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カテゴリ:レストラン(イタリア)( 78 )

旅もいよいよ終盤。モデナから最終目的地のミラノに向かう途中ランチで立ち寄ったのがこのAntichi Sapori。「昔ながらの味」という意味のイタリアではよくあるお店の名前ですが、ここはなかなか素晴らしいお店でした。あまり寄り道せずに済むよう高速A1近くでスローフードのガイドでカタツムリマーク(スローフードのコンセプトに最も合っているお店に与えられるマーク)付きという条件で探してたまたま見つけたのですが、これが大正解。

場所はパルマ市街から少し外れていた街道沿い。周囲には何もありません。インテリアはいかにもイタリアの田舎のカジュアル店ですが大雑把さはなく細かい所まで目が行き届いている感じです。サービスの女性もきびきびしていて、いいお店の予感がします。
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前菜、プリモの2皿をオーダーしましたが、両方とも大当たり。前菜は卵のフリットの下に新ほうれん草を敷いたもの。濃厚な味の卵、くせがなく柔らかく甘みがある新ほうれん草、味の組み合わせの勝利です。カリフォルニアでも美味しいものができそうなレシピですね。プリモはパルメッジャーノのリゾット。こちらもお米のアルデンテ具合は言うに及ばず、グレープフルーツを使って酸味を加えるなどちょっとした工夫もあって、非常に満足度の高い一皿でした。ワインはカジュアルなランブルスコを1本。
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これだけレベルの高いお店にも関わらず一人30ユーロ足らずとお値段的にも優秀。お勧めです。ちなみにシェフは日本人。帰り際に少し話す機会がありましたが、オーナーシェフから全幅の信頼を得て調理だけでなくメニュー作りも一緒にやっているとのこと。やはり日本人が地元に溶け込んで活躍しているのは嬉しいですね。



by taurasista | 2014-06-01 18:39 | レストラン(イタリア)

翌日は友人のカンティーナ テヌータ・ペデルザーナTenuta Pederzanaを訪問。ワインはインプリチトやクッチーナ・アッラ・バーバなどで味わっていただくとして、ここでは素晴らしい景色をどうぞ。ちなみに、リグリア側(写真で言うと手前)から風が吹くと天気が崩れ、アルプス側(その逆)からだと天気が良くなるとのこと。
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カンティーナ訪問後はみんなで近所のトラットリアCa' Biancaでランチ。店内はとても広いのですがこの日は祝日なので大混雑。次から次へと地元の人たちがやって来ます。
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数百席ある超大箱ですが、お味もなかなかのもの。前日のオステリア・フランチェスカーナとは対局の素朴な郷土料理がどんどん出てきます。ここはイタリアきっての酪農エリアのエミリア地方、ハム、サラミは本当に素晴らしい。これをこの地方のパンTigellaティジェッラ、揚げパンGnocco frittoニョッコ・フリットに挟んで食べます。これでプリモの前にかなりお腹一杯に。
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大人数だったのでパスタも色々な種類をオーダー。トルッテリーニ・イン・ブロードは絶品でした。
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ワインはまずはリストからCantine della Voltaのランブルスコをオーダー。続いてはカンティーナで預かってもらっていた私のストックを。
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Alteni di Brassica 1997 (Gaja)
Gajaのソーヴィニオン。久しぶりに飲みましたが、非常にレベルが高いワインで一同大満足。スモーキー、ヴァニラ、蜂蜜、花梨など複雑で濃密な香り。アタックからアフターまで全くぶれがなく、だれることなくぐいっと伸びていきます。凝縮感、密度とも申し分なし。フルーツ、酸とも非常にしっかりしていて、バランスも素晴らしい。もうしばらくはこの勢いが持続することは間違いないですが、おそらく今が最高の状態でしょう。PederzanaのオーナーFrancescoもうなってました。もう1本あるので次回訪問時にまたみんなで飲もうと思います。
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Alto Adige Pinot Nero Barthenau Vigna S. Urbano 1995 (Hofstatter)
イタリアのベストピノと言うと必ず名前が挙がるワインです。2年ぐらい前に同じヴィンテージを日本で飲んだ時は非常に状態が良く、もちろん特徴は違うもののブルゴーニュと遜色ないピノという印象でした。残念ながら今回はピークを過ぎてフルーツがかなり落ちていて、ちょっと残念な結果に。これももう1本あるので次回試してみます。

食後は19年振りにボローニャへ。落ち着いたいい町です。やっぱりロスよりもイタリアがhomeだなあ。
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by taurasista | 2014-06-01 02:29 | レストラン(イタリア)

後半戦のハイライトはOsteria Francescana。現在ミシュラン三ツ星、サンペレグリノのWorld Best Restaurantは第3位(2014年)というイタリアだけでなく世界トップを争うお店です。予約に先立ってフランチェスカーナを経験済の知人数名に感想を聞いたところ、共通していたのが「味がいい」点。モダンな料理は色々あれど、アイデアやプレゼンはともかくとして必ずしも美味しいとは限らないもの。信頼できる方々が口を揃えて「美味しい」と言うモダン・キュイジーヌの最高峰、これはトライする価値があるでしょう、ということで、すぐに予約を入れて待つこと3ヶ月。遂にその日がやって来ました。この日は朝Oasi degli Angeliで素晴らしいワインを堪能。ランチしようと思ったClandestino Susci Barは残念ながら閉店でしたが、その分夜に向けてお腹の準備は十分。雨の中モデナに夕方到着です。

どうもモデナの町とはあまり相性が良くないらしく、何度か来ているのに晴れたことは一度もなし。雨は小降りになりましたが、街の雰囲気も何となく暗く感じます。世界遺産のエリアを一回りしてから20時過ぎにお店へ。
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エントランスはベルを鳴らして開けてもらうスタイルです。客席はエントランスの両側2部屋に分かれているようです。我々は入って右側の一番奥の席へ。20時過ぎの時点で1卓を除き既に満席(残る1卓もすぐにゲスト到着)、聞こえてくるのは英語と北ヨーロッパ系の言葉です。サービスは確か全員男性。全員ではないかもしれませんが、オーダーを取る方は英語がとても流暢です。なのでこの日は英語で通すことにしました。

初めて来るいいお店での鉄則通りコースから選ぶことにしました。コースは3種類。Tradizione in Evoluzione(革新の中の伝統。7皿130ユーロ)、Classici(定番。9皿165ユーロ)、Sensazioni(実験的な料理。12皿190ユーロ)です。迷いましたがClassiciとワインのペアリング95ユーロをオーダー。アペリティーヴォにAnnamaria Clementi 2004を頼んで料理を待ちます。英語の方がイメージが湧きやすいので以下料理名は英語で書きます。覚えている範囲で料理のコンセプトも。説明してもらってすぐに書き留めて置かないと忘れてしまうことを重々分かっていながら、今回も失念してしまいました。。。。。

【Tempura with carpione】
確かフィッシュ&チップスにインスパイアされたお皿との説明だった気が。。。
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【An eel swimming up the Po River】
ポー川を遡上してくるウナギの旅を描いた料理。右側はポレンタで海側のヴェネト州を、左側は青リンゴで内陸のマントヴァを表現。ウナギは蒲焼き風の味わいをモストコットで出し、下側には山椒を意識したのか黒い粉末をタマネギの灰で。地元の風景イメージを地元の食材で描きつつ、味わいは日本風という多様なコンセプトを内包する一品です。
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【Caesar salad in Emilia】
生野菜が苦手な私は料理を見てちょっと腰が引けました。
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けど、中にバルサミコ、パルメッジャーノなどエミリア地方を代表する食材を使った22種類の具が隠れています。所謂再構成系の料理ですがこのプレゼンは新鮮。
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【Five ages of Parmigiano Reggiano in different temperatures and textures】
5つの熟成期間のパルミッジャーノを異なった温度と質感で。これは見ての通りかな。
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【Cotechino 365 days a year】
これはなぜか誰も写真なし。

【Snails under the earth】
イタリア語メニューでは「雪解け」と書かれていて、これがまさに料理のコンセプト。エスカルゴ以外の素材が思い出せませんが、とにかく味が良かったことを覚えています。
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【All the tongues of the world】
牛タンを巡る世界一周の旅。6種類の世界の味がソースです。全部は思い出せませんが、イタリアからはサルサヴェルデとモスタルダ、インドからは豆とカレー、ペルーからはチェヴィチェ、そしてパッションフルーツ(これは国籍不明)など。
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【Foie gras crunch with Traditional Balsamic Vinegar from Modena】
名前の通り、クランチバーの中身はフォアグラです。
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【A potato waiting to become a truffle】
そしてデザート。素朴なジャガイモが高貴なトリュフに成長して行く様を表現した、とのこと。デザートにジャガイモとは意外でしたが、もちろんこれも完璧な味わい。
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飲み物を記録しておかなかったのはうかつでしたが、ビール、スピリッツの水割り、ワインと多様な構成。もちろん素晴らしいワインリストはありますが、シェフのコンセプトに身を委ねるべきこのお店では、ドリンクもペアリングを選ぶのが正解かと。

最後の方でシェフが挨拶に来てくれましたが、印象は気の優しい哲学者。非常に知的な感じの方でした。地元の友人によると調理場では完全主義者として有名だそうで、素材の切り方、調理時間など1ミリ単位、1秒単位で決めているとか(このレベルのお店では当たり前なのかもしれませんが)。

食べ終わってみての印象。シェフのコンセプト、哲学がまず存在し、それを表現する手段としての素材と調理方法はベースは地元に置きながらも世界中から。客層もインターナショナルでその好奇心を満たすためのプレゼン、そしてサービス。Dinner by Hestonとは規模も方向性も違いますが、お店全体から感じ取れるものは共通です。世界トップを目指すお店とはこういうものなんでしょうね。ローカルを極めてトップを目指すのもやり方としては勿論ありだと思いますが、真の意味でインターナショナルであることを「世界のトップ」の条件とするならば、世界中の人々の多様な価値観と味覚に対して普遍的に受け入れられるよう、この2軒のように伝統・地域性を「編集」する必要があるのでしょう。目と舌に優しかっただけでなく、レストランのあり方についても大きな示唆を与えてくれたこの日の夜でした。


by taurasista | 2014-05-19 21:28 | レストラン(イタリア)

時系列通りにカンティーナ、レストランを分けずに書いていくつもりでしたが、予定変更。まずレストランを書き終えてからカンティーナに手をつけることにします。翌日はカンティーナ2軒訪問にTod'sアウトレットです。トッズの本社の横にあって、トッズグループ(Tod's, Fay, Hogan)を扱っています。商品数はかなりありますが、型は少々古いかも。ロスにいると靴がいらない(いつもスニーカーでOK)、痛まない(歩かない、雨が降らないので濡れない)のですが、古くなったレザースニーカーの跡継ぎとして濃茶のスエードのものを購入。前回は行かなかったのですが、すぐ近所にはPradaやCrucianiのお店もあって、同行者たちは大人買いしていました。
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この日は夕食は予約せず。同行者の一人Y嬢の希望で泊まりは海岸沿い、よって夕食は魚系に決めたのですが、魚系のお店は良く吟味しないとキケン。一番確実なカンティーナで情報を入手した上で、ということにしたためです。結局、午後に訪問したDeziのStefanoのお勧めEmilioになりました。このお店、全くノーマークだったのですが、調べてみるとかなりガイドでは高く評価されているお店です。ミシュランも星を一つ付けています。

このお店、まず入口がわかりにくい。google mapの指す場所にはそれらしいものがなく、近くをぐるぐる回ってもレストランの看板は見つからず。そうなると頼りは地元のおばちゃん。イタリアでは道を聞いても知ったかぶりで全然違う方向を教えられることも珍しくありません。経験的に一番当てにならないのが若者。当てになるのがおばちゃんです。この原則に従って、元の場所に戻っておばちゃんに訪ねると一撃で教えてくれました。看板はなく、目印はこのオブジェ。入り口は駐車場の中。道路に面していなかったのでいくら車で走っても見つからなかった訳です。
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40席ぐらいの小振りなお店で、我々の席は空きスペースに臨時で設けた感じ。案の定、どんどんゲスト(それもカジュアルにお洒落した美男美女多し)がやって来て、あっという間に満席に。どうやら地元のお金持ちがデートやビジネスに使うお店のようです。

料理はdegustazione、ワインはVilla Bucci、と気合いを入れたオーダーで臨みました。このお店で面白かったのは料理の温度。どれも低目の温度で揃えています。温度が揃っているので、サーブ遅れではないと思います。理由を聞き忘れたのが残念。ソースには豆やアーティチョークなどのピューレを多用。個人的には魚はソースを使わずシンプルに出して欲しいところですが、そこはイタリアしかも星付き、足し算の料理になるのはやむを得ない所でしょう。
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イタリアンの魚料理としては相当頑張っていると思います。あとは好みの問題。手を入れるならMadonnina del PescatoreやTorre del Saracinoのようにとことん。でなければ、シチリアやカンパーニャのトラットリアのようにいい素材を直球で。個人的にはイタリアで魚を食べるならこういうことかなと思っています。


by taurasista | 2014-05-19 03:07 | レストラン(イタリア)

翌朝は朝7時にホテルを出てタクシーで空港へ。またまたeasyjetを使ってミラノ入り。レンタカーをピックアップしてA1を南下します。今回の車はメルセデスのEシリーズ。4人でセダンだったので荷物の積み込みにやや難儀しましたが、高速でのパフォーマンスはさすがです。雨の中140〜150キロでの走行も超安定していて、うちのプリウスが80キロで走っている時と全然感覚が変わらない。やっぱりいい車はいい。当たり前ですが。
カンティーナ訪問後(その記事は次回アップします)、本日の宿泊地Santarcangelo di Romagnaへ。いい感じに古びた街です。荷解きをしてすぐに予約したLa Sangiovesaへ。こんな看板が出迎えてくれました。
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アメリカでは絶対使えないデザインですね。ヨーロッパの懐の深さはこういうところにも現れているという気がします。ちなみにデザインはフェデリコ・フェリーニ(ここからすぐのリミニ出身)。由来を食後に女将が説明してくれました。ちょっと記憶が曖昧ですが、フェリーニの映画「アマルコルド」のキャラクター、と言っていた気が。

ここロマーニャ地方、ちゃんと訪問するのは今回が初めてです。典型的な料理をいろいろ試してみました。
今イタリアでも流行っているというクラフトビールでスタート。2本とも地元のものです。右側のボトルにはやはり「アマルコルド」のキャラクターのグラディスカ。
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前菜はハムとサラミの盛り合わせ。この艶っぽさたら!見た目の通り、まず出会えないであろうレベルの高さ。中でもSalumino di salsiccia passitaが出色です。持ち帰り可能なパッケージがあったので帰り際に購入しました。
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プリモはTagliatelle della Minghinaというこちらの名物料理を。野菜のラグーです。
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セコンドは串で焼いた肉の盛り合わせ。
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わワインはこの前に訪問したTenuta Violaのgrande annata 2008年を狙ったのですが、残念ながら欠品。代わりに勧められたこちらを。バリックを強めにかけたサンジョヴェーゼです。果実に非常に力があり、グリルとの相性は抜群。
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料理だけでなくサービスもしっかりしています。中世の建物の地下とおぼしき内装もイタリアぽく、値段も手頃。総合的に見て完成度の高いお店です。
http://www.sangiovesa.it/


by taurasista | 2014-05-18 03:34 | レストラン(イタリア)

ランチはパレルモ在住のS嬢と。こちらGaginiは港の近く、かつては大きなメルカートがあった(2004年の地震で閉鎖)ヴッチリア地区にあります。フルネームはGagini Social Restaurant。名前から感じられるとおり、こてこて路線のお店ではなく、伝統的なものを踏まえつつ、現代的な感覚の料理を供します。日本にも興味があり(何でも開店して最初のお客さんが日本人だったらしい)、日本語の「ガジーニ新聞」も発行されています。
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5名と人数も多かったので、アンティパストとプリモを中心にいろいろオーダー。
【お通しのアサリのソテー】
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【ウイキョウとバジルのパッパルデレ、5種類のアサリのリゾット】
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【チニサーラ牛のカルパッチョ】
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【ワインはカタラットを2本】
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どの皿も素材の味を生かして手を加え過ぎず、美味しくかつお腹にも優しい料理です。日本人の感性にはぴったりかと。チニサーラ牛、絶滅危惧種のシチリア牛ですが、適度に脂が乗っていて大変美味。見た目がヴィッテロ・トンナートぽいのはシェフがピエモンテ出身のせいでしょうか??

食事途中で降ってきたにわか雨が上がったところで、次の目的地へ出発です。

by taurasista | 2014-05-12 03:24 | レストラン(イタリア)

こちらは友人のカンティーナにランチに連れて行ってもらったお店。これが・・・旨い!!!

【ソップレッサータとポレンタ】
似たような名前の前菜が色々あるので紛らわしいが、この「ソップレッサータ」はサラミ。だいぶ脂肪が多めな感じだが、これがソフトで旨い!!!
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【ポルチーニのペーストと燻製にしたガチョウのクロスティーニ】
これは絶品。味わい深いペーストにとろけるガチョウの肉。こんな旨いクロスティーニは滅多に出会えない。
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【タリオリー二】
プリモは見た目も味もピエモンテのタヤリンみたいな感じ。味は申し分なし。
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ワインは地場品種のRaboso。
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by taurasista | 2012-07-19 23:02 | レストラン(イタリア)

Le Caseはマルケ州南部の古都Macerata郊外のマナーハウス。広大な敷地内にビオ認証を受けている農園を持ち、牛、豚、鶏を飼い、また小麦、野菜、ハーブを栽培する。そして、その素材を用いるレストランを2つ持ち、うち1つがこれからご紹介するL'Enotecaである。ガイド的にはこのエリアで最も評価が高いお店だが、主要な観光地やカンティーナから離れているせいか、ここに行ったことがある人にはまだ会ったことがない。ここに行くことを決めた理由は、料理はさることながら、エノテカ・ラウラのオーナー馬場さんから「噂ではワインリストが凄いらしいですよ」との話を聞いたからである。

まず結論から言うと、非常に良い。それどころか、これまでイタリアで行った店の中でもトップ5に入るだろう。ワインリストは価格、品揃えとも最強。料理はモダンだが行き過ぎてはおらず、果物や花やローストした野菜をうまく使って味わいにアクセントをつけ、また暑い季節に合わせて素材をジェラート状にしたり、温かいものと冷たいものを一皿に巧みに織り込むなど、バリエーション豊富で飽きさせない。サービス兼ソムリエはフレンドリーかつプロフェッショナル、ワインのアドバイスも極めて的確、と総合的に大変優れたお店である。

では料理からご紹介。75ユーロのお任せコース。

【突き出し】スープ仕立てにした野菜。
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【前菜1】上はやや温かいマッシュポテト。下はバジリコのジェラート。これを一緒に食べると口の中でジェラートがとろけ、マッシュポテトと融合して別の味わいに。旨い。
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【前菜2】自家農園の野菜と果物のサラダ。スイカやメロンを使って味わいにアクセントをつけている。私は基本この手の料理は余り好きではないが、これならOK。
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【前菜3】リコッタのアイスクリーム。球状のアイスクリームの中には野菜。
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【前菜4】牛肉のたたき。チーズと野菜、そして花で味にアクセントを付けている。
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【前菜5】縦型の目玉焼きにトマトを乗せて。手前はタイムのジェラート。これも温度の組み合わせの妙!
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【プリモ】ローストした野菜のパスタ。ソースがとても濃厚。これも野菜をまずローストして味わいを凝縮させてソースにしているとのこと。
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【セコンド】鳩のロースト。素晴らしくジューシー。ちなみに器は鳩がとまる瓦を模したもの。
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ワインリストは相当に凄い。これまでイタリアで見た中でこれに匹敵するのは(量、価格の両面で)今はなきGambero Rossoぐらいだ。せっかくだからヴェルディッキオとモンテプルチアーノの熟成したものを試そう、ということで、ソムリエのアドバイスを聞きながらこの2本を選ぶ。
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Verdicchio dei Castelli di Jesi Riserva Serra Fiorese 1994 (Garofoli)
蜂蜜、アーモンドなどの非常にはっきりした香り。味わいは甘みとアルコールが強く、酸も大変強い。果実味がやや落ち気味で、ピークを過ぎた感はあったが、プロポーションは崩れておらず美味しく飲めた。
Montepulciano d'Abruzzo 1983 (Emidio Pepe)
赤はちょっと迷ったが、Valentiniと並ぶアブルッツォの雄Pepeの良年を選ぶ。果実味、酸に溢れ、まだ若さすら感じさせる。旨味がしっかり乗っており、非常に滑らかなので、酸が非常に強いにも関わらずするするっと飲める。個性的な素晴らしいワイン。

さすがに古いValentiniはなくなってしまったとのことだが、90年代前半ならまだオンリストされている。Pepeなら相当古いものが。
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次回アドリア海側に来るときには絶対にここは外せない。ここに来るために曜日を調整して、必ずまた来よう。ピエモンテのall'enoteca、カンパーニャのOasis Sapori Antichiと並んで定番になりそうだ。

最後にこの施設内のもう一つのレストランについて。土日の昼のみ、全く同じスタッフで郷土料理を提供するRistorante Le Caseが開店する。こちらも美味しいこと間違いないので、食べ比べしてみるのも面白そうだ。

http://www.ristorantelecase.it/default.asp
by taurasista | 2012-07-15 23:39 | レストラン(イタリア)

昼のZenobiで抑えめにしていたのは、夜にこちらを予約していたから。ミシュラン2つ星&ガンベロロッソ3フォルケッテにして、イタリア屈指のcreativoかつ魚料理で有名なMadonnina。このお店の料理の最大のウリは"Susci Italiana"、つまりイタリア風「鮨」。シェフのMoreno Cedoroni氏は定期的に日本に足を運び(私のフーデックスで2、3年続けて見かけたことがある)、和食や日本の素材を学び、それに自らの工夫を加えて完成させたのがこの「イタリア鮨」ということになるのだろう。大変高い評価を受けるお店とは言え、メインは魚。現地での評価と日本人の評価は往々にして大きくずれる。高価なレストランだし、リスク度合いは確認しておきたかったので、予約する前に有識者の方々に意見を聞いてみた。結果は「絶対失望する」から「一度行ってみる価値あり」までばらつきはあったものの、「絶対に行くべし」とのアドバイスはなし。迷ったが、"Susci"に対する興味が勝った。

お店はマルケの州都アンコーナにほど近い、セニガッリアという大衆ビーチリゾートの外れの海沿いにある。看板が小さくしか出ていないので、何度も車で通り過ぎてしまった。
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テラス席を選び、心地よい海風に吹かれながらメニューを選ぶ。私はホームページを見て当たりをつけていたおまかせ前菜5種類、K君は看板の"Sushi & Susci"(イタリア鮨10種類)。プリモは海の幸リゾット、パセリとワサビのソース。セコンドはエイのカツレツ、ハーブと鮟肝ソース、という選択。

先に結論から書くと、一度は来てみてもいい店だと思う。生か生に近い魚が多く出てくるが、やはり魚自体の質が日本とは比べ物にならないので、「クルード」としては日本基準では中の中ぐらいか。その一方で、魚と一緒に出てくるソースは工夫、味わいとも大変素晴らしい。ソースを味わうためだけに一度来る価値がある、というのが私の評価。

では料理の写真にいきます。

(突き出し)
記憶が鮮明ではないが、左がイワシをパン粉と固めてゼラチン状にしたもの。中央がリコッタのアイスクリームにイクラ。右もイワシだったと思うが、下のクラッカーの素材は思い出せない。
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(前菜その1)
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これは思い出せないが、魚はTonno rossoと言っていた気が。ともかく、ソースが旨かった。

(前菜その2)
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これも思い出せない・・・。魚はTonno biancoと言っていた気が。

(前菜その3)
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これは軽く炙った鰹。

(前菜その4)
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バッカラとトマトとお米のチップ。

(前菜その5)
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タコ。このマヨネーズがまた旨い。

(プリモ)
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これは割と普通のリゾット。ワサビは底に少量隠れていた。

(セコンド)
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エイの骨を残してまさに見た目をカツレツぽく仕上げたもの。若干大味で完食できず。

海沿いでお店の雰囲気は大変良し。サービスはきっちりしているが、若干固い感じ。もう少しくだけた感じの方がいいかも(これは我々のテーブルに付いてくれた人のキャラなのかもしれないが)。同じ町にはもう一軒、同様に高い評価を受けるUliassiというお店がある。次回はこちらを試してみたい。
by taurasista | 2012-07-11 22:54 | レストラン(イタリア)

朝は早起きして宿泊したB&B (L'Orso e l'Ape)の周囲を散歩。Giulianovaから内陸に10分ほど入った丘陵地帯にある宿だが、安いし、設備はしっかりしているし、オーナーはとっても気さくで親切、と非の打ち所がない。このエリアに来るならおすすめ。宿からのパノラマはアドリア海やグランサッソまで広がる雄大なもの。この写真だと一部しかわからないのが残念・・・。
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この日のランチは4年前にも訪れたZenobi。予約していた訳ではなく、カンティーナを移動する途中に通った道がたまたまお店のある通りだったので、前日のランチで失敗している我々としては保守的に勝手がわかっているお店にしてみた次第。

4年前にこのブログにもアップした通り、このお店は料理、雰囲気、そしてコストパフォーマンスが素晴らしい。この日はビッグディナーを控えていたのでパスタ一皿とロザート一本という軽めの食事に下が、お勘定は2名で25ユーロ未満。確かパスタは8ユーロぐらい。これで焦点のびしっと合った素晴らしい郷土料理が食べられるのだからたまらない。

パンは普通のパンとこの揚げパン両方が運ばれてくる。この揚げパンがまた旨いのだが、夜のことを考えて控えめに。
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パスタはTimballo Tradizionale Teramanoというこの地方のラザニアを。これにチリオイルを少し付けながら食べる。シンプルな料理だが、文句なく旨い。
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ワインは地元の飲んだことがない作り手のロザートをボトルで。普通に美味しいワイン。
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こういった料理をこんな景色を見ながらテラスで食する、イタリアの田舎メシの醍醐味だ。
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ということで、大満足の我々は次の訪問先に向かったのだった。
by taurasista | 2012-07-09 23:39 | レストラン(イタリア)