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カテゴリ:ワイン(イタリア)( 274 )

フォントーディにおけるワイン生産は19世紀後半に遡るが、現在のマネッティ家の所有になったのは1968年。ワイナリーの名声を築いたのは、現在のオーナー ジョヴァンニとエノロゴのフランコ・ベルナベイ。彼らが1985年ヴィンテージに送り出したのが、単一畑のキャンティ・クラシコ ヴィーニャ・デル・ソルボである。以来、キャンティ・クラシコを代表する銘酒として安定した評価を誇っている。
なお、2010年ヴィンテージからはキアンティの産地表記で最上級のカテゴリーとして新設されたグラン・セレツィオーネとなっている。


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Chianti Classico Riserva Vigna del Sorbo 1988
[格付け] DOCG Chianti Classico
[品種] サンジョヴェーゼ 90%、カベルネ・ソーヴィニオン 10%
[醸造] 発酵はおそらくステンレスタンク。フレンチオークのバリック(50%新樽)で18ヶ月熟成。
[アルコール度数] 13.0%
[ブドウ・畑] 単一畑のヴィーニャ・デル・ソルボ。南西向きでサンジョヴェーゼの当時の樹齢は約20年。カベルネはカルミニャーノ(トスカーナにおける伝統的なカベルネ栽培地)から取り寄せたクローンをカナイオーロに接木したもの。なお、このクローンは元々シャトー・ラフィットから持ち込まれたものという話。
[生産本数] 18,637本。

これまでのヴィーニャ・デル・ソルボの印象だが、カベルネがブレンドされているためか、赤よりは黒系の果実を感じ、キャンティとしては最大クラスの骨格を持っている、というもの。ところが、今回はちょっと違った。カベルネの要素はほとんど感じず、ピュアな赤い果実にフレッシュな酸。ミディアムボディで非常にスタイリッシュなワイン。30年の時間の経過を感じない若々しさを持っている。サンジョヴェーゼ、キャンティのベストの姿がここにある、と言っても言い過ぎではないかもしれない、素晴らしいワインだった。



by taurasista | 2019-09-20 16:28 | ワイン(イタリア)

サンターディはサルデーニャ島南端のサンターディ村で1960年に設立された協同組合。当初生産していたのはほぼバルクワインのみだったが、1976年に会長に就任したアントネッロ・ピローニ氏が高品質ワインの生産に乗り出す。コンサルタントとして招かれたのが、かのサッシカイアの生みの親ジャコモ・タキス。タキスがカンティーナのフラッグシップとして送り出したのがこのテッレ・ブルーネで、ファースト・ヴィンテージは1984年。以来イタリアのワインメディアでは安定して最高評価を受けている。


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Terre Brune 1992
[格付け] Vino da Tavola (現在はDOC Carignano del Sulcis Superior)
[品種] カリニャーノ 95%、ボヴァレッドゥ 5%
[醸造] 熟成は9ヶ月フレンチバリック新樽、6ヶ月瓶熟。
[アルコール度数] 13.0%
[ブドウ・畑] ブッシュヴァインの古木。土壌は砂質。そのため、フィロキセラの被害を免れ、ブドウは自根。
[生産本数] 不明。

これまで何度か経験のあるワインだが、ここまで熟成したものは初めて。香りはプラム、スパイス。味わいには少し梅のような甘酸っぱさがあり、やはりスパイシーなアフター。
おそらく、もう少し果実味が前面に出てきていた頃の方がこのワインらしさがあったのかもしれない。とは言いながら、綺麗に熟成した良い状態の古酒だったことは間違いなく、非常に面白い経験だった。

by taurasista | 2019-09-18 15:35 | ワイン(イタリア)

ホフスタッターは協同組合が発展しているアルト・アディジェで最初、そして最大の個人経営ワイナリー。最も有名なのはピノの単一畑バルテナウ Barthenauだが、その他のワインの品質も定評があるところ。


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Lagrein Steinraffler 1997
[格付け] DOC Alto Adige
[品種]:ラグレイン 100%
[醸造]:熟成は新樽バリックの模様。他は不明。
[アルコール度数]:13.0%
[ブドウ・畑]:単一畑のステインラッフェル。小石が多い土壌で小石が蓄えた熱がラグレインの生育を助ける。標高は約250m。
[生産本数]不明。

ラグレインは強いタンニンと青みのあるフレーバーを持ち、若いうちは飲みにくいさを感じることも多い品種。
それを20年熟成させるとどうなるか、非常に興味を持ってテースティングに臨んだ。
まず見た目。若いラグレインはほとんど黒と言っても良いぐらい、濃い色合いのものが多いが、だいぶ落ち着いた色調になっている。
香りはスパイス、バニラに赤系のフルーツ。若いヴィンテージで感じるインクやプラムと言った濃厚な香りは出てこない。
ミディアムフルボディで、タンニン、酸は程よく丸くなり、質感は滑らかでどんどん飲み進めることができる。余韻はそこそこ長い。

20年以上熟成したラグレインは今回が初めてだったので、若いラグレインのイメージに引きづられてしまったが、これはこれで綺麗に熟成した美味しいワイン。


by taurasista | 2019-09-16 16:47 | ワイン(イタリア)

ラ・スピネッタのトスカーナでのファーストヴィンテージは2001年。当時はブドウを冷蔵トラックでピエモンテの本拠地に運んでいたという。トスカーナにカンティーナを建設したのは2004年。当初生産していたのはスーパートスカーナのセッザーナ Sezzana1種類だけだったが、現在はロゼ、白、そしてキャンティまで多くのワインをリリースするようになっている。このヴェルメンティーノはトスカーナで造られる唯一の白。


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Toscana Vermentino 2018
[格付け] IGT Toscana Vermentino
[品種]:ヴェルメンティーノ 100%
[醸造]:ステンレスタンクで天然酵母を用いて3ヶ月かけて発酵。ステンレスタンクで澱とともに熟成。翌年の春にボトリングしリリース。
[アルコール度数]:13.0%
[ブドウ・畑]:標高は170m、砂と粘土が混じった土壌。樹齢は17年。
[生産本数]:32,000本

熟した洋梨、黄色い花が香る、温かなキャラクターを感じるワイン。
ミディアムフルボディでフルーツは凝縮感あり。強めの酸と軽い苦味がいいアクセントになっている。
複雑性はさほどでもないが、綺麗な作りで、非常に心地よく飲める。
冷やしてもシャープになり過ぎないので、夏に飲むにはうってつけのワインだと思う。


by taurasista | 2019-08-28 13:58 | ワイン(イタリア)

最後の一皿もシーフードだが、ワインは赤をリクエスト。登場したのはリグリア州のロッセーゼ。
ロッセーゼはリグリアの固有品種で、フルーティーで軽やかな飲み口が特徴。シチリアのフラッパート等と並んで魚に合わせる赤の定番だ。最も有名な地域はフランス国境に近いドルチェアクア Dolceaquaで、ロッセーゼ・ディ・ドルチェアクア Rossese di DolceaquaというDOCもあるが、今回のプンタクレーナはジェノヴァ寄りの海岸沿いヴァリゴッティ Varigottiが本拠地である。

プンタクレーナはこの地で500年以上続くブドウ農家で、ワイン醸造も200年以上前からという、非常に長い歴史を持った生産者。現在は4人の兄弟で運営している。栽培や醸造は基本昔から変えていないとのこと。

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Rossese Riviera Ligure di Ponente Vigneto Isasco 2017
[格付け] DOC Riviera Ligure di Ponente
[品種]:ロッセーゼ 100%
[醸造]:ステンレスタンクで発酵。熟成もステンレスタンク。うち4カ月間はシュール・リー。濾過清澄せずにボトリング。
[アルコール度数]:12.5%
[ブドウ・畑]:畑は海から約1km。標高は200m、粘土質の赤土(ここ以外には存在しない珍しい土壌とのこと)。樹齢は18年〜33年。
[生産本数]:不明

純粋な赤い果実味がそのまま伝わってくるワイン。香りにはアーシーさがあり、少しスパイシー。
味わいはフルーティーで柔らかく、ジューシーで甘酸っぱい。ほのかな苦味がアクセントになっている。
少し温度を下げて、暑い夏でも心地よく飲める赤。

合わせた料理はこちら。


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by taurasista | 2019-08-27 20:21 | ワイン(イタリア)

サッシカイアやオルネライアの陰に隠れて目立たないが、この地で最も重要なカンティーナの一つが1977年にカヴァラーリ Cavallari夫妻が創業したグラッタマッコ。ボルゲリではサッシカイアに次ぐ長い歴史を持つカンティーナである。2006年からは、現在ポッジョ・ディ・ソット Poggio di Sottoも所有するワイナリー投資家グループのコッレ・マッサーリがオーナーとなっている。

グラッタマッコの特徴はその立地条件。先駆者だけあって、ボルゲリでは珍しい高台に畑を所有している、立地もやや内陸部であるため、湿気を嫌うサンジョヴェーゼをうまく栽培できるボルゲリでは数少ないカンティーナで、赤は必ずサンジョヴェーゼをブレンドしている。今回いただいたのは、ほとんどが地元のレストランで消費されるという、なかなか一般市場には出回らない珍しい白。

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Grattamacco Bianco 2017
[格付け] DOC Bolgheri Vermentino
[品種]:ヴェルメンティーノ 100%
[醸造]:半分をステンレスタンク、半分を使用済バリックで醸造。頻繁にバトナージュを行う。瓶内で6ヶ月熟成後にリリース。
[アルコール度数]:14.0%
[ブドウ・畑]:標高100mの石灰粘土質の畑。イールドは約45hl/ha。樹齢約30年のボルゲリで最も古いヴェルメンティーノの畑から。
[生産本数]:年間約10,000本

青リンゴ、乾燥ハーブなど清涼感がある香り。味わいには厚みがあり、前の2本と比べると、酸が柔らかく、優しい甘みを持つ。
穏やかな表情のワインだが、優しいでけではなく力強さも十分で、かなりの熟成ポテンシャルがありそうだ。
1本ストックして、5年から10年熟成させたい、そんな気持ちになる優れた白ワイン。

合わせた料理はこちら。

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by taurasista | 2019-08-26 20:56 | ワイン(イタリア)

ヴェルメンティーノはサルデーニャで最も一般的な白品種だが、生産地として最も知られているのが島の北東部でDOCGにも認定されているヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラ。このシドゥーラはその最良の生産者の一つである。

評価が高い生産者なのだが、生産者自体については驚くほど情報がない。ウェブサイトはワインのスペックはしっかりと記載されているが、生産者の情報はほぼなし。イタリア語も含めて検索してみたが、ネット上でも見当たらない。意図的にミステリアスな姿を演出しているのでは、と思わせるほどだ。

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Vermentino di Gallura Maìa 2016
[格付け] DOCG Vermentino di Gallura Superiore
[品種]:ヴェルメンティーノ 100%
[醸造]:詳細は不明だが、発酵はおそらくステンレスタンク。ステンレスタンクで澱と共に熟成。翌年の春にボトリング。
[アルコール度数]:14.0%
[ブドウ・畑]:標高250mの花崗岩の畑。イールドは約45hl/ha。
[生産本数]:不明。

熟した果実味とフレッシュさを併せ持つ、親しみやすいワイン。青リンゴ、黄桃に塩気あり。
凝縮感ある味わいだが、強めの酸があり、また少しミンティで爽やかさがあり、旨味も十分。
広い層に受けること間違いなしの、レベルの高いワイン。


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合わせたのはサルデーニャのつぶつぶパスタのフレーゴラ。アボカド、トマト、キャビアのソースで。


by taurasista | 2019-08-24 20:13 | ワイン(イタリア)

イタリアの白品種で最も熟成能力が高いと言われるのがマルケ州のヴェルディッキオ。アドリア海に近いヴェルディッキ・デイ・カステッリ・ディ・イエジに隠れて目立たないが、山間部のマテリカにも非常に優れたワインがある。

内陸部のマテリカは標高も高く、冷涼で乾燥したエリア。カステッリ・ディ・イエジよりも長期熟成向きと言える。その代表的なワインが今回ご紹介するラ・モナチェスカのミルムだ。モナチェスカの歴史は1966年に現オーナー アルドの父カシミーノ・チフォラが元々ベネディクト派の修道院が所有していた土地を購入したことに始まる。ファーストヴィンテージは1973年。82年にアルド氏が参画して現在に至る。このミルムは良年のみ生産されるリゼルヴァで初ヴィンテージは1988年。遅摘みのブドウから造られる分厚い味わいが特徴だ。

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Verdicchio di Matelica Riserva Mirum 2015
[格付け] DOCG Verdicchio di Matelica Riserva
[品種]:ヴェルディッキ 100%
[醸造]:ステンレスタンクで約20度で20日間アルコール発酵。翌年春まで澱と共に寝かせ、その後乳酸発酵。約18ヶ月ステンレスタンクで過ごした後、6ヶ月瓶熟してリリース。
[アルコール度数]:13.5%
[ブドウ・畑]:標高400mの南北に面した粘土質の畑。樹齢は30年。ブドウは約2週間遅摘み。イールドは約22hl/ha。
[生産本数]:約20,000本

強い果実味とミネラルが特徴的なヴェルディッキ。香りには柑橘類や煎ったアーモンドを感じる。味わいは分厚く、糖度は高めで甘さを感じるが、強い酸と塩味でバランスを取っている。フレッシュ感があり、アフターも長い。最良のヴェルディッキの一つとの評価に恥じない優れたワインだ。

手の込んだ魚貝の前菜とのペアリングも素晴らしい。

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by taurasista | 2019-08-23 20:56 | ワイン(イタリア)

マルコ・カルピネーティはローマの南東56kmの丘陵地帯の町コーリ Coriを本拠地とする家族経営のカンティーナ。1986年からマルコが指揮を取っている。
大きな特徴は古代にギリシャから持ち込まれた品種を栽培していること。このキウスはその一つベローネ Belloneのみを使ったワインだ。

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Kius Brut Metodo Classico 2015
[格付け] Vino Spumante di Qualita
[品種]:ベローネ Bellone 100%
[醸造]:ステンレスタンクとバリックで7−12日間発酵。瓶内熟成は24ヶ月。
[アルコール度数]:12.5%
[ブドウ・畑]:標高500mの南向きの火山灰土壌の畑。樹齢は13年。
[生産本数]:40,000本

柑橘類、ミネラルが基調の豊かな香り。ガス圧はやや強め、酸も強いが、クリーミーなテクスチャーの中で調和していて、フレッシュで夏場に飲むには最適の泡。アフターには塩っぽさを感じる。ノーマークだった作り手、品種だが、クオリティの高さはなかなかのもの。無名の産地で4,000円台後半という小売価格は強気だが、お店でソムリエがうまく勧めれば広い層に受け入れられるワインだろう。華やかな口取りとのペアリングはバッチリだった。


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by taurasista | 2019-08-22 20:41 | ワイン(イタリア)

マルケ州の赤品種で代表的なのはモンテプルチャーノだが、このアクロンテはカベルネ100%。90年代まではサッシカイア、ガヤのダルマジ、ランポーラのサンマルコ等と並んでイタリア最高のカベルネとの評価を受けていたワインだ。

マルケのカベルネは他には見当たらない。イタリアのフランス品種と言うと、スーパートスカーナのように歴史とは無関係だと考えがちだが、それは正しくない。歴史的な要因でかなり古くからフランス品種が栽培されている地域がある。例えばフリウリの名門ヴィラ・ルシッズ Villa Russizの赤のトップキュヴェはメルローだが、これはかつてこの地を支配していたハプスブルグ家が持ち込んだもの。

アクロンテの歴史もこれと似ている。このカンティーナのある土地は、19世紀初めにナポレオン一世がイタリアを占領して以来第二次大戦後までナポレオン一族が所有し、フランス品種を持ち込んだ。この領土は第二次大戦後に分割で売却されたが、その一部を購入したのが現在のオーナー エルヴィディオ・アレッサンドリ Elvidio Alessandri氏の一族である。

ブドウ栽培に関しては、ナポレオン時代の伝統は途絶え、地場品種に植え替えられていたが、エルヴィディオ氏が主導して80年代に伝統復活プロジェクトが起動、80年代後半に再度フランス品種が植えられ、現在に至っている。

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ボトルにはナポレオンのNが浮き彫りに。カッコいい。

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Akronte 1992
[格付け] Vino da Tavola (現在はIGT Marche)
[品種]:カベルネ・ソーヴィニオン 100%
[醸造]:このヴィンテージに関しては情報がないが、現在はステンレスタンクで発酵。フレンチオークのバリック(新樽100%)で18−20ヶ月熟成。
[アルコール度数]:13.5%
[ブドウ・畑]:詳細不明。
[生産本数]:不明

控え目だがエレガントで品が良く、いかにも育ちが良いワインだ。
香りは特に強くはないが、軽やかで芳醇。カシス、スパイスに加えてやや潮っぽさがある。ミディアムフルボディで、程よくこなれた果実、酸、タンニンが素晴らしいバランスを形成し、とてもシルキーなマウスフィール。少し塩辛く、長いアフター。
かつてイタリア最高のカベルネの一つと賞賛されただけのことはある。もうほとんど市場に残っていないことは間違いないが、万が一見つけたらぜひ購入したい。そう思わせるワインだった。



by taurasista | 2019-08-12 09:15 | ワイン(イタリア)