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イル・カルボナイオーネのことを知ったのは、確か創刊間もない頃のワイナートのスーパー・トスカーナ特集でした。当時はまだ日本未輸入で、初めて飲んだのはイタリアから定期的にワインを空輸していた知人のワイン会だったと記憶しています。ヴィンテージは確か96年でした。

カンティーナは2004年に訪問。当時はGoogleマップは存在せず、カーナビも持たずに地図のみでの旅で、所要時間が全く読めず、大遅刻したにも関わらず、温かく迎えてくれたのが創業者ヴィットリオ・フィオーレのご子息ユーリ・フィオーレ。樽からも含めて、気前よく何でも試飲させてくれましたが、遅れたせいでピアントナイア(当時はエノテカ・ピンキオーリ専用だったメルロー100%の超レアもの)の準備ができず、これだけ飲み逃したのが今でも心残りです。

カンティーナと畑はキャンティ地区の北側グレーヴェ・イン・キャンティ近くのルッフォリ地区に位置しています。ここにはサンジョヴェーゼ・ディ・ラモーレという珍しいクローンの古木が残っていて、イル・カルボナイオーネはそれから作られています。標高はかなり高く、西に面した畑は山間を抜ける風の通り道で、日照条件も良く、サンジョヴェーゼ栽培には最適の環境だ、とユーリ氏が言っていたのを思い出します。
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Il Carbonaione 1996
品種:サンジョヴェーゼ 100%
醸造:温度管理されたステンレスタンクで発酵後、350リットルのトノーで約14ヶ月熟成。さらに約半年瓶熟後、リリース。
アルコール度数:13.5%
ブドウ・畑:グレーヴェ・イン・キャンティのルッフォリ地区。樹齢は約70年。
生産本数:平均すると約30,000本/年

色はフォンテルートリ▶️クエルチャベッラ▶️イル・カルボナイオーネとどんどん薄くなっていきます。香りは明らかに前の2本と異なり、果実よりもレザー、スパイスを強く感じます。ミディアム・ボディ。前の2本に比べるとやや小ぶりですが、程よくこなれたタンニンと酸、そして熟した赤い果実が密度濃く凝縮されていて、長い余韻まで切れ目がありません。いかにもサンジョヴェーゼらしいワインで、優れたイタリアワインの一つのプロトタイプと言ってもいい魅力を持っています。

キャンティ地区の1996年はヴィンテージ・チャート的には並みですが、熟成させた良いものにはかなり当たりが多い、というのがこれまでの印象です。このワインはまさにこれまでの印象通りで、熟成したサンジョヴェーゼの艶やかさ、色気を存分に魅せてくれた素晴らしいワインでした。

by taurasista | 2017-06-03 18:42 | ワイン(イタリア)