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ダミアン・カプリャ Kaplja 2008 (Damijan Podoversic)

ダミアンとのお付き合いはちょうど10年になる。2005年の春に訪問したヨスコ・グラヴネル Josko Gravnerで帰り際に玄関で見つけた見慣れないボトル。「自分の一番弟子」だと聞いて興味を引かれない訳はない。翌年フリウリを再訪した際に訪問のアポを取った。ゴリツィア Goriziaの隣町ルチニコ Lucinicoの教会前で小雨が降る中、ペパーミントグリーンの作業着の大柄なお兄さんと無事落ち合って、畑とセラーを案内してもらった。納屋同然の質素なセラーで樽から試飲した2003年の力強さは今でも印象深い。

以来彼のワインは定期的に飲んでいるが、年とともにどんどん安定感を増しているように感じる。以前は揮発的な要素から神経質さを感じることもあったが、近年開けたボトルはどれもおおらかさと洗練を兼ね備えたハイレベルのものだった。
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日本では普通に入手できるダミアンだが、「自然派」後進地のロスではそういう訳にはいかない。行きつけのショップ The Wine Houseはこの系統のワインを常にストックしている少ないお店の一つだが、カプーリャ2009年は50ドル。これにタックス9%がかかる。120円で換算すると約6,500円。ドル高ユーロ安もあってイタリアワインはアメリカでは値頃感があるものが多いが、「自然派」についてはその限りではない。このため、米国に来てからは飲む機会が大幅に減っていたが、先日winebid.comで安めで出品されていたのを見て、早速購入してみた。

常温でスタート。1時間ぐらいでほぼ完全に開いた。香りは非常に高く、丸い。アプリコット、黄桃、蜂蜜、白胡椒など温かみがある香り。味わいも同様で、大柄で包容力がある。力強い果実味、高い酸、貴腐由来と思われる甘みが一体となり、バランスを保ったまま長いアフターまで続く。酸化のニュアンスはあるが、うまくその他の要素と溶け合っていて、ワインに複雑さを与えている。鷹揚でかつ細かいところまで心配りされていて、気持ちを落ち着かせてくれるハイレベルで癒しのワイン。改めて彼のワインの進化を感じた。

by taurasista | 2015-05-31 04:42 | ワイン(イタリア)