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ロッソ・デル・コンテ Rosso del Conte 2003 (Tasca d'Almerita)

ロッソ・デル・コンテ。シチリアワインの歴史を語る上で欠かせない名前である。90年代の初めまでローマ以北のリストランテでリストされていた南イタリアのワインは3種類のみだったと言う。Mastroberardinoのタウラージ、Cosimo Taurinoのパトリリオーネ Patriglione、残る一つがこのロッソ・デル・コンテ。現在と違って情報入手が難しく未知の世界を知るには自らの足で、舌で経験するしかなかった時代にシチリアにも高品質のワインがあることをイタリア全土に知らしめた功績は非常に大きい。
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初ヴィンテージは1970年。時とともに醸造は変遷、初期はセメントタンクでの発酵、栗の大樽での熟成だったが、90年代初めから徐々にステンレスタンクでの発酵、フレンチオークの新樽100%での熟成に移行。地場品種のみ(メインはネロ・ダヴォラ、一部ペリコーネ Perricone)だったブレンドにも最大30%の国際品種(公表されていないがカベルネだと言われている)が加わり、2000年代中盤には国際色がすっかり強くなったが、ここからやや先祖帰りして新樽比率も国際品種の比率も下がって現在に至っている。

その歴史的価値のせいか、イタリアワインを集中して飲み始めた2000年前後から興味を惹かれて定期的に飲んでいるが、なかなかこれといったものに当たらない。唯一の例外が1988年と1992年。詳しくは2008年12月5日の記事をご覧いただくとして、新樽バリックを使い始めて国際色が強くなってからのヴィンテージは確実に予想した円の中に、それも小さめに収まってしまう。この2003年も例外ではない。樽の要素が強く残り、ジャミーな香り。2003年はシチリアも酷暑のヴィンテージだったと記憶しているが、ボディは小さめ、舌にぴりぴり来る酸は強く、スパイシー。ドライなタンニン。前のめりでアタックはしっかりしているが、その後の持続力はあまり強くない。歴史的な価値のあるワインだけに、また大樽時代の独特の個性を知っているだけに、もうひと頑張りして欲しかったと思う・・・・。

by taurasista | 2015-05-25 07:15 | ワイン(イタリア)