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昨日は久しぶりに友人を招いてホームパーティー。うちでやるのは6月以来だから半年振りである。トータル7名でワインはこちらで揃え、料理は一人一品持ち寄り形式。まずはワインのコメントを。
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1. DUBL 2004 (Feudi di San Gregorio)
ジャック・セロスとのコラボで作られる、カンパーニャの地場品種ファランギーナだけを用いたスプマンテ。柑橘類、ミネラル。比較的甘みを強く感じる。構造は緻密だがアフターの長さはそれほどない。おいしいが、まだいいフランチャコルタのレベルには達していないと思う。これがファーストヴィンテージなのでこれからの進歩を期待したい。
2. Soave Classico Calvarino 2005 (Pieropan)
グレープフルーツ、ミネラルにナッツのニュアンス。フレッシュな酸が全体を引き締め、非常にバランスが良い。余韻も長い。2,000円台最強の白、と言ってもいいワイン。ガルガネガGarganega70%、トレッビアーノ ディ ソアヴェTrebbiano di Soave30%のブレンド。
3. Fiano di Avellino 2005 (Pietracupa)
これも2,000円台最強の白の1本。強いミネラル感は共通だが、コリ ディ ラッピオColli di Lapioなどよりボディも甘みも強い。テロワールの違いか?切れの良い酸、アフターも素晴らしく長い。
4. Irpina Aglianico Cinque Querce 2004 (Salvatore Molettieri)
まだ若くてぴちぴち。スミレ、スパイスなど香りはとても華やか。さすがにタウラージほどのヴォリューム感はないが、バランスがよく今飲んでも充分楽しめる。これもまだ2,000円台で買えるはず。
5. Taurasi 2000 (di Prisco)
10時間前に抜栓。開けたては完全に閉じていたが、夜には素晴らしいワインに。黒い果実、黒胡椒、皮革、土などの強い香り。口に含んでみると意外に軽やかで非常に滑らか。アフターも長い。口に含んで少し時間がたってから強いタンニンのグリップが来る。タンニンが完全にこなれる5年後ぐらいがピークか。
6. Barolo Vigna Plicotti 2000 (Silvio Grasso)
これもdi Priscoと同時に抜栓。色はややレンガ色がかかっており、ある意味ネッビオーロらしい。ヴァニラの甘い香りが基調で、それにプリューンやドライフラワーの要素が加わる。丸くて甘くて飲みやすく、美味しいワインであることは間違いないが、酸が弱くバローロらしさには欠ける。非常に暑い年だった2000年の特徴なのだろう。同じ作り手のバローロでは昨年飲んだ96年(クラシックな年)のブリッコ・ルチアーニBricco Lucianiが素晴らしかったので、作り手の個性だとは思えない。エスプレッソ誌が非常に高得点(20点満点中19点)をつけたとのことだが、かなり納得感に欠ける評価・・・・・・・・・・・。
そういえば今年リストランテ濱崎のブラインド会で飲んだ同じラ・モッラLa Morra村のロベルト・ヴォエルツィオRoberto Voerzioの2000年(確か畑はチェレキオCerequio)も似たようなニュアンスだったなぁ。ちなみに、2000年のバローロと言えばアメリカの某ワイン雑誌WSが100点満点のヴィンテージと評価している。まあ、評価基準は人それぞれですからね。。。。。。。。

Live8に始まり最後はマリア・カラスと色々な音楽のDVDを見ながら盛り上がり、最後はロマーノ・レヴィRomano Leviのグラッパを飲んで今年最後の会も終了。いい会だった。来年も楽しもう!
by taurasista | 2007-12-31 14:34 | ワイン会

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今年のクリスマスイヴの夜は10数年振りに外で食事。前日の夜インプリチトで飲んでいた時に突然決まった話なのだが、たまたま階下のオステリア・スプレンディドが4名までならokということで、ここに決定。

「クリスマス・メニュー」というとバブル時代の記憶の後遺症か、入店時間と退店時間が予め決められて、客全員(カップルのみ)がその後の展開を考えて少し緊張しつつ同じものを食べている(まさに自分がそうだった)、という印象を持っていたのだが、ここのような大人が集まる店だとみんなそれぞれ好きな時間に来て、くつろいで食事をしている。また、それぞれの食事に対しアビナメント(マリアージュ)を考えたグラスワインを出してもらえるという形式もイタリアらしくて良い。日本ではまだそれほど普及していない形式であるが、イタリアワインと食の多様性を表現するにはいい方法だと思うので、もっと多くの店で始めてくれるといいな、と思う。(血気盛んな連中が使う店の雰囲気は90年代と同じなのだろうか。ちょっとのぞいてみたい気がする。)

ということで、食事とワインを満喫した後は前日に続いて上階インプリチトで2時半まで飲んでいた。2日連続だったので翌日は家でゆっくり。
by taurasista | 2007-12-31 13:17 | レストラン(日本)

「今年印象に残ったワイン」シリーズ3回目はモンテヴェトラーノMontevetrano。ヴィンテージがないのはカンティーナ訪問の印象も含んでのランキングだからである。

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モンテヴェトラーノを最初に飲んだのは確か6、7年前、ヴィンテージは94年だったと思うが、それまで飲んだリカルド・コタッレラRicardo Cotarellaの手がけたワインとは全く印象が異なり驚いた記憶がある。コッタレラのワインというと樽がたっぷりのって、果実味が最初にどん、と来る、というイメージだったが、モンテヴェトラーノは違った。決して巨大なワインではなく、アタックも決して強くはないが、ミッドからアフターはとても充実していて、シルキーでバランスが取れている。温暖な地方らしくカベルネの青臭い香りはなく、タンニンは熟して甘い。若いうちも楽しめるが熟成もする、とても品がいいワイン。その後何度か飲む機会があったが、印象は一貫している。

アポは15時。午前中バジリカータ州のテッレ・デリ・スヴェーヴィTerre degli Sveviを訪問、その後ランチ抜きでバジリカータを走り抜け、南側からアプローチ。アポの30分ほど前に来訪確認の電話が入る。これはイタリアでは初めてである。カンティーナ近くのガソリンスタンドで待ち合わせ。高速道路A3のPontecagnano出口から10分もかからずに待ち合わせ場所に到着。カンティーナは待ち合わせ場所から山道を5分程上がったところにあった。意外に市街地から近い。サレルノの町まで15~20分程度か。

同じカンパーニャでも先に訪れたタウラージのエリアとは明らかに空気が違う。空気は柔らかく、結構湿気がある。高度(タウラージよりもだいぶ低く海抜250m程度)と海に近いせいだろう。カンティーナではオーナーのシルヴィア・インパラートSilvia Imparatoが出迎えてくれた。年齢はおそらく50代半ば。小柄でにこやかだがどこか威厳がある。まずは栽培・醸造担当のドメニコに畑と醸造設備を案内してもらう。モンテヴェトラーノの品種構成はカベルネ・ソービニオン60%、メルロー30%、アリアニコ10%。それぞれのプロットを歩いて回る。
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土壌は火山灰を含む石灰粘土質土壌。畑の背後の絶壁の上には城の廃墟があり、この城の名前がモンテヴェトラーノである。城自体は違うが、城の下の一帯は全てインパラート家の所有とのこと。どれぐらいの価値があるのかはわからないが、ともかく相当な資産家であることは間違いない。収穫は9月後半で、訪問した日から10日以内に収穫を開始予定とのこと。

醸造は特別なことをやっている訳ではなく、特筆すべき点は強いて言えばミクロオキシジェナシオンを行っている位か。フレンチオーク(新樽率50%)で1年弱熟成、瓶熟6ヶ月後にリリース。見学の後はシルヴィアと一緒にテラスで2005年、2004年、2001年を試飲。

とてもカベルネらしくカシスが香る2005年、より甘くボディが強く今飲んでも非常に美味しい2004年、カシスやチョコレートの香りに少しスパイスが混じり、タニックな2001年と、ヴィンテージと熟成の度合いによる違いはもちろんあるが、基本の部分は日本で持っていた印象通り。恐らく誰が飲んでも素直に美味しいと思うワインだろう。

シルヴィア曰く現在初期のヴィンテージ(ファーストヴィンテージは91年)は非常にいい熟成をしているとのこと。残念ながらこれはご相伴に預かれなかったが。その他いろいろなワインと食の話で盛り上がり、結局3時間以上滞在することに。
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彼女は世界中を旅してあらゆる美味しいものを食べている。特にフランスの食文化には造詣が深い。日本にも何度か来たことがあり、日本食にも非常に関心が高い。これまで東京では美味しいイタリアンを食べていない、というので、何軒か薦めておいた(もちろん普段大変お世話になっているインプリチトも)。最後にこの日の夕食のお店(アヴェリーノAvellinoのラ・マスケラLa Maschera)を紹介してもらい(予約も取ってくれた)別れを告げた。

全体的な印象。非常に貴族的なカンティーナである。とにかく万事にゆとりがあり、エレガント。お金儲けは目的ではなく、とにかく自分が好きなボルドースタイルの優れたワインをここカンパーニャで作りたい。こんなスタイルと情熱の結晶がモンテヴェトラーノである。

シルヴィアとはその後11月にフードライナー社主催のminitalyで東京で再会。今度カンパーニャに来たらランチしよう、なんてお誘いが。楽しみ!
by taurasista | 2007-12-28 21:02 | ワイン(イタリア)

エリオ・アルターレElio Altare。パオロ・スカヴィーノPaolo Scavino、ドメニコ・クレリコDomenico Clerico、ルチアーノ・サンドローネLuciano Sandroneらと共にバローロ改革の狼煙を上げた、所謂「バローロ・ボーイズ」の第一世代である。05年と06年二年続けて訪問、最初の年は次女のElena、去年は長女のSilviaがアテンドしてくれた。2人とも英語がうまいので私の下手なイタリア語を使う必要がない。彼らの娘・息子の世代は皆英語を流暢に話す。やはり米国初め世界の市場を意識しているからだろう。バローロには最近多額の投資を行い最新の醸造設備を持つ作り手も多い。上に挙げたスカヴィーノやサンドローネはその一例であるが、アルターレの設備はかなり使い込んだものである。バローロ・ボーイズ第二世代のマウロ・ヴェリオMauro Veglioとは隣人同士。

c0159117_2075424.jpg有名なアルボリーナArborinaの畑はカンティーナの下に広がっている。南東向き、すり鉢上の日当たりが良いなだらかな斜面で、いかにも優しくエレガントなワインが出来そうな畑である(但し、彼らに言わせるとアルボリーナはいわばプルミエクリュ止まり、グランクリュではないとのこと。一方、レンタルしているブルナーテBrunateはグランクリュ。)。斜面の一番上の最高の場所に植えられているのはネッビオーロではなくバルベラで、バルベラの最高峰と謳われるラリッジLarigiはここから生まれる。何故バルベラなのか?Silviaに尋ねてみた。その答。"It was just there." 「植えてあった」。これらのバルベラの樹齢は60年。つまりエリオのお父さんが植えたものである。それをネッビオーロに植え替えずそのまま大切に育てているのだ。エリオ自身は非常に落ち着いていてにこやか、またいかにも包容力がありそうで暖かい人柄の人物だった。奥様も同様。こういう人だからインジエーメinsieme(イタリア語で「一緒に」の意味)プロジェクトで生産者を取りまとめていくことができるのだろう。私たちの訪問中にも隣人のヴェリオやジャンフランコ・アレッサンドリアGianfranco Alessandriaがやって来て、彼の面倒見のよさが窺われた。

実際に色々な生産者と会ってみて思うのは、生産者の人柄がワインに見事に反映されているケースが多いことだ。5年ほど前にバローロ・ブルナーテBarolo Brunateを除くアルターレの全ワインを同時にテースティングしたことがあるが、どれも品種の個性を最大限に発揮しつつもバランスが良く優しくエレガントな素晴らしいもので、若いうちから充分に楽しめた。

以前これまで会った中で最も印象深い生産者はアルターレだと書いた。その理由は実はワイン自体ではない。勿論、彼のバローロやランゲDOCは大変素晴らしいワインだし、私は大好きである。バローロ・ヴィニェート・アルボリーナBarolo Vigneto Arborinaの90年はこれまで飲んだ赤ワインの中でかなり上位に入るものだったことは間違いない。ただ、その迫力、熟成ポテンシャル、底知れなさ、こういった点も考慮に入れると、真に頂点に位置するバローロは他にあると思う。では、何故彼が最も印象深いのか。

彼は言う。「自分が特別なことをやってきたとは思わない。ただ一生懸命やってきただけだ。その結果、とっても貧しかった私たちが、決して今でもお金持ちではないけれど、何とかここまで来れた。」「ワインの素晴らしさは、一本のワインを囲むだけでコミュニケーションが広がり、仲間がどんどん増えていくところにある。是非日本に帰ったら自分のワインを飲みながら色々な話をして欲しい。そうすることで友達が増え、ワインを愛する人たちが増える。ワイン愛好者が増えれば私たち生産者も嬉しい。良いワインとはみんなを幸せにする酒である。是非こういうことも仲間に伝えて欲しい。」
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彼は淡々と微笑みながら、イタリア語とお世辞にも上手とは言えない英語を交えて、別れ際にこう話してくれた。こういう人と話せてよかった、と心から思った。色々な生産者を訪問してきたが、こういう形で感銘を受けたことは後にも先にもない。家を出た後、同行者の1人が「ああいうオヤジになりたいな」と呟いた。勿論私も同感である。次にピエモンテに行くときもアルターレには必ず寄るつもりだ。
by taurasista | 2007-12-22 20:17 | カンティーナ訪問

今日は「タウラジスタ」らしく、タウラージの作り手訪問記を。
カンパーニャ州と言うと、まず思い浮かべるのはナポリのピッツァあるいは喧騒、この上なく美しいアマルフィ海岸、であろう。ところが、主なワイン生産地はそこではない。タウラージDOCGのエリアはナポリから50km以上離れた山岳地帯。畑の標高は350~700mと非常に高く、これに起因する昼夜の寒暖差が石灰質土壌、アリアニコの個性とあいまって酸がびしっと決まった、メリハリのあるワインを作り出す。

サルヴァトーレ・モレッティエーリSalvatore Molettieriは当代随一と評判の高いタウラージ生産者である。モンテマラーノMontemarano村郊外に本拠地を置き、タウラージTaurasi 2種類、イルピーニア・ロッソIrpinia Rosso 3種類、白2種類(グレコ・ディ・トゥーフォGreco di Tufo、フィアーノ・ディ・アッヴェリーノFiano di Avellino)と7種類のワインを生産。最初のヴィンテージは88年だが、大樽で長期熟成されたため、そのリリースは95年とまだ作り手としての歴史は浅い。元々自らボトリングを行うことはなかった。優良な畑を持つ生産者が自らボトリングを始めたのは90年代に入ってからである。ちなみに、ブドウ農家がマストロベラルディーノに対して持つ感情はちょっと複雑なようだ。彼らしか買い手がいない=買い叩かれる、という構図が長く続いていたためであろう。ただ彼らがいたからブドウ生産が続けられた、という側面も当然ある訳で、「マストロベラルディーノ=悪」と簡単に一元化できる訳ではないのだが。
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これがタウラージを生み出すチンクエ・クエルチェCinque Querceの畑である。標高は平均450m。石灰分の強い石灰粘土質土壌。周囲はきれいに開けていて、日当たりは最高。素晴らしい畑であることは一目瞭然である。収穫は平均すると11月の第一週と非常に遅い。ブドウを食べさせてくれたが、訪問は9月半ばで収穫まで2ヶ月近くあったにもかかわらず、とにかく甘く熟している。またアリアニコの皮の分厚さもよく分かった。
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醸造面で強調していたのは樽のニュアンスを抑えたい、ということ。新樽は使うが、写真の大樽と併用することでその影響を最小限に抑えているとのこと。事実、イルピーニア・ロッソの一部では樽のニュアンスを比較的強く感じるが、果実味がより凝縮しているタウラージでは新しいヴィンテージでもアクセント程度にしか感じない。(写真のオヤジがサルヴァトーレ)

さて肝心のワインについてであるが、果実のフレッシュさ、純度、凝縮感、この3要素が際立っている。そういう点では非常に出来のいい若いモダン・バローロ(例:いいヴィンテージのパオロ・スカヴィーノPaolo Scavino)を試飲したときと印象が近い。ワイン全体として感じる違いイコール品種の違い、という印象である。特にタウラージは相当なレベルにあるワインであることは疑う余地もない。ただ、この数日後ある疑問が湧いたのだが、それは追って「今年最も印象に残ったワイン」シリーズで。
by taurasista | 2007-12-20 21:11 | カンティーナ訪問

今年のイタリアツアーは初の南部、カンパーニャCampaniaとプーリアPugliaへ。今回もただひたすらカンティーナとレストランを回った(ナポリで少し観光もしたが)。今日はその中で最も印象に残ったレストランをご紹介。

このリストランテがあるVallesaccardaはカンパーニャとプーリアの州境のカンパーニャ側にある人口2,000人足らずの小さな村である。こんな所にミシュラン1つ星、ガンベロロッソなど他のガイドでも大変高い評価を受けるリストランテがある、というのがイタリアらしい。まあ、おいしいものがあるとなると、200kmぐらいは平気で車を飛ばしてやってくるのがイタリア人なので、こんな辺鄙なところでもやっていけるのだが。お店は元々小さなオステリアだったらしいが、それを今お店を切り盛りしている兄弟・姉妹の代になってリストランテに改装、順調に評価を上げてミシュランの星を取るに至った、とのこと。これもイタリアでは良くあるパターンである。

現代のイタリア料理を語る上で"tradizionale""creativo"この2つの言葉は欠かせない。前者は「伝統的」後者は「クリエイティブ」。イタリア料理の源流である家庭料理はもちろん"tradizionale"であり、これをどう洗練させ、あるいは新しい要素を取り入れてレストラン料理としていくのかがリストランテのシェフの腕の見せ所、といっても過言ではない。中にはひたすら"creativo"一本のアプローチを取るシェフもいるし、一方で上手に作られた伝統的な料理の滋味深さもそれはそれは捨て難い。
現在はイタリアでも和食が非常に注目されているので、和食の要素を取り入れて料理を作りたがるシェフも結構いるようだ。この手法は日本人にとってはなんてことはないが、基本的に他国の料理に対して保守的だったイタリアにおいては非常に"creativo"である。

さて、前置きが長くなってしまったが、ここの料理はかなりtradizionale側の料理である。ただ、それをレストラン料理とするに当たってかなり手をかけている。最も感動したのは下の写真のパスタ。何の変哲もないように見えるが、ズッキーニの色々な部所をそれぞれ異なる方法で調理し、それを一皿にまとめたもので、それはそれは美味であった。
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また、スープの美味しさも特筆もの(カンパーニャのレストランのスープはどこも素晴らしかった!)。これは新たまねぎとポルペッティーノ(肉団子)を軽くレモンで風味をつけたもの。
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料理は2姉妹が(パスタはお母さんや近所のおばちゃんが打っているとのこと)、サービスは3兄弟が担当。このサービスも丁寧かつフレンドリーで非常に心地良い。翌日の朝誘われてカフェをご馳走してもらったが、手の込んだカナッペなどを出してくれて、それも大変印象に残っている。ワインリストも素晴らしい(2007年版ガンベロロッソで20点満点中18点)。辿り着くのが大変だが(車がないとまず無理)、もし機会があれば是非訪問して欲しいレストラン。

Oasis Sapori Antichi http://www.oasis-saporiantichi.it/
by taurasista | 2007-12-19 19:11 | レストラン(イタリア)

実施してから10日ほどたってしまったが、今日は年末行事として定着した仲間での忘年ワイン会の記録を。5年前から続けているもので、参加者が事前に手持ちのワインをエントリー、それを投票にかけて選んだワインをみんなで楽しもう、という会である。エントリーに妥協は許さない、ということで「妥協なき」会だ、と言ってたらそれが会の名前になってしまった。6回中5回をトレフ・ミヤモトで開いているが、今年はマダムから「この予約が入ると年末だという気分になりますね」とも言われ、お店の年中行事のひとつにもなっているようだ(??????)。

さて、今年のワインはこんな感じ。
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1. Le Grand Dame 1990 (Veuve Cliquot)
2. Brut 1989 (Andre Beaufort)
好対照のシャンパーニュ2本。Grand Dameはとてもフレッシュでやや細身でエレガント。ピークまではあと数年か。一方Beaufortはイースト香強く、熟成してすっかり丸くなっている。余韻の長さは素晴らしい。
3. Chassagne Montrachet Les Caillerets 1988 (Domaine Ramonet)
マッシュルームなど熟成した白の香りが濃厚。果実は既に下り坂だったが、美しく老いている白、という感じ。
4. Chianti Classico Riserva Vigna del Sorbo 1995 (Fontodi)
カシス、湿った土、皮革のニュアンス。力強いキャンティ。非常にバランスよく、素直に旨い。
5. Brunello di Montalcino 1997 (Cerbaiona)
グラスから香りが飛び出してくるよう。ミディアム・フルボディ。まだ若いが非常にきめが細かく緻密。長大な余韻。伝統的な作りの素晴らしいブルネロ。
6. Cotes du Rhone Fonsalette Cuvee Syrah 1985 (Chateau Rayas)色々なスパイス(黒胡椒など)、皮革、チョコレート、血など熟成したシラーらしい、非常に複雑な香り。フルボディでまだタニック。少し果実は落ちてきており、そういう点でややこのワインとしてのピーク(個人的好みもあるが)は過ぎたか、との印象。香りと匹敵するぐらいのヴォリューム感が残っていれば最高のワインだっただろう。個人的には3年前に飲んだ1990年がまさにそういう状態だった。
7. Rivesalte 1955 (Domaine et Terroirs du Sud 48ans en Chaines)
うまく熟成していて柔らかく、するするあっという間に飲み干してしまった。

これまでHenri Jayerなどが出てきたこの会で今回は若干小粒だったような気もするが、いつもながら料理も素晴らしく、またなかなか全員が一度に会うことは難しいメンバーだったので1年分の尽きない話をして、無事お開き。まだ忘年会シーズン初めということで、珍しく2次会はなし。インプリチトにも寄らずに大人しく12時ごろ帰宅。
by taurasista | 2007-12-18 12:21 | ワイン会

今日は仲間内の忘年会も兼ねてリストランテ濱崎でランチ。
こちらには今年も何度かお邪魔したが、繊細でエレガントな料理とシェフソムリエ宿屋さんが出してくれるワイン、そのどちらも素晴らしく、いつも非常に満足度が高い。我々の仲間が行くときは、常にワインはブラインド。最近は宿屋さんの反応でどの程度こちらの読みが当たっているのかがわかるようになってきた。「今日は王道で行きますよ」との宿屋さんの開会宣言で始まった今日のランチ、さてどの程度当たるかな????
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1本目のスプマンテはベラヴィスタBellavistaのノンヴィンテージと全くの「王道」で始まったが、その後はご覧のとおり。どこが王道だ!!!これが当たる人はいないでしょう!
1. Terlaner 1991 (Terlano)
甘さ、あとからぐいっと来る酸の感じ、若干酸化したニュアンスからフリウリ、それもピンポイントでヨスコ・グラヴネルJosko GravnerのブレッグBregの99年か98年!と自信を持って(???)言ったのだが、大はずれ。ステレスタンクに10年以上密封された後にリリースされるアルト・アディジェの変態ワインでした。現在はこのタイプはシャルドネ100%だが、91年はピノビアンコとシャルドネのブレンド。ちなみに、このカンティーナも昨年訪問したが、30分遅れて叱られた。普通はオンタイムに行くと、「おっと準備ができてない」なんて言われるものだが、流石ドイツ語が公用語の土地柄か、ここは非常に時間に几帳面だった。
2. Vernaccia di San Gimignano Riserva 2002 (Peruzzi)
樽香がばしっ、とついて非常にシャルドネっぽい。イタリア地場品種だと言うので、Cervallo della Salaでもないし・・・・と迷って、結局わからず。結果はなんとこれでした。
3. Monferrato Freisa La Selva di Moirano 1994 (Scarpa)
ネッビオーロかと思ったが、そうではないと宿屋さん。バルベラにしてはタンニンが強いし、サンジョベーゼでもないだろうし、と結局わからず。結果はピエモンテの地場品種フレイザだった。
4. Brunello di Montalcino 1975 (Fattoria Barbi)
色は相当抜けていて、明らかにかなり古いヴィンテージ。ここまで古くなってしまうともう推論のしようもない。バルバレスコ、キャンティ、ブルネッロのどれかとヒントを出されても、全くわからず。結果はブルネッロ、それも意外に若く75年でした。

写真のアンティパスト盛り合わせ(いつも手の込んだものがこれだけの種類出てくるのには驚かされる)に始まり、パスタ2品、メインの子牛とどれも素晴らしいお料理でした。宿屋さん、今回は全く当たりませんでしたが、来年は絶対リベンジしますよ!また「ブラインドテースティング大会」やりましょう!
by taurasista | 2007-12-15 21:17 | レストラン(日本)

続いて第4位。

Barolo 1982 (Bartolo Mascarello) 3月20日@レ・ヴィノム(西麻布)
バルトロ・マスカレッロBartolo Mascarello ~ ジャコモ・コンテルノGiacomo Conternoなどと並んで最も高名な伝統的バローロの生産者である。バローロの伝統に忠実に、所有する4つの畑をブレンドして1種類のバローロしか作らない。バローロはコンクリートタンクで温度管理せずに発酵を行い、伝統の大樽で熟成される。下の写真はバルトロの亡くなった直後の2005年の4月に訪問した時のもの。1枚目の真ん中の人物がバルトロの娘マリアテレーザ、2枚目は知る人ぞ知るバルトロの手書きデザインボトル。
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今年は85年も飲んだ。これも相当満足度の高いものだったが、82年は更にそれを上回っていた。
時々「しみじみと旨い」という表現を使いたくなる。派手さはない。モダンなワインが持つ何か研ぎ澄まされたようなニュアンスはかけらもない。最初に口の中に入れた時には、ちょっと凝縮感に欠けるような気がし、物足りなさを覚える。口に含んだ瞬間に「私を見て見て」オーラ満開の、例えばカリフォルニアのカベルネとは対極にあるタイプ。ところが、ミッドからアフターにかけて、着実に盛り上がりを見せ、気付いたらいつまでも余韻が消えずに魅力を放ち続ける、そんなワインに対して使いたくなる。このワインはまさにそれである。紅茶、タール、血、中国のスパイス等の複雑な香り。ミディアム・フルボディーで酸、果実味、タンニンの落ち着き具合など、完全に調和が取れており、今まさにピークにあるように思われた。果実や酸の感じから判断するとあと10年(いやもっとかな)は余裕で生命を保ち続けるだろう。元々生産本数が少なく(年間15~20,000本)古いヴィンテージが市場にほとんど出てこない上に、バルトロの死後価格が急騰したため、今後入手がまず不可能となってしまったワインであるが、もし機会があればまた是非数年後に飲んでみたいなぁ。
by taurasista | 2007-12-14 22:59 | ワイン(イタリア)

さほど寒くないこともあり、余り年末らしさを実感できないのだが今年もあと3週間。一応年末らしく今年を振り返って最も印象に残ったワインを5本選んでみたいと思う。どうしても現地で飲んだものや稀少なもの、ヴィンテージの古いものばかりになってしまうが。

まず第一回目は第5位。

Barolo Bric del Fiasc 1989 (Paolo Scavino) 6月28日@ラ・グラディスカ(六本木)
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4年ぐらい前から89/90年のバローロを何度かまとめて飲んでいるが、89年は90年と違って愛想がないというか、極めて硬質で熟成の進み具合が遅い。一方90年は既に開いていて甘く、享楽的な酒質を持っている。89年はこの直前にもヴィエッティViettiのリゼルヴァ ヴィレッロRiserva Villeroなどを飲んでみて、飲み頃までにはあと5年はかかるとの印象を持ったのだが、これをもう少し確かめてみたくて、このときはスカヴィーノを選んでみた。

ともかく、全てが巨大なワインである。まっ黒くゴツく筋肉質でマッチョ。とても熟した果実、非常に強いが切れ味の良い酸味、限りなく強いがこれもとても熟したタンニン。ドライフラワーやタールといった熟成したネッビオーロの香りが少し出てきている。バリックのニュアンスはそのかけらもない。現在はこれらの要素がやっとバランスが取れてきたという状態で、やはりあと3年から5年はかかるかな、との印象を持った(完全に熟成したときには、きっと凄まじいワインとなっていることだろう)。

バローロの醸造技術はロータリーファーメンターの導入に見られるように90年代初頭に大きな変化を遂げた。89年はまだ旧来の技術を用いながら、一方でバリックの導入などが進んでいた過渡期に当たる。89年は96年とキャラクターが似ていると言われるが、果たして96年もこういう熟成過程を辿っていくのだろうか。確かめるのが楽しみである。
by taurasista | 2007-12-13 17:08 | ワイン(イタリア)