroと同じ。Rupestroを少し大きくして樽をかけた感じ(だったと思う。ちょっと記憶が不確か)。

個人的には、古い日本家屋を見事にリフォームしたこのエレガントな空間には、よりリストランテらしい料理の方がしっくりくる。次回はもう一度上のコースを食べてみるつもり。また、この店のもう一つの素晴らしさであるサービスは今回も変わらず。気配りといい、距離感の取り方といい、本当に心地よい。今回も大変気分良くお店を後にすることができた。
by taurasista | 2008-04-22 23:19 | レストラン(日本)

Osteria Iride, Roddino, Piemonte

キオネッティに続いてはサン・フェレオーロSan Fereoloへ。約束の11時過ぎに着いたのだが、カンティーナには人気がない。うろうろしていると家からおばあちゃんが出てきて、今日は誰もいないよ、と言う。去年のAntonio Caggianoの再現か、と不安になり、何度か電話をかけるが留守電になりつながらない。10回ぐらいかけてようやくつながった。ヴィニタリーの後の忙しさと車の故障に気を取られてすっかりアポを忘れていた、とのこと。今は車を引き取りにミラノにいるということなので、これはもうどうしようもない。また今度来たときよろしく、と伝え諦める。
その夜宿に戻るとお詫びの印としてワインが6本届いていた。とてもいい人のようである。次回ピエモンテに来たら是非訪ねてみたい。

という訳で、次のアポ(15時Luigi Einaudi)まで時間が空いたので、近所でランチをすることに。夜はLocanda nel Borgo Anticoでのビッグディナーなので、軽めにオステリアで済ませることにし、ホテルのRenataお勧めのモンフォルテの隣り村Roddinoにあるお店Irideへ。

料理はシンプルな郷土料理でチョイスはなしのセットメニュー。前菜がどんどん出てくる。ここのカルネ・クルーダは素晴らしい。色々なお店でこの料理を食べているが、ここのがベスト。プリモはタヤリンを食べたかったが、この日は別のパスタだった。ワインはLa BrunaのDogliani DOCG San Luigi 2006年。朝キオネッティで飲んだのと同じクリュ。柔らかく果実味に富み、ふくよかで飲んでいて心地よい。San Luigiの特徴はこの柔らかさなのだろう。

2人でワイン1本(確か12ユーロぐらい)、ドルチェ以外一通り食べ、カフェも飲んで58ユーロ。
c0159117_1575453.jpg

c0159117_1581111.jpg

by taurasista | 2008-04-20 15:09 | レストラン(イタリア)

翌11日は朝から本降りの雨。初めてのドリアーニDogliani地区なのに、ちょっと残念。
最初のアポは9時半にキオネッティ。日本では全く見かけないが、ピエモンテのレストランではどこでも置いていると言ってもいい、ドルチェットの代表的な生産者である。高木幹太さんの名著「イタリア銘醸ワイン案内」にも取り上げられている。
c0159117_2150390.jpg

ドリアーニはモンフォルテのすぐ南側。車で10分圏内である。初めてだったがほぼ迷わずに到着。いかにも農家っぽい作り手だと思い込んでいたのだが、出てきたマリアさん(当主Quintoの姪、と言ってたと思う)はとてもおしゃれな女性だった。これはちょっとしたサプライズ。

ここはたった2種類のワインしか作っていない。ともにDolcetto di Dogliani DOCの単一畑もののSan LuigiとBriccolero。2005年ヴィンテージからはDOCGを名乗れるのだが、敢えてDOCのままにしている。理由を尋ねると、DOCGだと名前が単なるDoglianiになりDolcettoが抜けてしまう。あくまでもDolcettoにこだわりたい自分たちはそれが嫌でDOCのままにしている、とのこと。DOCG名がDoglianiだけになったのは、ドルチェット=安ワイン とのイメージを嫌った一部生産者の意向が反映された結果であるという。(注:今ネットで調べると、Dolcetto di Dogliani Superioreという名のDOCGもある模様。これが事実だと上の話と辻褄が合わなくなるので、一緒に撮った写真を送るときにマリアに確認してみようと思う。ただ、ガンベロロッソで見る限り、DOCGはすべてDoglianiの名で出されているようだ。)

雨がひどく畑を見ることはできなかったが、畑はカンティーナのすぐ横。この辺りは標高が高い。San Luigiは450m、Briccoleroは500m。そう言えばネッビオーロの栽培は400m位が限界で、バローロ地区でもそれを超えるとドルチェットか白ブドウを植える、と言っていたのを思い出した。発酵・熟成ともステンレスタンク。

2006年の両クリュを試飲。

・Dolcetto di Dogliani San Luigi 2006
紫が強い色合い。赤系の花、サクランボウ。ミディアムボディーで柔らかく滑らか。非常にエレガントで女性的なワイン。バランス良し。南、南西向きの粘土質の畑から。アルコール13.5%。45,000本生産。

・Dolcetto di Dogliani Briccolero 2006
ほとんど黒に近い色調。非常に香りが豊か。サクランボウ、中国系のスパイス。パワフルだがとても滑らかなテクスチャーでバランス良し。男性的な素晴らしいワイン。14.5%。南東向きの石灰質の畑から。33,000本生産。

80%はイタリア国内で消費され、10%はアメリカへ。日本にはたった400本しか輸出されておらず、小売には全く回っていない。日本では「ピエモンテの安いワイン」「ネッビオーロ、バルベラよりも格下」(そんな格なんてないのに!)という風にしか認識されていない可哀そうなドルチェット。いいドルチェットは食事にも合わせやすく、気軽に楽しめる、本当に使い勝手のいいワインである。このキオネッティのようなドルチェットに身近に接する機会があれば少しは良さが理解されるのに、と思うと、本当に本当に残念でならない。
by taurasista | 2008-04-18 21:54 | カンティーナ訪問

La Morraのアルターレを出てそのままBaroloの村を抜け、Monforte d'Albaの丘の上にあるConterno Fantinoのカンティーナへ。Monforteの高台に位置し、周囲が一望できる素晴らしい立地である。3月にフーデックスで会ったFabio君達が出迎えてくれた。あちさんのコメントにあったとおり、Fabio君、確かに「プロゴルファー〇〇」に似ている。そういえば、この漫画、確か〇〇のクラブに使う木の根っこを愛犬が鼻を利かせて掘り出す、なんてシーンがあった記憶が。これってピエモンテ名物の白トリュフ犬ならぬ「ゴルフ犬」???? こんなとこにも共通点が、なんてことはさておき、まずは自慢の畑Sori Ginestraへオンボロのフィアット・パンダで向かう。
c0159117_22122619.jpg

Ginestraはパワフルなバローロを産み出す非常に有名なエリアでSori Ginestraはその一部。真南に面し、平均樹齢は35年とフルポテンシャルを発揮できる状態。土壌は砂、粘土。(同じGinestraでももう一つのクリュであるVigna del Grisの方がやや砂質が強い。こちらは南東向き)。谷を隔ててSerralungaの畑と向かい合っていて、ここからはBruno GiacosaのFallettoやGiacomo ConternoのCascina Francia、Pio CesareのOrnatoといった高名な畑が良く見える。栽培はオーガニックではないが、限りなく自然な方法で行っていて、例えば堆肥なども自分たちで作っている。その香ばしい(?)香りを嗅ぎつつ、カンティーナに戻る。カンティーナは比較的新しく(確か90年代の初めまではSori Ginestraの横でワインを作っていた、と言っていたと思う)、ロータリーファーメンター、ステンレスタンクやバリックが整然と並んでいる。

カンティーナでは矢継ぎ早に試飲したので、きちんとノートを取れなかったが、看板ワインのバローロ・ソリ・ジネストラBarolo Sori Ginestraはこういう感じ。

・2007年(バリックから)
香りは完全に新樽に支配されているが、物凄い量のタンニン。非常に大柄なボディで果実味は爆発的。
・2006年(バリックから)
これも香りは新樽に支配されているが、カシスが香る。これもタンニンが非常に強く、大きなワイン。
・2005年(バリックから)
年がたってやや落ち着いてきているせいもあるが、06年や07年に比べてフルーツは程よく抑制されエレガント。だいぶバランスが取れてきている。
・2004年(ボトルから)
スミレ、中国系のスパイス、土っぽさ、紅茶のニュアンスなど、複雑な香り。非常にタニックだが、フルーツ、酸、タンニンといった構成要素がどれも非常に高いレベル。まだまだ飲み頃には遠いが、相当なポテンシャルを持ったワイン。
・1995年
これはブラインドで出てきた。腐敗土、紅茶など熟成系の香りが出ている。色も少しオレンジがかかっていて、それなりに熟成したヴィンテージと予想。酸はびしっと決まっていて、まだまだフルーツも全然落ちていないが、昨秋飲んだ90年とは全くニュアンスが違い、かなり落ち着いている(90年はフルーツも酸も物凄く高いトーンで、まだまだ暴れ馬という感じだった)。結果は95年。いい年だがベストの年ではない。8月に雹が降り、十分選果したが残ってしまった傷付いた果実からアグレッシブなタンニンが出てしまい、彼らとしては100%満足が行くヴィンテージではなかったとのこと。

試飲を終え、一家の人たちとシャンパーニュで乾杯。今回の訪問をアレンジしてくれたエージェントのちひろ嬢によると、ピエモンテの生産者が自分で飲むのは、自分や仲間のワイン、そうでなければシャンパーニュなのだそうだ。

そして夕食はバルバレスコの南側TreisoにあるLa Ciau del Tornavento。3年前にランチして以来である。アメリカのエージェントや友人の作り手も合流し総勢16人ぐらいで大テーブルでのディナー。ここでもスタートはシャンパーニュ(テタンジェ)。赤のメインはBarolo Vigna del Gris 96年。非常にクラシックでバローロ愛好家のヴィンテージ。Sori Ginestraに比べると優しく滑らか。タンニンはまだまだ強いが、非常にきめが細かい。実は情けないことに食事を食べ終わった後で時差のせいか居眠りしてしまったのだが(年ですね・・・)、このワインで目が覚めた。このリストランテも厨房には日本人が3人。最後にカンティーナを見せてもらう。ピエモンテでもトップクラス、との評判にたがわず、凄い、凄い。Barolo Monfortinoの古いヴィンテージがずらっと並んでいる。思わず写真を撮ってしまった。
c0159117_22133173.jpg

翌日はインプリチト軍団と別れてドルチェット巡りである。これは別記事で。
by taurasista | 2008-04-17 22:14 | カンティーナ訪問

マルカリーニに続いてご近所のアルターレへ。長女のSilviaがヴィニイタリー以来連日連夜ゲストと一緒で大変、と言いながらいつものホスピタリティーで迎えてくれた。2年振りの訪問だが、最近こんな変化が。

●エリオ引退~公式には昨年引退したとのこと(実際にはちょっと働く時間が減っただけ)。従ってSilviaが公式には現在の当主ということになる。
●次女のElena結婚~訪問の次の週に結婚
●Tetsuさん登場~アルバの醸造学校で勉強中の日本人Tetsuさんが現在こちらで修行中。彼のことはいろいろなカンティーナで聞いた。作り手に本当にかわいがられているようで、日本人としては嬉しい限り。

前にも書いたとおり、カンティーナの前にアルボリーナArborinaの畑が広がっているのだが、最近毎年のように雹被害を受けているため、斜面上部のバルベラ、ネッビオーロには雹よけのネットを取り付けていた。Tetsuさんによるとここはちょうど雹の通り道になっているとのこと。2006年はゴルフボール大のものが約30分降り、特にラリージLarigiに用いるブドウの被害がひどかったが、慎重に選果した結果ワインはいいものができたとのこと。ただし例年(約3,000本)にも増して量が少なく、バリック4つ(約1,200本)しかない。2006年は雹がなければ最高のヴィンテージだったのに、とSilviaは大変悔しがっていた。

試飲はノーマルのバローロの2003年と2004年。ノーマルのバローロはラ・モッラの畑だけではなくCastiglioneとSerralungaの畑をブレンドしている。

・Barolo 2003
酷暑のヴィンテージらしく果実味が前面に出て非常に柔らかい。収穫は例年より1カ月早く9/26までに終えたとのこと。複雑さはないが今飲んでおいしいバローロ。

・Barolo 2004
ちょうどリリースしたところ。クリュのArborinaとBrunate(Brunateは自社畑ではなくMario Marengoからリース)は今年9月にリリース予定。スミレ、スパイス、土の香り。酸は高めでとてもエレガント。バランスもいい。ベーシックラインのバローロとしては相当高水準で、ArborinaとBrunateへの期待大。全て使用済のバリックで熟成。

おみやげのBarolo Arborina 2004年のマグナムにサインをもらって(そのうちインプリチトに飾られることだろう)、再会を約束して別れ、Conterno-Fantinoへ向かう。
by taurasista | 2008-04-16 21:37 | カンティーナ訪問

カヴァロットで約2時間半過ごした後はホテルに戻りインプリチトグループを出迎え、そしてマルカリーニに向かう。マルカリーニはラ・モッラLa Morraの村のちょうど入口に位置する。カヴァロット同様ここも歴史の長いカンティーナである。自社瓶詰めは58年からで、当初からクリュの概念を持ち、クリュの名前をワイン名に入れていた。バローロは2つのクリュ、ブルナーテBrunateとラ・セッラLa Serraから。

当主のManuelさんのアテンドでBrunateの畑に向かう。Brunateはラ・モッラ村とバローロ村にまたがっていて、バローロの中でも最も評価が高いクリュのひとつ。全体で17haのうちマルカリーニは4.5haを所有。これはチェレットCerettoと並んで最大である。現在Cerettoが持っている畑ももともとManuelさんの一家が持っていたそうだ。一番古い樹は樹齢60年。多くは86年の雹被害の後に植え替えられた。Manuelさんによると、経験的に言うとブドウの質は樹齢10~50年の間は変わらないそうだ。50年を超えると病害にも弱くなるので、機を見て植え替えるようにしているとのこと。粘土質でマグネシウムが多い土壌。標高は約300m。醸造手法は極めて伝統的なもので、長い発酵・マセラシオン期間、大樽熟成。
c0159117_074772.jpg

試飲したワインは以下。

1. Dolcetto d'Alba Boschi di Berri 2006
砂質の土壌と特別なミクロクリマ故フィロキセラを免れた樹齢100年を超える自根のドルチェットから作られている。所謂ドルチェットらしいチェリーぽさはあるが、インクっぽさもあり、スパイシー。タンニンも強く、とてもがっちりした作りである。飲み頃は4~5年後か。個性的でこれまで飲んだドルチェットの中では最高のものの一つ。

2. Barbera d'Alba Ciabot Camerano 2006
ラ・モッラの畑とバルバレスコ近くの畑のブレンド。赤い果実にヨーグルト、ほのかにアーモンド。ミディアムボディーで酸は非常に高い。長い余韻。

3. Barolo La Serra 2004
ミネラル、フローラル、タールのニュアンス。ボディはそこそこでタンニンは強いがとても滑らか。

4. Barolo Brunate 2004
スミレ、スパイス。閉じている。La Serraよりもボディーは大きく、非常にタニック。飲み頃までかなりの期間が必要と思われる。素晴らしいポテンシャルを持ったバローロ。
by taurasista | 2008-04-16 00:09 | カンティーナ訪問

翌10日は時差で5時半頃目が覚めてしまう。いつものことなので特に気にはならないが。小雨模様。8時前に朝食を取る。ここの朝食のサラミやチーズは本当に美味しいので、いつもついつい食べ過ぎてしまう。

カヴァロットはホテルのすぐ近く。歩いても10分かからない距離にある。10時前に到着。オーナー一家のGiuseppeがアテンドしてくれた。カヴァロット家は5代にわたり畑を所有してきた名門生産者で、自社瓶詰めは1948年から。これはバローロの中で最も早いとのこと。畑面積は23ha。ワインは全て自社畑の葡萄を使用する。
c0159117_1359064.jpg

畑はカンティーナの周りに広がっているBricco Boschis(海抜350m)とVignolo(300m)。共に南西向き。Giuseppeいわく、ネッビオーロには夕方の優しい光が大切なので南西斜面が最も栽培に適しているとのこと。粘土、砂、石灰などが混じり合った土壌。栽培は基本的にはオーガニック。面白いのはピノネロから白ワインを生産していること。ピノを使った白ワインは知っている限りマルケ州のFattoria Manciniのみである。彼らが選んで植えたのではなく、Vignoloを購入するときに元々ピノが植えられていた畑も一緒に付いてきたのでそのまま栽培を続けている。北向きの条件の良くない斜面に植えられており、カヴァロットが購入する前はスプマンテ用としてフォンタナフレッダFontanafredda社に売られていた。元々赤ワインを作るクローンではないこともありカヴァロットでは白ワインを作っているのだが、非常に暑くて白に適さない年だけは赤を生産する。これまで赤が作られたのは91年、03年、05年の3ヴィンテージだけである。

醸造は伝統的な手法で行われる。マセラシオン及び発酵はステンレスタンクを用い、土地の個性を最大限ワインに反映させるためゆっくりと行う。ドルチェット以外はズラヴォニアオークの大樽Botte Grandeで熟成。以下テースティングノート。

1. Dolcetto d'Alba Vigna Scot 2006
赤い果実、ミネラルに土っぽいニュアンス。香りが高い。ミディアムボディーでタンニンは強いが全体的に優しいワイン。4-5日かけてマセラシオン・発酵。ドルチェットに関しては最近半日程度しかマセラシオンに時間をかけない生産者がいるが、基本的に若飲みのドルチェットと言えども4-5年は持つワインを作りたいので、昔通りの手法を守っているとのこと。

2. Barbera d'Alba Bricco Boschis Vigna del Cuculo 2004
赤い果実に土っぽいニュアンス、と書くと上のドルチェットと同じだが、実際似ている。Giuseppeいわく、それがまさに土地の個性とのこと。ミディアムボディーで酸は非常に高い。全体的によくまとまっているが、もう少し凝縮感があればさらに良い。マセラシオン・発酵は2週間。その後大樽で2年間熟成。Cuculo(カッコー)を名前にしているのは、畑で毎年カッコーが巣を作るからとのことである。

3. Pinot Nero 2005
これはまだリリース前のワイン。セラーから持ってきてくれたので温度が低く、なかなか開かなかったが、1時間ぐらいたってようやくチャーミングなイチゴの香りが。

4. Barolo Bricco Boschis 2003
2003年という非常に暑い年のバローロ。土っぽさ、ミネラル、タール。甘く飲みやすい。複雑さには欠けるが、今飲んでとても美味しいワイン。

5. Barolo Bricco Boschis 2004
来週ボトリング予定でステンレスタンクに入っていたもの。そういう状態なので最初は全く閉じていたが、徐々に花の香りが。タニックで余韻はとても長い。

6. Barolo Riserva Bricco Boschis Vigna San Giuseppe 2001
プラム、シナモン、スミレ、土、森の下草などとても複雑な香り。完熟した果実で甘さを感じる。強いが非常に熟したタンニン。とてもエレガント。本当の飲み頃まではまだまだだろうが、今飲んでも非常に美味しく、かつ大きな可能性を感じる。クラシックなスタイルの素晴らしいバローロ。30日間のマセラシオン・発酵後、66か月大樽で熟成。花とスパイスの香りが出るのはいいヴィンテージの証拠、とGiuseppe。

7. Barolo Riserva Vignolo 2001
San Giuseppeよりもミネラル感が強く、土っぽさは控え目。酸、タンニンも強い。San Giuseppeと比べ男性的なバローロ。力強さで優り、エレガントさでは若干劣る。タンニンはSan Giuseppeの方がややドライ。スタイルは違うが、これも素晴らしいバローロ。

どのワインにも共通するのが、自然にするすると喉を通って行き、全然飲み疲れしないこと。やりすぎ感のないとても自然な作りのせいだろう。Vigna San Giuseppe 2001年は今回の訪問で最も感銘を受けたワインのひとつである。
c0159117_14036.jpg

by taurasista | 2008-04-15 14:08 | カンティーナ訪問