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到着!

購入先でしばらく保管してもらっていたワインが到着。これまで何度も海外から購入しているが、無事届いてくれるといつもほっとする。過去に事故は3回。どれもイタリア国内だったが、何故か稀少なものが割れてしまう。Monfortino79年が割れたと聞いたときには、真面目に涙が出たものである。他にも81年のCase Basseなどが破損。昔流行った「何とかの法則」ってやつですかね。

今回はタウラージ5本にCase Basseの91年。タウラージは85/82年と前にも書いた68年の3本である。うち1本は友人K君の分。もう購入先にも在庫がなく、これが手の届く値段で買える最後の機会だったかもしれない。冬の間にPian d'Angeloを飲んでみようかな。

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by taurasista | 2008-01-29 15:21 | ワイン(イタリア)

オストゥ@代々木公園

代々木公園駅から徒歩3分、代々木公園近くの小さな公園に面したリストランテ。昨年開店。シェフはバローロの1つ星ロカンダ・ネル・ボルゴ・アンティコLocanda nel Borgo Anticoで長く2番手を務めた方とのことで、ホームページ掲載のメニューにはピエモンテの名物パスタであるタヤリンやアニョロッティ・ダル・プリンがしっかり並んでいる。ピエモンテ料理好きの私としては早く試してみたくて、ある平日ふと思い立って1人でランチに行ってみた。

お店は窓を大きく取って光が十分に入る設計。店内も黄色を基調にして非常に明るく暖かな雰囲気である。スタッフは厨房2名、サービス1名。オープンキッチン。

ランチコースは1,800/2,800/3,800円の3種類。前菜-プリモ-セコンド-ドルチェ-カフェの2,800円を選択。内容は
前菜=子持ちタコの煮込み
プリモ=4種類のきのこ和えのタヤリン (チョイスあり)
セコンド=子羊のロースト マスタードソース

味付けはどれもしっかり目だが、決して重くはない。セコンドの子羊は量もたっぷり。肉は綺麗なピンクで火入れが非常にいい。マスタードソースということでちょっとフランスのビストロ料理っぽいかな。ワインはグラスで飲めるのはハウスワインのみで選択肢はなし。白赤ともポデーリ・デル・パラディーゾPoderi del Paradisoのもので、白はヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノVernaccia di San Gimignano、赤はキャンティ・コッリ・セネージChainti Colli Senesi。それぞれ1杯ずついただく。ヴェルナッチャはキャラがシャルドネと似ている。そう言えば12月の濱崎でもそう感じたっけ。この品種、これまでは余り印象が残らなかったが、なんとなくつかめてきた。

サービス料もなく(夜はコペルトあり)これで4,500円(カフェをドッピオにしたので100円プラスになった)。イタリアでもこのレベルの食事をこの値段で食べられる所は多くないだろう(ちなみにイタリアでは基本的に昼夜同メニュー同料金)。次回は夜にアラカルトで食べてみたい。それにしても、こんなお店がどんどん出てくるなんて、東京の食は本当に凄いと思う。
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by taurasista | 2008-01-27 19:56 | レストラン(日本)

大分時間が経ってしまったが、年末にディナーで訪問したラ・バリック・トウキョウのレポートを。

このお店のことはインプリチトの武智さんやウインターローズの下平さんから聞いて知った。江戸川橋というイタリアンとは縁がなさそうな場所で、オーナーの育った古い日本家屋を改装した面白いつくりのリストランテ。オーナーがサービスを務めたトリノの1つ星ラ・バリックLa Barriqueから暖簾分けしてもらい、昨年10月に開店。
訪問の1週間前に電話で予約したのだが、対応が丁寧かつメニュー等の説明も非常にわかりやすくサービスのレベルもかなり期待できそう。かなりいいお店の予感がする。

お店は江戸川橋駅から歩いてすぐ。入口がわかりにくいと言われていたが、すぐに見つかった。聞いていたとおり古い一軒家。靴を脱がずに玄関を上がるのはちょっと不思議な気分である。中は見事にリフォームされている。我々は6名だったので、2階の個室を案内された。

メニューは事前に決めていた。6,500円のあらかじめ内容が決まっているコースと8,500円の選択肢があるコースがあるが、折角なので8,500円の方に。
選んだのは
前菜①=鮑と根菜のサラダ仕立て
前菜②=バッカラのコロッケ
プリモ=タヤリン 羊のラグーソース
セコンド=熊本産馬肉のタリアータ バローロソース

ワインリストも充実している。5本いただく。
1. Couvée Brut (Costaripa)
2. Riviera Ligure di Ponente Pigato di Albenga 2006 (Cascina Feipe)
3. Pico (ヴィンテージ失念) (La Biancara)
4. Nebbiolo d'Alba 2004 (Giuseppe Mascarello)
5. Molmenti 2004 (Costaripa)
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3/4は料理の地方に合わせて選んだ。5は今日どうしても飲みたかったロゼだが、非常にボディがあるのでメインと合わせるのが良いとのアドバイスでトリを務めてもらうことに。
このロゼはイタリア最強のロゼとも言われる位素晴らしいものである。コスタリパはロンバルディア州の東端ガルダ湖畔に位置するカンティーナでこのロゼはグロッペロGroppello、マルツァミーノMarzemino、サンジョベーゼSangiovese、バルベラBarberaのブレンド。温暖なテロワールを感じるふくよかなワイン。非常にジューシーで余韻が長い。

料理、サービス、ワインリスト、雰囲気、どれを取っても極めてレベルが高いリストランテだった。中心部に比べて食べ慣れた客層が少ないのでメニュー構成が難しいとのお話だったが、是非マニアックな部分も保っていて欲しいと思う。間違いなく昨年開店した中で、いや東京でベストのリストランテの1軒だろう。再訪が楽しみである。
by taurasista | 2008-01-23 07:41 | レストラン(日本)

あら輝

昨日は3年振りに用賀の「あら輝」へ。経験値が低いので鮨についてはなかなか上手く表現できないが、私の鮨のベンチマークはここである。特に熟成された鮪の美味さは、鮮明に記憶に残って離れることがない。

鮨の凄さは勿論のこと、いつも感心するのが大将の興味の広さである。北京から一時帰国した友人と一緒だったのだが、中国の食事情について非常に熱心に聞いておられた。
ミシュラン東京には何故か掲載されていなかったが、前に聞いた話だと、そもそも東京中心部の店しか審査・掲載対象でない、とのこと。もし「あら輝」が銀座辺りに移転、となると間違いなく3つ星候補となるのだろう。個人的にはずっとこのまま用賀にいて欲しい、と思うのだが・・・・・。

鮨を堪能した後はタクシーでインプリチトへ。何故か途中からブラインド大会が始まる。キャンティ05年、デュエ・テッレLe Due Terreのサクリサッシ・ビアンコSacrisassi Bianco 2003年はいくつかヒントをいただいてずばり正解。アルト・アディジェのシャルドネは大はずれ。やはりブラインドは知識の整理と感覚を磨くのに役に立つ。結局3時半ごろまで。帰宅して爆睡。
by taurasista | 2008-01-19 16:58 | レストラン(日本)

昨年秋12年振りにプーリアを訪問した。その頃は今と違って観光が目的で、この時はカンパーニャのパエストゥムでギリシャ遺跡を見てから一気に車を走らせアルベロベッロへ。アルベロベッロではトゥルッリに1泊(その名もホテル・トゥルッリ)、翌日にはローマ近郊のチヴォリに向かう、という駆け足名所巡りの旅だった。その頃は円高リラ安のピーク。全てが超バーゲン価格だった。日本では20万円以上のZegnaのスーツが免税すると7、8万円だった記憶がある。ワインも安かったんだろうなぁ。80年代や70年代のMonfortinoやSassicaiaでもケース買いしていれば今頃ひと財産だったのに、なんてちょっと悔しい思いもするが、実際には惜しくて売る気になれないんだろうな・・・。
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さて、モレッラMorellaはプーリア中部のマンドュリアManduriaで創立された新しいカンティーナである。ファーストヴィンテージは2001年。オーストラリア人のLisaとプーリア(確かバルレッタBarletta)出身のGaetanoの夫婦二人で切り盛りし、年間生産本数はたった1万本強と本当に小さなカンティーナ。ガンベロロッソでその存在を知り是非訪問してみたいと思っていたのだが、インポーターがウインターローズだと判り、同社の下平さんにお願いしてアポを取ってもらった。カンティーナはほとんど道端の倉庫、である。設備はまだまだ発展途上。写真は発酵桶。手でピジュアージュ!
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ワインはバリックを使いモダンな感じを持たせつつ、果実味、酸のメリハリがびっしと効いた、インパクトがありかつバランスも良いもの。Primitivo Old Vines、Primitivo La Signora、Primitivo Malbecの3種類を生産。フラッグシップのPrimitivo Old Vinesは古木のPrimitivo100%。プラム、チョコレート、ヴァニラの香り。果実の凝縮感が非常にあり、かつ熟していて甘い。アルコールは強いがバランスがいいので余りそれを感じさせない。モダンでありながら品種の特徴をしっかり伝えてくれる非常に心地よくレベルの高いワインである。
当初は新樽100%で熟成していたが現在の新樽率は30~40%。ちなみに、マルベックを植えている理由はフィロキセラ以前にこの地域で広く栽培されていた品種であり、かつPrimitivoとのブレンド用に相性がいいから、とのことである。
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最後に畑に連れて行ってもらう。土壌はテッラ・ロッサ。鉄分の多い粘土質土壌である。写真で見るよりも実物はずっと赤い。樹は伝統的なアルベレッロ仕立て。樹齢は古い。一番古いもので80年程度。プーリアにはこのような古木がまだかなり残っている。LisaとGaetanoはシチリアを本拠地とするカラトラージ社の元同僚でプーリアの葡萄を買い付ける仕事に従事していた。従ってプーリア中の畑を熟知していたので、この畑が売りに出たときに迷わず飛びついたとのこと。畑の先はなだらかにティレニア海に向かって傾斜している。海は約1.5km先。ここから見える景色は本当に素晴らしい。資金が出来たらこの畑の一角にカンティーナを建てたいとGaetano。

何と我々が最初にこちらを訪問した日本人だった。プーリアは確かに距離的にはローマやミラノからは遠いが、ミラノからブリンディシまで飛行機でたったの1時間半である。プーリアの景色は本当に美しい。空の青さが違う。夜空の星の多さはこれまで見たことがない位。食文化もかなり面白い。今回はコジモ・タウリーノCosimo Taurinoも訪問予定だったのだが、アクシデントでキャンセルすることになってしまったので、結局このエリアのカンティーナはこのモレッラだけしか行けなかった。それもあり是非近いうちに再訪したいと思う。ちなみにイギリスでは観光業界がプーリアを「第二のトスカーナ」と呼んで大プッシュしているのだそうだ。外国人で溢れるトスカーナみたいになってしまうとプーリアの素朴な良さが失われるような気がして少し心配である。
by taurasista | 2008-01-17 17:18 | カンティーナ訪問

ブログのタイトルに合わせたわけではないが、今年最初のワイン会は熟成したタウラージとバローロを比べてみよう、という企画にしてみた。ワインは以下のとおり。場所は名ソムリエ檜山さんが昨年12月にオープンしたばかりのボッテガ・デル・グースト@赤坂。
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これを企画したのは、昨年来熟成したタウラージを何本か飲んでいるが、その多くがバローロとかなり似ていたので、一緒に飲んでみたらどうなのかを試してみたくなったからである。ちなみに、タウラージは「南のバローロ」と呼ばれる。色々な文献を読む限り、これはある程度一般的な表現になっているようだが、一方で昨年会った南の生産者はバローロを「北のタウラージ」と呼んでいた。近年非常に注目されているタウラージ、生産者たちもかなり自信を持っているということか。ではテイスティング・ノートを。

1. Alto Adige Valle Isarco Eisecktalar Sylvaner 2005 (Kuenhof)
強いミネラル。白い花、スパイス(白胡椒?)。2時間後には蜂蜜ぽさが。ミデイアムボディー。アタックは決して強くなく柔らかだが、少したつと果実ががちっと舌を掴む。強く美しい酸。フィニッシュは長い。
2. Barolo Marcenasco 1979 (Renato Ratti)
当初の計画ではバローロ、タウラージを取り混ぜてヴィンテージ順に飲むつもりだったが、檜山さんのアドバイスでバローロを先に。色はかなりレンガ色がかって、かなり熟成していることを予想させる。香りは高いが既に少し果実が落ちてきていて、若干酸化のニュアンスあり。ピークは4-5年前だったか。いい状態のボトルであれば、こういうふうに下り坂にはなっていなかったはず、と檜山さん。そういう点で若干残念ではあったが、美しく老いてきていて、おいしいワインではあった。
3. Taurasi Riserva 1985 (Mastroberardino)
4. Taurasi Riserva 1982 (Mastroberardino)
5. Taurasi Riserva 1968 (Mastroberardino)

これも檜山さんのご配慮で3本同時にヴィンテージを隠して出していただく。85/82はともかく10年以上離れた68は色だけでわかりそうなものだが、どれも深いガーネット色で全く区別が付かない。若干熟成香が強い68はかろうじてわかったが、85/82ははずしてしまった。85年はガチガチ。結局最後まで十分開かないままだったが、構造の堅牢さと熟成ポテンシャルはかなりのものだと感じた。一番おいしかったのは82年。ベリー系よりもドライハーブ、葉巻、皮革といったニュアンスを強く感じる。まだまだ力に溢れ、酸も強く、あと軽く10年は熟成を続けるだろう。68年は82年と似たニュアンス。若干森の下草系の香りが強いか。
ともかくどれも異常に若々しい。85/82年もブラインドなら20年以上たったワインとは言わなかったと思う。68年の若さには絶句!。また、非常に開きが遅いワインである。昨年68年を飲んだときには、40年近く経過したワインにもかかわらず内藤師匠は前日抜栓されていたが、これぐらいの対応が必要なのだろう。熟成の進み具合の遅さに関しては、非常に温度の低いところで保存されていたことも考えられる。購入したお店に聞いてみようと思う。あともうもう一点。85/82年のボトルが安っぽい。底は平べったいままで、使われているガラスは不純物が多いのがボコボコ。そして軽い。80年代はお家騒動と80年の大地震でMastroberardinoが財務的に苦しかったのであろうことが偲ばれる。

今日飲んだワインではバローロとタウラージの類似点は余り見出せなかったが、今後も個人的なテーマとして研究しようと思う。85/82年はまだもう1本持っているので、5年後(早いかも)か10年後まで待ってもう一度試してみよう。それにしても息の長い話であるが。

一通り飲み終わった後はグラスでブラインド。「これは絶対当たりませんよ。当たったら食事代タダでいい。」と檜山さんが強気で出してきた赤、モンテのスーさんが見事に品種を当てた。マルケMarche州のラクリマ・ディ・モッロ・ダルバLacrima di Morro d'Alba。作り手まで当てることが条件だったので、残念ながらタダにはならなかったが、スーさん、お見事でした。確かにこういうお花っぽい華やかな香りが出る赤といえばこの品種なのだが、なかなか頭に浮かんでこない。これ以外はラグレインLagreinとヴェネト州の変態自然派生産者ビアンカーラBiancaraのサッサイアSassaia。前者は3度目ぐらいで当たったが、どうもまだこの品種を上手く掴めないなあ。だいたい最初ははずしてしまう。後者はフリウリの変態度がそれほどでもない生産者のフリウラーノと読んだが、はずしてしまった。Biancaraは年末にラ・バリック・トウキョウで飲んでいたのだけど・・・・・。そして最後のヴェルディッキオVerdicchioは完全にはずれ。まだまだ修行が足りないことを実感。
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24時ごろお店を出て今年初のインプリチトへ。26時過ぎまで。帰りのタクシーの中で二日酔いの兆しの頭痛が。まあ明日も休みだしいいか、と楽天的に27時前就寝。(案の定今日日曜日は二日酔いで大人しくしています。)
by taurasista | 2008-01-13 16:42 | ワイン会

「昨年最も印象に残ったワイン」シリーズの最終回は第1位 Taurasi Riserva Montemarano 1968 @ ヴィーノ デッラ パーチェ (7月18日)

1968年生まれのワインラヴァーは必ず言う。「自分はバッド・ヴィンテージ生まれだ」と。この年はボルドー、ブルゴーニュは最悪のヴィンテージであり、その他の主要生産地も決していい年とは言われていない。ところが、一つだけあるのである。68年が世紀のヴィンテージだった生産地が。それがタウラージである。

このワインはパーチェの蔵出し会で内藤さんが最後の1本を出してくれたもの。前日抜栓で万全の状態でサーブしていただいた。40年近く経過してまだまだ元気なワインである。カシス、葉巻、レザー、コーヒーなどの複雑な香り。完全に熟成しており、若いうちは巨大で硬かったであろうタンニンも完全にこなれ、甘く、完璧なバランスで、エレガント。メンバーの誰もがグラスに口をつけてからしばらく一言も発しなかった。それ位驚きと感動があるワインであった。

マストロベラルディーノMastroberardinoがこのエリア名付きのタウラージを生産したのは後にも先にもこの年だけである。このモンテマラーノMontemaranoの他に、カステルフランチCastelfranciとピアーノ・ダンジェロPiano d'Angelo。最初の2つは村の名前で地図にも載っている(現在モンテマラーノを拠点とする代表的な生産者はサルヴァトーレ・モレッティエーリSalvatore Molettieri、カステルフランチはペリッロPerillo)。Piano d'Angeloは村の名前ではなくタウラージ村の一区画のようである。この年は質・量とも最高のブドウが収穫できた年で、この3種類以外に通常のタウラージとリゼルヴァが生産された。このあとも素晴らしい収穫年はあったのに(77年など)なぜこれらエリア名付きのワインが生産されなかったのだろうか?詳しいことはわからないが、70年代にお家騒動が勃発したこと(結果、テッレドーラTerredoraが分離)や80年の大地震が原因であるようだ。

この年しか存在していない歴史的なワイン、そしてその与えてくれた感動、やはり2007年の1本といえばこれを置いて他にない。

その後3種類のエリア名付き及びリゼルヴァを手に入れた。まず手始めに来週リゼルヴァを同じ85/82年のリゼルヴァと79年のバローロ(レナート・ラッティRenato Rattiのバローロ・マルチェナスコBarolo Marcenasco)と一緒に飲む予定。結果は追ってアップします。

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by taurasista | 2008-01-05 22:19 | ワイン(イタリア)

Taurasi Vigna Cinque Querce 1988 (Salvatore Molettieri) 9月11日@Oasis Sapori Antichi (Vallesaccarda, Campania)

結局1月になってしまったが、2007年印象に残ったワインシリーズ、3位モンテヴェトラーノMontevetranoに続く第2位は、訪問記をアップ済みのSalvatore Molettieriが最初に自らボトリングしたヴィンテージである88年のタウラージ。熟成は大樽のみ。瓶詰めは確か95年だから、大樽熟成の期間たるや、ほとんどジャコモ・コンテルノGiacomo Conternoのバローロ・モンフォルティーノBarolo Monfortino並みである。

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ドライフラワー、プリューン、レザー、スパイスなどの非常に複雑な香り。酸は生き生きとしており、果実味も強固。タンニンはまだまだ強いが、熟して甘く、全体の中にしっかり溶け込んでいる。古いタウラージと言えば連想される酸化したニュアンスも感じられず、アフターの長さは特筆ものであった。系統的には4位に挙げたバルトロと同じく「しみじみと旨い」系のワインである。80年代のタウラージと言えばマストロベラルディーノ。それ以外のタウラージは存在していなかったに等しい(フェウディ・ディ・サン・グレゴリオFeudi di San Gregorioなどが台頭してくるのは90年代中盤)。そういった点でも歴史的な価値があるワインである。これを70ユーロで飲むことが出来たのは本当に幸運だったと思う。

ところで、この3日後にアヴェリーノAvellinoのラ・マスケラLa Mascheraで96年も飲んでみた。96年は最初にバリックを使用した年である。このワインはというと、残念ながらピークは2,3年前だったかな、という印象。いわゆる古い「タウラージ的」な酸化したニュアンスがあり、果実は既に落ちてきている。バランスは保っていて、美味しいワインではあったけれど。ヴィンテージやバリック使用の習熟度合いなど色々な要素があるので、88年と96年を比較して単純に大樽の方がいいと論じるのはナンセンスではあるが、伝統的手法で大樽を用いて作られているハイクオリティの熟成したワインからは、酸いも甘いも雑味も旨みも全て飲み込んだ、度量の大きさを感じる。まさに88年はこれに当たる。近年の栽培、醸造技術の進歩は目覚しく、理論的には現在の方が良いワインを作れるはずなのだが、例えば最優良年とされる2001年は88年と同じ魔力を発することが果たして将来出来るのだろうか?
by taurasista | 2008-01-03 08:35 | ワイン(イタリア)